猫被りの恋。

圭理 -keiri-

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《afterstory #01》恋人観察日記 / SIDE:水都

06:五日め、彼の色んな好みを探る

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お題【恋人観察日記編】お借りしています
サイト名:TOY/管理人:遊
サイトアドレス:http://toy.ohuda.com/

■■■


———今日は、観察日記の5回目。もうじきクリスマスだから、そろそろプレゼントをなんとかしなくちゃと思ってるんだけど、蒼夜の喜ぶものがわからない。だから、最近いろいろと探りをいれてるんだけど…。今のところ分かってることを忘れずに書いておこうと思う。———





週末恒例の恋人観察日記。
クリスマスが近づいてきて、オレは最近焦ってる。
せっかく社会人になったし、今までよりいい物を買えそうだから、蒼夜そうやが喜んでくれるプレゼントを贈ろうって考えてるんだけど、全く思い浮かばないんだ。
こうやって考えてみると、オレと蒼夜そうやは知り合って長いのに、あまり良く知らないんだよな…。
いや、でも、蒼夜そうやはオレのことよくわかっててくれてるから、オレが蒼夜そうやのことを良く知らないってだけなのかも。
そんなわけで、蒼夜そうやの好みを探ろうといろいろ努力してるところなんだけど、やっぱりよくわからない。
一緒に暮らし始めて今まで以上に観察するようになって、いくつかわかったのは、蒼夜そうやは読書が好きなこと、料理がすごく上手なこと、お菓子も自作しちゃうこと、ロイヤルミルクティーがお気に入りなこと。

この間、両手に書店の袋を下げて帰ってきたことがあって、何をそんなに大量にと思ったら、小説やら専門書やら一気に30冊くらい買ってきてた。
蒼夜そうや好みの本って、実はオレも好きでつい本棚から借りてきちゃうんだけど、どれも面白いやつばかり。
今回買ってきてた小説も、オレが気になっててまだ買えてなかったやつだから、あとで借りようと思ってる。

蒼夜そうやは本を読むときのお供を自作するのがほとんどで、大学が休みの日とか家で手作りおやつをお供に読書してる姿を良く見かける。
クッキーとかシュークリームとかパウンドケーキとか、つい最近はガトーショコラをホールで焼いてくれて、それがまたすごく美味しかった。
お菓子と一緒に飲んでるのは、温かいロイヤルミルクティー。お供のお菓子に合わせて、甘さを調節してるらしい。夕食後のまったりタイムではストレートで飲んでることが多いけど。

夕食といえば、蒼夜そうやの作る食事もこれまたとても美味しい。
いや、レストランとかそう言う高次元の話ではなく、家で食べる料理としてみると、すごく美味しい。
和食も洋食も中華も幅広く作ってくれる。オレが特に気に入ってるのはハンバーグ。
あ、でも、オムライスも捨てがたい。だって、ふわとろ卵バージョンも、昔ながらのバージョンも、どっちも作ってくれるんだもん。
今まではそういう手の込んだものって外食するしかなかったけど、蒼夜そうやと一緒にいると家で食べれるようになって、外食したくなくなってる。
そういう蒼夜そうやは、オレが作るご飯を好きだって言ってくれて、時々一緒に作ったり、蒼夜そうやの帰りが遅い時はオレが作ったりしてる。
オレなんて蒼夜そうやに比べたらレパートリーも少ないし、全然上手じゃないのに。


「スイが俺のために作ってくれるだけで、何よりも美味しい」


なんて甘ったるく言われたら、また作ろうかなって思ってしまう。
オレってもしかしてちょろいのかな。それとも蒼夜そうやがオレを転がすのがうまい?

いろいろと思い返して、ノートに記録してみるけど、やっぱりこれだ!っていうプレゼントが浮かばない。
むしろオレばっかり幸せにしてもらってる記録でしかない。照れ臭い。
クリスマス、来週なんだけどな…。ほんとどうしよう。




結局この日、オレはいいアイデアが浮かばないまま、ノートを閉じることになった。





■■■


今日はスイの独白メインでした。ちょっと甘さ控えめ。


しおりで追跡してくださる読者様、お気に入りに入れてくれている読者様、いつもありがとうございます!


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