僕の番が怖すぎる。

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一章 降って湧いた災難

俺の俺だけのお姫様…

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 あー…皆、本当に大丈夫?

 もう止めようか?

《ここまで来て止められたらそれは気になるよ!》

 そう?なら続けるけど、
 一応ここからはさっきまでみたいな話は暫くは無いよ。

《暫くは?》

 仕方ないでしょう?鬼族の食性はそれなんだから。
 どうしてもそんな話になる。

《ヴァンパイアとグールのハーフだもんなぁ。》

 それに言ってなかったけれど、鬼のΩには吸血を苦痛にさせない為に、唾液とか体液とかには催婬作用があるし、
 鬼のαにはとんでもないくらいの破壊衝動や、性衝動があって、非常に性欲が強いんだ。
 さっき話したみたいな事をしたら物凄く、したく・・・なる。

《リリィとシュテンはずっとしてるじゃないか…》

 行為中に血を貪り合うのも、非常に気持ち良いから仕方ないんだけど、
 他種族からは『鬼は野蛮で好色』とかも言われていたね。

《うーん、これで種として成り立つのが凄いな。》
《他種族というのも気になる。》

 まあ、そういうふうに出来ているとしか言えないよ。
 他種族はもう少し先でね。

 次は…ライスワイン日本酒にでもするかな?
 何となく懐かしくなってきて欲しくなった。


 ◇◇◇


 兄弟だった・・・ものたちの血や臓物などに塗れた朱点シュテンは、初めて僕を連れ込んだ時のように小脇に抱え、部屋まで物凄いスピードで帰ってきた。

 そのまま自分の閨に僕を連れ込み、着ているものなどを乱暴に剥いで、自分ももどかしそうにしながらも脱いだ。

 僕を喰らいそうな視線は情慾が宿り、普段のこいつとは違う。

 大きな、僕の大好きなソレ・・は既に勃ち上がり、先からは汁が溢れているくらいだった。


 発情ラットだ。


 不思議なことに、こいつは今まで発情したことが無かったらしい。

 αもΩもどちらも同じくらいの因子を持っている為、どちらでもあった。
 その為か全くそういったことにはならず、抱き合い交わる行為なども
 こいつにとっては性欲の解消の為の、軽い運動みたいに考えていて、そこまで情熱を注ぎはしない。
 だから発情こんな状態にならなかったことも、僕が無事だった理由の一つだ。 
 
 後日、変態行為などをあまりにも強いられるので、厳しく叱ってから聞いてみたが、
 偶に抱かれてみたい欲求もかなりあったそうなんだが、誰もそんなことはしてくれず、
 とても辛かったそうだ。

 (お前みたいな体格で、こんな恐ろしい力を持つΩは、そりゃあ怖いから誰も無理だよ!!)



百合ユリ、俺の俺だけのお姫様…
優しく、優しくしてやりたいのに無理かもしれない。
それには少し控えろ茨木イバラキからも言われたのに…」

 また茨木か!
 何だよ!何なんだよこいつは!!
 そんなにあのひとが良いのか!!!

「お前な、これから抱く相手を前に愛人の名前を出すなよ!このバカ!ヤリちん!巨根!絶倫!クソ赤毛!!
良いから気にせず、僕を好きに貪れ。その代わりにお前から僕も好きに血を貰うぞ!」

 こんな啖呵を切ってしまったが、些か下品だった。

 だけどこいつが、朱点がこうして求める初めての相手が、自分であるなら答えたかった。

 朱点はいつもみたいに、にこにこと子供みたいに笑い、僕を抱きしめ、頭を優しく撫でる。

 こいつの良くするこの癖は、母親である后陛下に叱られた後に必ずされるものらしい。
 僕の母は僕を産んですぐに亡くなり、うちは【青】の宗家であるから家族は忙しくしており、母代わりの姉も居たが駆け落ちしてしまい、 
 こういった事をされたことはほぼ無く、僕もされて嬉しかった行為だ。

