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二章 あいつの存在が災厄

辛抱強さと寛容。危険な愛と美しき善良。 弐 *

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 * メインカップル以外の絡みがあります。

 ◇◇◇


 僕ら以外の者の気配が完全に無くなり、御簾を隔てた隣室には、いつの間にか伽の為の支度が用意されていた。
 行為後に必要な薬や交わりを楽にする香油などだ。

 彼は前世よりも遥かに逞しく、筋肉がしっかりと付いた成長期の男の子の体だが、鬼の中でも上から数えた方が良い程強い力を持つ僕には、羽みたいに軽い。
 彼を褥に下ろすと着ているものを脱がし、またキスを繰り返しながら体を拓いていこうとした。

「ヤバい……なんかお前の匂いを嗅いでたら体がおかしい。
腹の奥が疼く。
お前のぶっといちんこが今すぐ欲しい」 

 ほんのり赤く色づいて、熱っぽい体を抱えた彼が、物凄く即物的でわかりやすいリクエストをくれるが、僕を受け入れるにはまだ何の準備もしていない。

「それは僕も苦しいから駄目」

 だからやんわりと断る。
 鬼のオスの持つそれは規格外に大きく、小さな体の僕でも、完全に勃ち上がると自分の腕並みに太い。

 彼は角なしβ性だから、Ωメスの様に抱いてはいけない。
 αオスを抱く時はどうせ殺すから前戯などせず突っ込んでいたが、彼は違う。
 そんな事をすれば大惨事だ。

 昔の彼にスポドリのデカいペットボトルを突っ込んだ事がある。
 散々開発した体でも途中で悶絶した末に、泡を吹いて気絶した。
 あれはかなりヤバかった。

 だからそれに似た大きさである僕のモノは、凶器なんてものじゃないだろうから、どんなにお強請りされても絶対にしないと決めていた。

「でもなぁ…さっきから尻が漏らしたみたいに濡れてきてるんだわ。
多分だけどいきなりぶち込まれても平気かもしんない」

 Ω並みに喘ぎ乱れ、普段は口淫や手淫で僕から出たものを使い自ら孔を解し、僕を誘うような淫乱だが、βがΩになるなんてそんなワケはまずない筈だ。

「なわけ無いでしょう!」
「イヤイヤ、マジだから!おれもちょっと怖いんだけど…確かめてみてくんない?」
「……分かったけど、無茶なことは絶対にしないからね」
「へいへい」

 全裸の彼をうつ伏せにして尻を高く上げさせて、僕を受け入れる孔を確認する。
 すると不思議なことに確かにΩの様に濡れていた。

「おかしいね?孔雀の薬でも飲んだ?」

 窄まりの周りに溢していたものを指に取り確認するが、Ωの奴が出す愛液によく似ており、腸から分泌されるものではない。

「いんや?茶も飲んでねーから、盛られるようなものは口にしてない」

 僕の側近は【緑】の家の薬師でもあり、恐ろしい毒薬からαやΩの発情をコントロールするものまで、様々な物を取り扱う。
 彼を手籠めにしてしまった時も僕はαの発情ラットみたいな状態になったし、彼も媚毒が良く効く様になっていた。
 そんな薬をあいつは僕らに盛った。

 あいつは問いただしたらあっさり認め、『若様がオスとして目覚める為にはあれが必要です』なんて言う様なヤバい奴だ。
 彼の事を『品性に問題があり、些か承服しかねますが』と断じていたが、なんだかんだで術を仕込んで他にも色々と教育しているから、それなりに認めているんだろう。
 そんな彼に『閨事の教育が要らぬのは楽ですが…このメス犬は知識の偏りが激しく、変態過ぎます』と告げられて僕は悔恨の念に襲われた。

 なぜなら彼が酷い被虐性欲ドMとなり、とんでもない淫乱になったは昔の僕のせいだからだ。

 ちょっとこちらでは受け入れられないプレイを要求してくる。

 今だ。

 彼の体のおかしな状態なども含め思案していると、彼が僕のもとどりに手を伸ばし、髪を結っていた組紐をするりと解いた。
 ぱさりと落ちてくる僕の白金の髪を軽く手櫛で整えながら

