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20/06/22 媚毒中毒、齋、神変鬼毒 を追加しました。
【用語】
性別について
鬼族は男のα『肉を喰らうもの』と男のΩ『血を飲むもの』の長が番い誕生した。この時それぞれの民の男のαや男のΩも結ばれた。その為、生来の鬼はαかΩしかいない。
この話の時代では、眷属にされた元人族などとの混血化により、近年は【角なし】と呼ばれるβ性の者も、稀に産まれてくるようになったが、その者たちは鬼と認められず迫害されている。
耳長族の始祖の片割れは女のα『血を飲むもの』で、鬼のΩの始祖と双子である為、縁組などの交流も盛んだった。
この二つの種族は度々血が混じっているが、現在は険悪な仲。
上位の鬼と下位の鬼の比率は 1 : 9 。その中でのαとΩの比率は 7 : 3 ほどでΩが少ない。
人族や妖族などにも、αやΩは見られるようになってきているが、まだ少数で、βの大多数は人族。
女でもαならオス、男でもΩならメスとして扱われる。
鬼族の角について
二次性徴期に入り、第二性の目覚め(通称 成熟)をすると生えてくる。αとしての目覚めを『羽化』。Ωとしての目覚めを『開花』などとも言う。
発情を起こして生えるΩや、それに気づいたαも生える。
鬼は成熟が早いので、早い子は十歳前から生えてくる。
皇の直系に限り、生まれつき二本の角が生えており、その為どちらになるかわかりづらい。
皇の鬼に噛まれて番にされても、噛んで番にしても、相手の角の色は変わり、『皇の金色』が与えられる。
番の成立について
発情期中にαとΩがまぐわい、αがΩの胎内に精を注いでから、襟足のすぐ下あたりを噛むことで成立する。【華】を持つ者は血の伴侶もこの際に結ぶことが多い。
また、鬼族の男のΩは発情期以外では子が出来ず、α同士では、女のαの受胎能力が低く、子供が大変出来難く、Ω同士の場合も、男のΩの生殖能力が低く、相手を妊娠させ難い。
α同士は【赤】の家、Ω同士は【緑】の家を除き、鬼族ではあまり好まれない縁組み。
Ωが項を噛まれないように防ぐ首輪などは、鬼の噛む力が強すぎる為この頃は存在しなかったが、十年ほど先で開発される。
薫り異常体質
鬼族の后や百合の母に百合などの強い力を持つ鬼のΩは、『アレ』より受けた呪いが強く、番を得てもそのオスを強烈に誘う薫りが収まらない。
それを憂慮した皇は后を閨に監禁し、百合の父は伴侶や百合を家に軟禁した。
百合の父は百合がΩとして成熟後、すぐに番を作らせ、それに守らせるつもりで、より強く良いオスを探し続けていた。そのような事情もあり、百合が朱点に手籠めにされても、【青】で唯一その縁組に反対しなかった。
百合が家に閉じ込められ、友人もおらず、見合いばかりするような、そんな妙な育ちをしていたのはこれが原因。
『運命』の番
鬼族が求めてやまない、自分の魂の片割れ。
出逢えば強烈に惹かれ合い、体も心も満たされる。
その血肉は堪らなく美味で、ひと口でも満足するほど。同族を食らうことでしか腹を満たされない鬼にとっては、とても大切なもの。
鬼族はほぼ全てが『運命』と番うとを望み、それを優先する。
逆に耳長族は始祖の片割れが運命を拒否して興した種なので、一部を除きそこまで拘る者はおらず、寧ろそれを嫌う傾向すらある。
鬼族
所謂、食人鬼と吸血鬼のハーフの様な存在。同族の血か肉が主食。
あちらで最強のあり得ないくらいの反則的種族。
外見的な特徴として、αはこめかみのあたりから二本の角を、Ωは額から一本の角を生やし、人よりも少し尖った耳に大柄な体格、目尻にアイシャドウの様に朱が引かれており、心臓に【華】を持つ。
特に肉体的に特化しており、血や肉を食べれば失った肉体もにょっきり生えるくらいに頑丈。