 その後にすぐ僕を押し倒し、解すのもそこそこに入ってきた。
 三月に渡り毎日睦んで来たが、いきなり突っ込んで来れれるのはキツいものがある。

「くっ…お前は、もう…少、し遠慮しろ、よなぁ…!いきなり突っ込まれたら痛いんだよこの巨根!」

 朱点はその美しい顔を少し苦しそうに顰めながら話す。

「悪いが本当に今は無理だ。それ・・に配慮できそうにない。だがまぁ、俺の・・やつだし大丈夫だと思う。」

 訳のわからないことを言いながら、
 強く、更に奥へ奥へ行こうとする。

「あぁ…うん、もっ…と来い、よ。それから…血を寄越せ。お前のせいで、お菓子とか…全、部駄目になったん、だからな。」

 こいつの腰に足を絡め、奥の方に導いてやる。

「はぁ…はぁ…あぁ、百合、俺のお姫様はエロいのに男前だな。」

 僕を見るこいつの瞳はギラギラと輝いている。
 心臓にある、僕の【白百合】を愛おしそうに眺めるやつに、僕はなんだか絆されてしまった。

 両手を大きく広げ、こいつの目と視線をあわせる。

「今日は特別だ、お前の大好きな僕の【華】から飲んでいいぞ。
その代わり、僕にもさせろよ?」

 それはかなりの苦痛を強いられるが、非常に美味とされ、互いにそうするものは深い信頼や愛情で結ばれていなければしない。
 下手をすると死ぬことすらあるからだ。
 だが、互いにそうすることでとんでもない快楽を味わうことも出来るらしく、こういった行為の最中で亡くなった同胞もいたりする。

「それは、大丈夫か?」

「今まで、お前は僕にずっと優しかった。だから偶にはな。
それに、僕のことを喰い殺したりなんて絶対しないだろ?」
「当たり前だ。」

 そう言うと朱点は、僕の【華】に口づけし、そして噛んだ。

「うっ!あぁ…ぁぁああああああああ!!」

 心臓のあたりから激痛がし、思わず中にいるこいつのソレを締めてしまった。
 まだ暫くは飲んでいるこいつを抱きしめ、今度は僕が頭を撫でて痛みに耐える。

 もう、大盤振る舞いだ。
 僕はもう…こいつのことを放っておけない。
 離れたくないと、そう思った。

 あんなにもやもやして、イライラしていた彼らへの嫉妬の気持ちもなぜか萎んでしまった。

 僕を、貪りながらも更に注挿を繰り返すこいつに翻弄されるが、まだ暫くは耐える。

「しゅ…てん、そろそ…ろ代、われ…」 

 僕の【華】から牙を抜き、その痕をペロペロと舐めて癒やす。
 二つの色違いの視線は、ずっと僕の方を見ている。
 始祖様から継がれたこいつのこの眼も好きだな。
 
「百合、これはまずいな。美味過ぎる。お前も気をつけろ。」

「お前と違って、僕は行為中に相手を殺したりはしません。それに危なくなったら、お前は僕の意識を落とすとかして、自分で防げるだろうが。」

「……………──だ」

 何か小さく話したが、珍しく気まずい顔をして目を反らした。

 何だろうこいつがこんな表情するのは珍しいな?
 徐に、僕の唇に口づけをして、息が苦しくなるまで吸い上げる。
 中に舌まで入れてきて、同時に僕の奥にある、子を宿し育てる部屋の扉を撫でる。

 おかしいな、いつもならそこにまで入ってくるのに何でだろう?
 それよりも、何となく誤魔化されたことが気になる。
 まぁ、こういうのははじめてだし、僕らは、喋るよりも肉体言語で語り合う事ばかりだしなぁ…
 勢いのある今なら色々と聞きたいことも聞けるかな?

「ぶっ!…はぁ…はぁはぁ…、お前なぁ、代われって言ったのに何してんだよ!」

「俺のお姫様が物凄く可愛かったからついだ、許せ。」
「そう!それだよ、なんで初めて会った時から、僕のことをそう呼ぶワケ?」

 これも気になっていたことだ。
『お姫様』呼びは本当になんでなんだろう?
 確かにそんな風に育てられているが何でなんだろう?