「うん、おれやっぱ光の髪の色好きだわ。
顔もとびきりの美形だし、前と変わらず白くてスゲー綺麗」

 こんな風にひと好きのする笑顔で僕を誉める。

 昔も今も僕はアルビノってやつだ。
 だが、【白】を持つ者はこの世界では極端に少ない。

「そう?ありがとう」

 だから自分の容姿ははっきり言って好きではない。
 でも、この世界でも稀で異質な外見だけは、彼の好みにピッタリはまるらしく、そこは嬉しい。
 
「んじゃ、これ……お願い」

 そう言って渡されたのは僕の髪を結わえていた組紐。
 これで自分のペニスを縛れといつもの様に僕にそれを強請る。
 そのままにしていると僕が挿入しただけで達してしまうので、それが嫌らしい。

 (……開発されきったメス犬にしてゴメン)

 昔はもっと徹底した管理をしていたが、まさか自分から好んでするようになるとは思わなかった。

 彼の可愛らしいモノを強く縛りすぎないように気を付けて、根もとを縛ってやる。
「痛みは?」って聞いてもきっと「…イイ」とか言いかねないからそれは控えた。

 今の僕にはそれくらいの配慮がある。
                                                               
                               ◇

 僕の『メス犬』である彼、アオは『おすわり』の姿勢で僕の脚の間に座り、猛りを舐めて口で奉仕している。
 快感の予兆を感じて彼にそれを伝える。
 
「アオっ……、…出る………っ」

 大きすぎて口の中に収まらないが、なんとかそれを銜え込み、吐き出された大量の精を飲み込もうとするが、当たり前のように顔にもかかった。

「…ごめん」

 用意されていた身を清める為の手拭いで拭ってやり謝罪するが、アオはそんなことも気にしない。
 僕に返事もしないで吐精されたものの一部を掌に吐き出して、それを使って後孔を解しはじめた。

「んっ、………ふ、…ぁ」
 
 何故か濡れていることもありいつもより早く、既に指も3本まで易々と飲み込んでいる。
 仰向けになり、大きく脚を広げてそれが良く見えるようにしてから、ぬちぬちと抜き差しを何度も繰り返しそこが綻んでいくのを僕に見せつける。
 緩められたそこは何故か蜜を溢して僕を誘おうとしていて、それに昂りをおぼえる。

「さ、ご主人サマ、早くおれにちんこくれ」

 こんな感じで昔した『躾』が効き過ぎているから、未だにそれをすることがあり、ドキリとする。
 ロールプレイとして受け止めているのか、僕の『犬』になるのも割り切りが早すぎて恐ろしかった。

 (これは絶対に止めさせないといけないと思ってるんだけど)

 それ故に『メス犬』と呼ばれても然程気にしないところがあり、僕は現在アオのそういったおかしな感覚を矯正中だ。

 (アオが好むからか全然上手くいってないけど)

 行為中の敬語は治った。

 (代わりに粗野で野蛮な言葉遣いになり、今度はそれを改めろと孔雀に叱られている)

 もしかするとこれが本当に好きなら仕方ないと最近は思っているが……

 (僕がいなくなったらお前どうするの?)

 その答えは誰も出してはくれなかった。

「なぁ~光ぅ……」

 そんな僕のメスはしきりに「ちんこくれ!」と強請る。

「…お前は『待て』も出来ないのか?」
「……も、無理!…ご主人、サマ………おねがい」

 今回くらいは普通にしたかったが、結局いつもここで断念してしまう。
 仕方なく『待て』の出来ないこのわんこを可愛がってあげることにした。
「はぁ」と溜め息を一つ吐いてから、アオの脚を更に大きく開かせその間に入り

「…力を抜け」

 窄まりに先端を馴染ませてから、アオの中につぷりと自身を挿し入れるが

「ぅ…っ、…は、ぁっ!」

 痛みに強ばる体が僕の侵入を阻む。
 いくらナカが濡れていようが、やはりオス。メスとは違い構造上受け入れる為の体ではない。

 それを僕の精や唾液などの体液を使い解すことで、それに含まれる媚毒が体を弛緩させ、痛覚も快感に変えて受け入れ易くさせているらしい。
 そんな事を孔雀の閨講義で学んだと、大変自慢げに話してくれた。

「ぁ、…い゛ッ!………っ!…ぐっ」 

 それでも何年にも渡り、毎日のように抱いて僕に慣れきった体ですら、最初はこんな感じで苦しむ。
 ゆっくりと沈めていくが、苦悶の表情で身をよじり痛みを逃している。

「……っ」

 強く締められすぎて僕も苦しい。
 何故かいつもより媚毒の効きが悪い。
 アオの負担は大きく、顔色も赤かったのが白くなってきた。

 (ナカは濡れたりするし…おかしいな?)