その種の興りから、他種族では良くあるα至上主義もΩ差別もないが、皇をαの后をΩのそれぞれの民の守護者として崇拝する、絶対的な階級社会を築いている。
呪いの力を扱い、力のある上位のものは一流の呪術師である。
耳長族
所謂、エルフ。ᚨ'ᛚᚠᚱのこと。耳長と呼ばれる。
鬼族のΩの始祖の双子の姉が、人と交わり生まれた人族の変異種。
鬼族とは兄弟的種族で鬼とは違い、禁欲の為に徹底した菜食主義を貫く。精神の方面での反則的種族。
神子と呼ばれる二つ名を持つ亜神耳長の特別な存在たちが一族を導いている。
アルフヘイムという国で暮らしているが現在は鎖国中。
外見的な特徴として、人より尖った長い耳と抜けるように白い肌、男女ともに凹凸が少なく、性別不詳の非常に美しい容姿をしている。
予知やテレパシーで交信し合う異星人並みに不思議なひとたちで、同族のみで生活する習慣や性質から『潔癖』『高慢』『尊大』とまで言われている。
近代になり、邪教を崇拝する変態耳長が出てきており、種を揺るがす大問題となっている。【華】を持つ者も多い。
魔術を扱い、力ある上位のものは一流の魔術師である。
人族
所謂、人、一般人。
百合曰く、知能も低く、醜く、愚かな猿ども。
百合の時代では文化も文明も鬼族や耳長族には遠く及ばない。
近年は他種族との混血も進みα性やΩ性のものが出てきているが、β性の者たちが大多数。
他種族と違い比較的楽に子を儲けることができるので、人口は一番多い。
この時代では妖怪やはぐれ鬼などに困らせられている為、それを退治する陰陽師や武士の一族『源氏』が存在する。
【華】
鬼族が心臓に固有で持つもので、鬼の呪術の力の源。旧い世代ではαの血が濃く持たない者もいる。
それほど力の強くないΩは、自分が呪われたり、返されたりした呪詛を祓う事ができない為、自らの名を隠し、自分の持つ【華】の名を名乗っている。(例 庭白百合 → 百合 、紫アイリス → 菖蒲 、花笠石楠花 → カルミア など。)
血を吸った相手に自らの【華】を寄生させ、呪いをかけ、眷属にして命や行動などを縛ることが出来る。
鬼族や耳長族のαやΩのフェロモンはこの【華】由来のもので、薫りとも呼ばれる。
【血の伴侶】
鬼族の長い寿命に伴侶や番を合わせるためにする呪い。普通なら番が成立した時に贈り合うもの。
深い愛情からくるもので、大きな誓約を与えることの出来る互いに結ぶことで完全に成立する呪い。
一度結んでしまうと、与えた者の死でしか解消することは出来ず、結果的に心中するようなことになる。
相手を強く縛ることが出来るので、伴侶の生殺与奪すら掌握出来る。
この物語のずっと後の時代では、ある理由から禁止にされ、廃れてしまう。
眷属
主人となる鬼から【華】を与えられ、従者や下僕となった者のこと。
他種族でも鬼になり、主人の命と自分の命が繋がり、主人が死ねば殉ずることになるが、例外は耳長や鬼で自分の元の寿命が残っている者。
主人の【華】を咲かせている場所により、寵愛度合いが違う。
首もとの吸血する場所にするのが一番で、伴侶や側近に与える場所はそこになる。
より大きく美しいものを咲かせているほど、主人や伴侶から愛されている証。
【華】を生かす為に定期的に主人の血や体液、【華】の蜜などを摂取する必要がある。
力のある鬼ほど眷属を多数従えることが出来る。
【お手つき】
伴侶や眷属にする予約でマーキングのようなもの。
争いを避けるために、伴侶にするには低年齢やその段階にいないものに授ける。
強制力は普通の【華】よりも弱い。
名
『赤』では非常に強い力を持つもの。
強い者の名を呼ぶことは非常に恐ろしく、許されないと呼べない為、朱点の名乗っているものも通り名で本名ではない。
皇や后陛下に百合の姉の女主人などもそれを避ける二つ名。
基本的に鬼のαは魂が持つ色の名を名乗り、Ωは自らの持つ【華】の名を名乗る。
