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078 暗殺部隊
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「パンタナル王国のフランガだって、一年近く姿が見えなかったと思ったらそんな所まで行っていたのか」
「だが、君達がパンタナル王国に向かったなんて報告を受けたことは無いぞ!」
グルマン宰相、公然の秘密をあっさり喋ってますがな。
「ランゲルの街から姿が消えたって事は・・・まさか、森を突き抜けて行ったのか?」
俺の背後に立つサランを指差し「優秀な案内人がいますから」と笑っておく。
「私達は何をすれば良いのかな」
「先ず奴隷の首輪を30個以上用意して下さい。今回は大事になりそうなので、手持ちの首輪だけではとても足りそうにありません。グルマン宰相には、パンタナル王国に派遣している大使の交代要員と随員を用意して貰います。彼等には俺がパンタナル王家を制圧した後、王家と貴族をコントロールする手伝いをして貰います」
「簡単に言ってくれるが、君とサランにはそれが出来るのも事実だ」
「断っておきますが、ホーランド王国に売り渡す気は有りませんよ。あくまでもパンタナル王国の牙を抜くだけですから」
「承知している。君の意に反する事はしないよ」
俺達の話を、バルゼン派遣大使が目を丸くして聞いている。
其れを横目に、裏切り者の始末をお願いする。
「今回の襲撃に関する手引きをしたのが、宝石商のククルス商会会長のククルスです。パンタナル王国にも支店があるそうです。手広くやっているので相当溜め込んでいそうですね」
「判った、彼とその店は王家が責任を持って始末しよう」
にっこり笑ってグルマン宰相が確約する。
平和な話し合いが、一瞬で修羅場に変わった。
サランが無言で長剣を取り出し鞘走らせるのと同時に、壁際に控えていたグルマン宰相の護衛が驚きの声を上げる。
〈だっ誰だ!〉
次の瞬間〈キィーン〉と金属音が鳴り響き血飛沫が舞う。
其方に気を取られた時に〈グッ〉と、呻き声が聞こえて振り向けば、カリンガル侯爵の胸から剣先が見えている。
カリンガル侯爵の背後に現れた女に、背中から剣を突き立てられていた。
何も無い空間から抜き身の剣を持った男女が現れ、身近な者を攻撃してくる。
サランと護衛騎士の反撃で闘いは直ぐにけりが付いたが、双方に負傷者も出ている。
騎士二人とカリンガル侯爵が負傷したが、襲撃者四人は斬り捨てることが出来た。
直ぐ様カリンガル侯爵の後ろに回り、突き立った剣を引き抜きながら(ヒール!)と呟き治療を施す。
サランも騎士二人を治療した後、倒れている襲撃者を確認している。
「大丈夫ですか、侯爵様」
「ああ、転移魔法か・・・誰も居ないはずの所に現れて攻撃してくるとは、恐ろしいものだな。死んだと思ったが・・・君が居て助かったよ」
「防御魔法の付与された服を着ていた方が良さそうですね」
「今度からそうするよ、まさかこんな所で襲われるとは思わなかったな」
「君らは豪胆だな。カリンガル殿は死んだと思ったよ」
胸を突かれた為に吐いた血を拭きながら、俺と話すカリンガル侯爵を驚嘆の目で見ているグルマン宰相が、血の気の無い顔で呟く。
もう一人、蒼白な顔で震えているのはバルゼン派遣大使。
「知らなかった様だな」
「かっ・・・彼等は王家直属の暗殺部隊の者です。此の国に来ているなんて聞いていない!」
悲鳴の様な声で叫ぶ大使は、自分も標的になっていた事の恐怖から震えが収まらないようだ。
然し、的確に客間に転移してきたって事は、ククルスが部屋の位置を教えたと思って間違いなさそうだ。