 仕方なく手首を噛み切って僕の血を口に含み、口をはくはくとさせて息をするのも苦しそうなアオに、口づけをしてそれを渡した。

「飲み込みなさい」

 こくんと頷き、嚥下される僕の血。
 極少量だが、最も強い催淫毒が出ているという血を飲ませた。
 一番は僕の心臓から吸血することだが、アオにはまだ・・牙がない。

 こんな事にならない為に、少しでも楽になるように何度もキスを繰り返し、唾液を飲ませていたが、追いつかない時はこうしている。
 だから僕らのお誘いの合図はどちらかがキスをする事。

 (そういえばアオから誘うのも珍しい)
 
 そのうちに更に僕の媚毒に酔ったアオの体が弛緩して、グニャグニャになってきた。

「…良いか?」
「…ん。も…、だい、……じょぶ………きて、光」

 それを確認してからアオの腰を掴み、一気に挿し貫くと、大きく背を反らして絶叫した。

「ん゛ッ!……、う゛ッ、…ぁ、ン゛ーーーッ!!」

 軽く達したのかガクガクと震える体は、漸くを僕を迎え入れる準備が出来たらしい。
 まだナカは少しキツくて、ぎゅうぎゅうに締め付ける。でもそれが心地良い。
 一度出したがまたすぐに果ててしまいそうになる。

「収まった。動くよ」

 ゆっくりと抽挿を開始してやると可愛らしく啼き声を上げる。

「あぅぅ……っ、ひっ、………あぁんっ、ン!アッ…あっ、あっ、アン」

 さっきまでは苦痛からぷるぷるとしていたが、今は僕の背に手をまわしてひしと縋りつき、僕の匂いをくんくんと犬みたいに嗅いで悶えている。

「ふああぁぁ……おっ、きい!……光の、ちん、こ…すきっ!……アッ、…あ…ん、ンッ」

 可愛らしく喘ぐ顔は蕩けきってとろんとした淫らな『メス』になっていた。

 (匂いを執拗に嗅ぐし、本当にΩメスみたいな行動をしておかしいな?)

 ガッチリと腕は首に、脚は背でクロスさせてホールドしているから、少し動き難い。
 それでも今までにないほど甘えてくるアオがとても淫らで愛らしく、もっと僕に溺れさせたくなる。
 
「なぁ…アオ、分かる?僕がどこまで来てるか?」
「あっ、アッ……、…奥!そこ…っめぇ…あっ、ちゃう、イッ……逝っ、ちゃう!」

 首をふるふる振ってダメと言いながらも、ナカは更に僕をきゅうと締め付ける。
 なんだか可愛らしいので、緩く突いてやりながらキスをいくつか落とすと、背に爪を強く立てられた。

「僕に爪を立てるなんてお前は『ネコ』か?」
「おれは…み、つの、…ワンコっ!」

 こんな感じなので、僕は行為中のアオを『お前はΩメスの性奴か?』なんて意味の言葉を言ってしまう。
 でも、良くわかっていないアオはいつも『おれは犬』って言う。

 いつもならここまで強く抱きついて来たりしないから、今日はちょっと甘めに抱けるかもしれない。
 そんな僕のメス犬が可愛いから、更に首なんかも少し強めに吸ってやる。

「はぁっ!……ぁ、…ぁっ、あッ、…ンっ!」

 そんな軽いじゃれ付くみたいなものにも悦んで喉を反らして悶えてくれる。

 (強く噛んだり、首を締めたりするのをこの子は好む)

「ん、…もっ、………噛、んでっ!」

 自分から僕に吸血をお強請りするなんて珍しい。

 (行為中に飲むと気を遣るから、長く楽しみたいなら最後にしたいはずなのに)

 どうやら今度は媚毒が強く効きすぎたのか、熱を持て余しはじめたらしい。

 元々彼が僕のもとにいるのは、僕にごはんと体を与える為。 
 そういう契約だ。

 本当なら適当に血と体を貪り欲求の解消をすれば良い。
 でも僕の体液に含まれる媚毒が効き過ぎるのか、アオはかなり飛ぶ・・
 今の状態でも大概なのに、酷い時は交わりについて殆ど覚えていないこともある。