性別のわからない幼少期は、余程のことがない限り真名を名乗るので、百合の場合は特殊。
魂の名を真名、Ωの名は字と言う。
あまりに重い罪を犯した罪人の場合は、真名を奪われる場合もある。
魂
鬼族や耳長族がとても大事にするもの。 その者の本質や在り方を示す。
不滅のものであるが、穢れ浄化できないものは亜神などに消滅させられている。
大まかなカテゴリーで【赤】【青】【黄】【緑】と、特別な【白】【黒】があり、より濃い色ほど強い魂とされる。
『あちら』は【赤】の気質が強く、地球は【青】の性質を持つ。 転生などが当たり前とされ、あちらの世界とこちら世界では行き来も頻繁。
鬼族では魂に惹かれた、惚れたなどは最上級の求愛の言葉。
百合や朱点の様に、二つの性質をうまく持ち合わせるものは稀。
【四家】
【赤】【青】【黄】【緑】から成る鬼族の四大貴族のようなもので、皇一族に生まれる鬼族の神子に仕える祭司の家。
皇一族の傍系にあたる家でそれぞれに役目がある。
この話の中では【黄】の家以外は色々と問題を抱えている。
【青】の家は『智』を司り、満遍なくαもΩも生まれる。『変人奇人は【青】』と呼ばれるくらい不思議な言動をする者が多く、飛び抜けた才を持つ者も多いが、皇の不興を何度も買い、粛清されている。
それにより宗家の血が皇から離れ過ぎた為、最も旧い純血の鬼のひとりである百合の母が、耳長の国から養子に来て、一時的に家を継ぎフレイヤと百合の姉弟が生まれた。
【赤】の家は『勇』を司り、αばかりが生まれ、α同士の縁組も良くある。脳筋が多い。受け継がれる力がαの力の為、当主は女のαと決められている。
【黄】の家は『親』を司り、満遍なくαもΩも生まれる。温厚な性格の者が多い。
【緑】の家は『愛』を司り、Ωばかりが生まれ、Ω同士の縁組も良くある。腹黒が多い。受け継がれる力がΩの力の為、当主は男のΩと決められている。
陽ノ本
『あちら』の百合たちの住む国。マリーの話の中では、日本の平安時代くらいの文化レベル。
皇が適当に支配している。
百合たちの住む京という場所は、京都のあたりになる。
神奈備
鬼族の住む郷。
京の北西に位置する山一帯のことで、鬼の神の座する神域にもなっている。
アルフヘイム
北方にある耳長の国。フレイヤとヒルメが治める国。
現在は鎖国している。
耳長の神の座する神域は聖域と呼ばれている。
秘印
耳長の魔術。フレイヤなどが持つ権能。百合も使える。
対象などに印を刻み行使する様々な効果を持つ魔術。占いなどにも使われる。
朱点と百合に与えたblank(運命)。茨木に与えたᛇ(死と再生)の他に、ᚷ(愛情、贈り物)、ᛉ(友情、保護)、ᚢ(試練)など全部で24文字ある。
他にも結合ルーンやルーン・ガルドゥルなどもある。
ᚷᚨᚾᛞᛁᚱ
耳長の使う呪詛。鬼とは違い【言霊】ではなく、指差しの動作で行う。
指差しして相手を呪う簡単なものから、魂に働きかけて履行する強烈なものまで色々ある。地味に痛かったり、辛いものが多い。
百合は指差し呪いを乱発する良くない癖がある。
『弱く、儚く、美しい』
百合が毛嫌いしている鬼のΩの三大美徳とされるもの。
これに優れたものほど素晴らしいΩとしてαに溺愛されている。
百合やその母は絶世の美貌を持つが、これからかなり外れている。
『蜜酒』(ミィオード)
耳長の命の蜜酒。耳長族の抱える種族病、アルコール依存症の原因。
ヴィーガンを守る彼らもコレを飲まないと死ぬ。
薬草をつけたものなどもある。
耳長の子供はアルコールを飛ばしたものを、水やミルクに入れて飲む。
元は『血を飲むもの』であった耳長は【華】を捨て、血を断ったが、そのままでは餓死する。
その為、自らの【華】で作った蜜から酒を作り飲むことで延命している。
他にも花びらの砂糖漬けや果実をつけた物もある。
呪歌(ガルドル)
百合などが魔術を使うときの呪文。