「昔から母上に俺の『運命』の伴侶はΩで
俺の俺だけのお姫様だから、優しく大事に大事にして可愛がれと、
俺を惜しみなく与え仲良く暮らせと言われてきた。
言われてきたとおり、百合はΩで俺の俺だけのお姫様だった。」

 そう言って僕を本当に愛しそうに見つめる。

 (何だろう…珍しく長く喋っているけど良くわからないな。
 后陛下は【予知】などの力がある方だから、そんな事をこいつに告げていたのか。)

 僕の中を蹂躙するソレは、いつもより逞しく熱い。

 (こいつ思ってたけど、やっぱりマザコン?ってのが過ぎるなぁ… 本当にこんな幼い自分よりも子供だなんて、なんかかわいいな…)

 全然優しく無い抱き方なのに、心は何故か暖かくなってきた。

 (イヤイヤイヤイヤ!何をヤバいこと考えているんだ僕は。)
 
 このままずっと抱かれていたい。
 だけど…

 (こんな関係もずっと続くかわからない。)

スメラギ】の角が生えているけれど、僕は【青】の跡取りだ。

 (こいつに捨てられる事もあり得るし、下手したら他のやつみたいに喰われるかもしれない。)

 実際に今までにそうやって、抱かれて喰い殺されたやつも沢山いる。

 (でも今はこいつとこうしてるのが、悪くないどころかとても良い。)

 考えれば考えるほど、自覚する自分の気持ち。
 

「…もういいや、お前のも貰うぞ。」

 そう言うな否や、こいつを逆に押し倒し上に乗る。

 忘れているかもしれないが、僕も鬼でこいつの番にされ【華】を与えられた。
 以来、大幅な肉体の強化がされ、力も強くなり、体も頑丈ですぐに癒える様になった。
 だからこんなことも出来る様になった。

 こいつの持つ【青薔薇】にそっと口づけをする。
 美しく咲いているそれをペロリと舐めてから噛み、血を吸い上げていく。

「ぐっ!あぁ…ぁああ!!」

 こいつでも、痛いとことかあるんだよなぁ。
 痛覚とか諸々感覚がおかしいけど、鬼族僕らの急所は流石にキツいみたいで、さっきので果てたみたいだ。
 まぁ、いつもみたいにもう元気になってきているけれど。

 こいつの血を何度も何度も飲んでいるが、あり得ないほどの味に加減を忘れそうだ。
 それに言われていた、恐ろしいまでの快感の予兆も来ている。

 自分から誘っておいてあれだが、なんか危険を感じるなぁ。

 ある程度貰うと、牙を抜き、丁寧に痕を舐めてから最後にまた口づけをして離す。

「ほら、朱点……ここからは色々と忘れて睦み合おう。」
「俺のお姫様、お前は本当に可愛いな。もっともっと、お前を可愛がらせてくれ。」

 そこからはまたこいつの下になり、責めてくるソレを締めつつ自分も善いところを擦る様に動く。
 いつの間にかこいつの背に爪を立て、すがりつき、発情期並に恥ずかしい状態になっていった。


 ◇◇◇


 …なかなか恥ずかしいものだな。
 私になってからは、そんな経験がないのでわからないが、
 なんか初恋を知った時とかが、きっとこんな感じなんだろうな。

《凄くドラマティックに見えるけど、初恋のピュアなものからは程遠く爛れすぎている》
《なんだろう、最初から聞いていたものとしては、なんとも言えない気持ちになった。》

 わかっているよ!
 始まりからあれだから仕方ないだろう。

《シュテンがなんか可愛く感じる》

 そうだろう!あれは色々と頭が痛いやつだがなんか可愛いんだよ。

《ストックホルム症候群というのを知っているよな?》

 失礼な!私だって医者の端くれだ。
 
《そういう意味で言ったんじゃないんだけどなぁ。》
《マリーも大分できあがってきてるからなぁ。》

 さて、もうそろそろ山場を過ぎたあたりかな?
 私が体験した災難はもう少しで一先ずは終わりだ。
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