残念なのは、転移魔法は使えるが、剣の腕がサランどころか護衛騎士にも遠く及ばなかった事だな。
大使の周辺に、彼の動向を暗殺部隊に知らせた者がいる筈だが、大使が何とかするだろう。
襲って来た連中をマジックポーチに入れると話の続きだが、パンタナル王国の王都ボルドに在る王城の内部図を書いて貰う。
と言っても精密図は無理だろうから国王の執務室や居室に向かう通路の概略図だ。
姿を消して王城内を彷徨いても地図や案内板は望めないし、通りすがりの者に王様の居室は何処ですかって聞く訳にもいかない。
グルマン宰相も居るので、王国が持つパンタナル王国の城内図も寄越せと丁寧に要求する。
準備をして出発しても、パンタナル王国の王都ボルドまで何日掛かるんだろう。
王家と主要貴族や重鎮達を押さえるの大変そうだし、準備や道中を考えるとゲンナリしてきた。
・・・・・・
王城へ向かう馬車の中で、カリンガル侯爵の容体を気遣うグルマン宰相に、笑いかけるカリンガル侯爵。
「グルマン殿、大して血は流れておりませんし直ぐに治癒魔法で治して貰ったので問題ありません」
「其れはそうと、さっきの襲撃で思い出したのですが、アラドから預かった魔法使い達の話では、あの二人は転移魔法を自在に使い熟しているそうですよ」
「やはりそうですか、サランだけで無くアラドもね」
「アラドは空間収納・治癒魔法に結界・鑑定・転移ですか」
「それにサランが空間収納に治癒魔法・鑑定魔法・風魔法・火魔法・土魔法・氷結魔法に転移魔法・・・使えないのは水魔法と雷撃魔法だけです。こうなると其れも怪しいものですね。使えないのか使わないのか」
「全属性の魔法使いなど聞いた事がありませんぞ」
「エラーを調べていて判ったんですが、全属性を授かった者は居たらしいんです。然も魔力が90と高かったらしいのですが、どれも中途半端で一芸に秀でる者に及ばなかったそうですよ」
「だがサランの魔法は、知る限りどれも超一流の魔法ばかりです」
アラドとサランを敵に回したパンタナル王国の行く末を思い、此から起こるで有ろう事態に対応しなければならない事を思うと、頭が痛くなるカリンガル侯爵であった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
王都ハイマンを旅立ったのは3週間後になった。
その間、家の料理人はフル回転で備蓄食料を作り、出来上がった物は俺とサランが次々と空間収納に収めていく。
ブリムス達雷鳴の牙は俺達が帰るまでは家の警備に就く事になった。
準備が整うのを待つ間にランゲルの冒険者ギルドに早馬を送り、暁の星のロンド達を呼び寄せ、ブリムスの配下として同じく家の警備に就く様に頼んだ。
・・・・・・
サランと手を繋ぎジャンプを繰り返す。
一人で跳べば200回跳んで2時間程の回復時間が必要だが、手を繋いで跳べば倍の回数跳べる。
1回のジャンプ距離100メートルと計算しても100×400回=40,000メートル、40キロも移動出来れば王都ボルドまでそう日数も掛からないだろう。
問題は見通し距離100メートルってのは、草原の草の少ない場所でないと無理って事だ。
道の先に見えている場所を点と点で結ぶ様に跳ぶのため、100メートルを移動するのに5回以上ジャンプする事も珍しく無いので距離が稼げない。
歩くより速いのは間違いないので、近距離ジャンプを繰り返していたが3日で飽きた!
距離を稼ぐ方法を考えた結果上空へジャンプし結界魔法を張る事にした。
防御障壁ですら、魔法攻撃で吹き飛ばされても怪我一つしない。
なら球形の結界に包まれて上空より落下しても怪我の恐れは無いと考えた。
一度目は高度10メートル、直径4メートル程の球形の結界で落下してみた。
結果は上々のうえ新発見、空気抵抗を忘れていた!