 僕は少しでもまともな状態で長くアオを愛するこの交わりを楽しみたいし、アオも長く快楽を味わいたい。
 それで血を貰うのは一番最後にしていた。

「僕はまだ良くなってないんだけどなぁ……」
「ご、め…ん、…でも、苦し…」

 涙をポロポロと溢して熱に耐えているアオが僕に謝るが、それを見ると虐めてやりたくもなる。

「どうしようかなぁ…」

 焦らす様に彼を責め立てるのを止めた。

「おっ、おねがい…しま、す…ご…主人、サマ」

 そうは言っても媚毒はその性質上吸血されるとその熱が多少落ち着くが、それまでは熱に苛まれる。
 この状態で放っておくと気が狂う事もある。

 (気になって試したことがあるから確かだ)

 それにアオのお強請りに僕は弱い。

 僕の牙を穿つ場所にキスを落として、それを了承の返事にする。
 高みに登る為にガッチリと離さない彼を激しく揺さぶり、

「アッ、や、…めっ!……イッ、……イクッ、…っちゃう、アッ!…あっ」
「…っ!」

 達したその瞬間に彼の首元に牙を突き立てると

「い゛っ!……ッ、…あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁ…っン…」

 彼は啼き声をあげてそのまま気を失った。
 結果、僕は長い射精の間、眠るアオを相手に満足するまで血と体を貪ることになった。

 いつものことだが、意識のない者を抱く行為は好きになれない。
 欲求や媚毒なども他の鬼よりも遥かに僕は強い。
 
 でも持って生まれた血筋から来る、抑えられない血や肉への欲求も、彼の血を飲み、彼を抱くと収まる。
 彼が来るまでは側近に相手をさせるか、処分する奴を犯して喰っていた頃に比べれば、随分マシになったがそれでも足りない。
 鬼やあやかしの討伐もかなりの頻度で行い、そいつらを喰っていたが、最近は朱点の奴が妙に精力的に奴らを始末してくれるので、飢えることが増えてきた。


 だから僕とアオが番であればと皆はそれを望んでいた。
『運命』なら良かったのにと。


                             ◇

 
 吸血したことで気を遣ってしまったアオのペニスを縛る紐も解いてやった。
 これもいつも気を失ったらそうしてやっている。

 最初は壊れた蛇口みたいに勢いよく流れ出た白濁も、今はだらしなくとろとろと透明なものを溢しているだけになった。

 彼の奥を穿ったりしているうちに、長い吐精も終わりそうになった。

「…ん、あ…悪ぃ……」

 やっとアオが起きた。
 自分だけ良くなった事を悪く思っているのか、気まずげな顔をしている。

「落ち着いた?」
「あーうん、そのな…」

 すっかり媚毒が抜けてしまい、ふにゃふにゃじゃなくなっているけど、情欲に堕ちた目はしている。
 そんな彼が僕におかしなことを頼んできた。

「あのさ、……項、噛んでくんない?
なんかそこにお前の牙が欲しくてたまんない」

 (は?!)

「え?!……何?どうしたのアオ、…なにオ、メっ、…メスみたいなこと、言ってんの?」
「いいじゃん噛むだけだから」

 (嗜虐趣味が極まって変な方向に行ったのか?)

 驚きのあまり思わずバース性についてぽろりと話しそうになった。
『角なし』も含めこれはまだ話す訳にはいかない。

 だが、Ωの様に濡れる体や妙に僕の薫りフェロモンを嗅ぐようなしぐさ。
 それに今のお強請り『項を噛め』。

 訳がわからなすぎる。

 だが……

「う~ん。まぁ…構わないけど。多分だけどそこは相当痛いと思うよ?」
「全然!……ィィ………」

 (お前は…そうだったね)
 
 ───僕はこの子にとてつもなく甘かった。

「はいはい、わかったよ。その代わりいつもより長く付き合ってもらうからね」
「うぇっ?!」

 ───この時、僕がアオを噛んだことで彼の運命が大きく変わり、そして僕の来世さきまでも大きく変わることになるとは思いもしなかった。

 アオが妙にΩメスっぽくなって行き、リリィ様と仲良くなり…
 僕らを大いに悩ますことになるこれは、アオが奴らと出会ったことがはじまりだった。


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