古耳長語で唱う。
護符(タリズマン)
耳長のお護り。自分で身に着けたり、愛するものや子などに贈る。百合の趣味でもある。
古耳長文字を刻んである、小石やカードやリボンなどを加工したアクセサリー。
耳長は主にピアスなどにしている。
古耳長語
亜神耳長の使う言葉。
半耳長
鬼と耳長の混血の子や耳長寄りの容姿の者のことを指す蔑称。
百合は亜神耳長くらいに耳が長く、色白で、目にも鬼の特徴の朱紋が無いのでこう呼ばれた。
『長老』
【四家】の古い鬼。
かつての当主だった者やその伴侶などが含まれる。鬼族の膿と言われている。
祝の神子、(四色の神子など)
鬼族の【白】、【赤】、【黄】、【緑】、【青】、【黒】の六色の神子の呼び名。
【白】と【黒】は特殊な条件で生まれるので【四色の神子】のみが有名。
彼らの誕生を鬼の民、特に『長老』は長く待ち望んでいる。
媚毒
鬼の体液に含まれる吸血をしやすくする為の催淫毒。
【華】から作られるものでそれぞれの固有のもの。
まれに体質的に合わず拒絶反応などで中毒症状を出す者がいる。
【呪】
朱点が良くする簡単な呪い。
少し強めの世界に干渉する強制力や暗示。強く念ずれば色々と縛れる。
本来は呪術の祝詞や解呪の祓詞の事を指す。
鬼の呪術は言葉を介する【言霊】を使う。
神代鬼語を使うので、それに不自由な百合は苦手。
【名付けの儀】
鬼族の后や妃によって行われる、元旦の儀式で昨年産まれた子に魂の名、【真名】を授ける。Ωの目を持たない母を持つ者や、希望する者全てに与えられる。
鬼が生まれて一番最初に必ず受ける呪い。これを受けなければ、鬼の呪いは使えず、【名】を授けた者にも逆らえない。
后や妃が名付けをするのは、その者が罪を犯した際などに止める為。
【名】をつけられないものを【名なし】と呼び、Ωでもαでも力を振るうことができず、それが原因で早世する。
『 』(神)
名前を読んではいけない、『アレ』などと呼ばれる超存在。
戯れに人類たちに祝福と称して、大きな呪いを与えて遊んでいる。
様々な場所に『末端』が存在し、亜神たちはそれを定期的に始末しているが追いつかない。
すでに何度か世界を滅ぼしているが、現在は鬼と耳長が手強く、この二つの種に何度も攻撃を繰り返している。
亜神
その種族を守護し導く存在。
基本的にその種の権能を全て持ち、両性であることなどが条件。
『アレ』に対抗出来る力を持つので、激しく睨まれ攻撃され、誕生を阻害されている。完全な不老不死者で、魂も不滅。
至る、昇神
様々な条件で亜神へと昇ることの通称で、かなりの禁忌的な行動。
魂の共喰いや、上位の存在と交わることなどで可能となる。
源氏
人族の中の鬼や妖に対抗できる力を持つ者たちの一族。
はぐれ鬼や妖を狩る武士と占術などを使い祓う陰陽師などはこの一族の出身。
鬼殺しの力
源氏の者の中に発現する力で鬼のαの力に似ている。
頑丈な鬼族にもダメージを与えれる。
代表的なものは頼光の童子切や綱の髭切など。
角なし
鬼なのに角が無く、αでもΩでもない者のこと。
鬼にしてはありえない存在なので激しく嫌われ、差別されている。
媚毒中毒
鬼の催淫毒である媚毒により、常に発情しているような状態になり、その相手の胎に精を受けなければ収まらない。
百合の父も長年患っているが寛解の難しい病。
齋
祝の神子に付き従う魂の絆のある特別な従者。
基本的に血の繋がりの濃い四家から生まれる。
その役割から決して主人の『運命』であることはない。
朱点には【皇】から茨木が、黒には【青】から涅が齋として生まれている。
神変鬼毒(神便鬼毒酒)
光の体液から作られた猛烈な毒薬。製作者は孔雀で彼は『ヒュドラ』と呼んでいる。
朱点にすら効くとんでもない毒。
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