身一つより、落下速度が遅いのだ。
二度目は推定高度100メートル、直径20メートル程度の結界を張るとパラシュートで降下している気分だ。
風に流される俺をサランが見て追いかけてくるので、サランの隣にジャンプし腕を掴んで再度上空にジャンプする。
「ふわぁーぁぁぁぁ」サランの驚嘆の声を聞きながら進行方向を見つめ、目標点に向かってジャンプする。
降下中な事と斜め下に視点を置いてのジャンプだが200~300メートルは楽に跳んだ筈だ。
「アラド様凄いです! 空を飛べるなんて思いませんでした!」
興奮するサランを見ながら、結界を抜け出して跳んだので空っぽの結界は何処へ飛んで行ったのかと心配になったが、24時間もすれば消え去る物だから気にしないことにした。
次からは上空で張る結界の魔力を最低限にして魔力消費の削減、省エネ飛行に努めることにする。
隠蔽魔法を掛けているので俺達の姿も飛び去った球体の結界も人の目に触れる事がないのは幸いだ。
見られたら大騒ぎ確実だろう。
サランを連れて何度か飛び方の手本を見せてやらせてみる。
ちょっと高度を取り過ぎると耳が痛くなり、耳抜きを教えて余り高く上がりすぎない様に注意する。
サランに跳び方を教えて手を繋いでサランに跳ばせ、観察していて気が付いた、俺って何時も後から気がつく間抜けだ。
サランと交代してジャンプするが、推定高度100メートルでバルーンの様な結界を張る。
ゆっくりと降下を始めるが、目標地点の上空にジャンプして又結界を張る。
この時ジャンプに1/200の魔力を使用し、張り巡らせる結界は落下を防ぐだけなので、ジャンプに使用する魔力の1/4程度で充分だと確認する。
風船代わりの結界に魔力をバンバン使うのは勿体ない、馴れたらもっと魔力を節約する方法を探ろう。
「凄いです! アラド様!」
尊敬の眼差しで見つめられて、恥ずかしいぜ。
連続ジャンプで疲れたので一度下に降りる事にしたが、直径10メートル程の結界でふんわり降下。
足の下4メートル程の所に地面があるが、球体の中心にいる俺は浮いたままの状態になる。
おんもしれえぇぇ、結界って身を守るだけのものと考えていたので遊びに使えるとは思いもしなかった。
もっとも球体の結界を張ったのも初めてなので、良い経験になる。
地面に降りてお茶を一服、魔力の残存量を確かめるが二人とも半分も使っていなかった。
後は1/200の魔力を使って、一気にどの程度の距離を飛べるのかを試したいのだが、良い目標物が無い。
「だが、君達がパンタナル王国に向かったなんて報告を受けたことは無いぞ!」
グルマン宰相、公然の秘密をあっさり喋ってますがな。
「ランゲルの街から姿が消えたって事は・・・まさか、森を突き抜けて行ったのか?」
俺の背後に立つサランを指差し「優秀な案内人がいますから」と笑っておく。
「私達は何をすれば良いのかな」
「先ず奴隷の首輪を30個以上用意して下さい。今回は大事になりそうなので、手持ちの首輪だけではとても足りそうにありません。グルマン宰相には、パンタナル王国に派遣している大使の交代要員と随員を用意して貰います。彼等には俺がパンタナル王家を制圧した後、王家と貴族をコントロールする手伝いをして貰います」
「簡単に言ってくれるが、君とサランにはそれが出来るのも事実だ」
「断っておきますが、ホーランド王国に売り渡す気は有りませんよ。あくまでもパンタナル王国の牙を抜くだけですから」
「承知している。君の意に反する事はしないよ」
俺達の話を、バルゼン派遣大使が目を丸くして聞いている。
其れを横目に、裏切り者の始末をお願いする。
「今回の襲撃に関する手引きをしたのが、宝石商のククルス商会会長のククルスです。パンタナル王国にも支店があるそうです。手広くやっているので相当溜め込んでいそうですね」
「判った、彼とその店は王家が責任を持って始末しよう」
にっこり笑ってグルマン宰相が確約する。
平和な話し合いが、一瞬で修羅場に変わった。
サランが無言で長剣を取り出し鞘走らせるのと同時に、壁際に控えていたグルマン宰相の護衛が驚きの声を上げる。
〈だっ誰だ!〉
次の瞬間〈キィーン〉と金属音が鳴り響き血飛沫が舞う。
其方に気を取られた時に〈グッ〉と、呻き声が聞こえて振り向けば、カリンガル侯爵の胸から剣先が見えている。
カリンガル侯爵の背後に現れた女に、背中から剣を突き立てられていた。
何も無い空間から抜き身の剣を持った男女が現れ、身近な者を攻撃してくる。
サランと護衛騎士の反撃で闘いは直ぐにけりが付いたが、双方に負傷者も出ている。
騎士二人とカリンガル侯爵が負傷したが、襲撃者四人は斬り捨てることが出来た。
直ぐ様カリンガル侯爵の後ろに回り、突き立った剣を引き抜きながら(ヒール!)と呟き治療を施す。
サランも騎士二人を治療した後、倒れている襲撃者を確認している。
「大丈夫ですか、侯爵様」
「ああ、転移魔法か・・・誰も居ないはずの所に現れて攻撃してくるとは、恐ろしいものだな。死んだと思ったが・・・君が居て助かったよ」
「防御魔法の付与された服を着ていた方が良さそうですね」
「今度からそうするよ、まさかこんな所で襲われるとは思わなかったな」
「君らは豪胆だな。カリンガル殿は死んだと思ったよ」
胸を突かれた為に吐いた血を拭きながら、俺と話すカリンガル侯爵を驚嘆の目で見ているグルマン宰相が、血の気の無い顔で呟く。
もう一人、蒼白な顔で震えているのはバルゼン派遣大使。
「知らなかった様だな」
「かっ・・・彼等は王家直属の暗殺部隊の者です。此の国に来ているなんて聞いていない!」
悲鳴の様な声で叫ぶ大使は、自分も標的になっていた事の恐怖から震えが収まらないようだ。
然し、的確に客間に転移してきたって事は、ククルスが部屋の位置を教えたと思って間違いなさそうだ。
残念なのは、転移魔法は使えるが、剣の腕がサランどころか護衛騎士にも遠く及ばなかった事だな。
大使の周辺に、彼の動向を暗殺部隊に知らせた者がいる筈だが、大使が何とかするだろう。
襲って来た連中をマジックポーチに入れると話の続きだが、パンタナル王国の王都ボルドに在る王城の内部図を書いて貰う。
と言っても精密図は無理だろうから国王の執務室や居室に向かう通路の概略図だ。
姿を消して王城内を彷徨いても地図や案内板は望めないし、通りすがりの者に王様の居室は何処ですかって聞く訳にもいかない。
グルマン宰相も居るので、王国が持つパンタナル王国の城内図も寄越せと丁寧に要求する。
準備をして出発しても、パンタナル王国の王都ボルドまで何日掛かるんだろう。
王家と主要貴族や重鎮達を押さえるの大変そうだし、準備や道中を考えるとゲンナリしてきた。
・・・・・・
王城へ向かう馬車の中で、カリンガル侯爵の容体を気遣うグルマン宰相に、笑いかけるカリンガル侯爵。
「グルマン殿、大して血は流れておりませんし直ぐに治癒魔法で治して貰ったので問題ありません」
「其れはそうと、さっきの襲撃で思い出したのですが、アラドから預かった魔法使い達の話では、あの二人は転移魔法を自在に使い熟しているそうですよ」
「やはりそうですか、サランだけで無くアラドもね」
「アラドは空間収納・治癒魔法に結界・鑑定・転移ですか」
「それにサランが空間収納に治癒魔法・鑑定魔法・風魔法・火魔法・土魔法・氷結魔法に転移魔法・・・使えないのは水魔法と雷撃魔法だけです。こうなると其れも怪しいものですね。使えないのか使わないのか」
「全属性の魔法使いなど聞いた事がありませんぞ」
「エラーを調べていて判ったんですが、全属性を授かった者は居たらしいんです。然も魔力が90と高かったらしいのですが、どれも中途半端で一芸に秀でる者に及ばなかったそうですよ」
「だがサランの魔法は、知る限りどれも超一流の魔法ばかりです」
アラドとサランを敵に回したパンタナル王国の行く末を思い、此から起こるで有ろう事態に対応しなければならない事を思うと、頭が痛くなるカリンガル侯爵であった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
王都ハイマンを旅立ったのは3週間後になった。
その間、家の料理人はフル回転で備蓄食料を作り、出来上がった物は俺とサランが次々と空間収納に収めていく。
ブリムス達雷鳴の牙は俺達が帰るまでは家の警備に就く事になった。
準備が整うのを待つ間にランゲルの冒険者ギルドに早馬を送り、暁の星のロンド達を呼び寄せ、ブリムスの配下として同じく家の警備に就く様に頼んだ。
・・・・・・
サランと手を繋ぎジャンプを繰り返す。
一人で跳べば200回跳んで2時間程の回復時間が必要だが、手を繋いで跳べば倍の回数跳べる。
1回のジャンプ距離100メートルと計算しても100×400回=40,000メートル、40キロも移動出来れば王都ボルドまでそう日数も掛からないだろう。
問題は見通し距離100メートルってのは、草原の草の少ない場所でないと無理って事だ。
道の先に見えている場所を点と点で結ぶ様に跳ぶのため、100メートルを移動するのに5回以上ジャンプする事も珍しく無いので距離が稼げない。
歩くより速いのは間違いないので、近距離ジャンプを繰り返していたが3日で飽きた!
距離を稼ぐ方法を考えた結果上空へジャンプし結界魔法を張る事にした。
防御障壁ですら、魔法攻撃で吹き飛ばされても怪我一つしない。
なら球形の結界に包まれて上空より落下しても怪我の恐れは無いと考えた。
一度目は高度10メートル、直径4メートル程の球形の結界で落下してみた。
結果は上々のうえ新発見、空気抵抗を忘れていた!
身一つより、落下速度が遅いのだ。
二度目は推定高度100メートル、直径20メートル程度の結界を張るとパラシュートで降下している気分だ。
風に流される俺をサランが見て追いかけてくるので、サランの隣にジャンプし腕を掴んで再度上空にジャンプする。
「ふわぁーぁぁぁぁ」サランの驚嘆の声を聞きながら進行方向を見つめ、目標点に向かってジャンプする。
降下中な事と斜め下に視点を置いてのジャンプだが200~300メートルは楽に跳んだ筈だ。
「アラド様凄いです! 空を飛べるなんて思いませんでした!」
興奮するサランを見ながら、結界を抜け出して跳んだので空っぽの結界は何処へ飛んで行ったのかと心配になったが、24時間もすれば消え去る物だから気にしないことにした。
次からは上空で張る結界の魔力を最低限にして魔力消費の削減、省エネ飛行に努めることにする。
隠蔽魔法を掛けているので俺達の姿も飛び去った球体の結界も人の目に触れる事がないのは幸いだ。
見られたら大騒ぎ確実だろう。
サランを連れて何度か飛び方の手本を見せてやらせてみる。
ちょっと高度を取り過ぎると耳が痛くなり、耳抜きを教えて余り高く上がりすぎない様に注意する。
サランに跳び方を教えて手を繋いでサランに跳ばせ、観察していて気が付いた、俺って何時も後から気がつく間抜けだ。
サランと交代してジャンプするが、推定高度100メートルでバルーンの様な結界を張る。
ゆっくりと降下を始めるが、目標地点の上空にジャンプして又結界を張る。
この時ジャンプに1/200の魔力を使用し、張り巡らせる結界は落下を防ぐだけなので、ジャンプに使用する魔力の1/4程度で充分だと確認する。
風船代わりの結界に魔力をバンバン使うのは勿体ない、馴れたらもっと魔力を節約する方法を探ろう。
「凄いです! アラド様!」
尊敬の眼差しで見つめられて、恥ずかしいぜ。
連続ジャンプで疲れたので一度下に降りる事にしたが、直径10メートル程の結界でふんわり降下。
足の下4メートル程の所に地面があるが、球体の中心にいる俺は浮いたままの状態になる。
おんもしれえぇぇ、結界って身を守るだけのものと考えていたので遊びに使えるとは思いもしなかった。
もっとも球体の結界を張ったのも初めてなので、良い経験になる。
地面に降りてお茶を一服、魔力の残存量を確かめるが二人とも半分も使っていなかった。
後は1/200の魔力を使って、一気にどの程度の距離を飛べるのかを試したいのだが、良い目標物が無い。
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