ずぶ濡れで帰ったら彼氏が浮気してました

始まり

ーー冬野春夏(とうのはるか)

このなかなかに巫山戯た名前の持ち主が私。

そして名前の中に足りない『秋』を補ってくれているのが付き合って三年、同棲して一年目になる彼氏、遠山秋良(とおやまあきら)だ。

高校の時に同じクラスになって、出席番号だと必ず後ろもしくは隣りで、日直も必ず一緒だったクラスのムードメーカー。

背が低くて全てが平凡な私とは違い、背が高くて明るくてコミュ強、勉強は苦手でもスポーツ万能なカースト上位のリア充。

付き合い初めたきっかけは大学の時にあった同窓会で再会したことだった。

秋良は高校の時、私のことが好きだったらしく、その気持ちがその同窓会で再燃したとのこと。

曰く、小さくて小動物っぽいのがたまらないらしい。

自分のことはどう見ても平々凡々にしか見えない私には全くもって分からないが。

まぁ、そんな訳で秋良と再会してからひたすら猛アタックを受けて三年前に交際をスタートし、約一年前にまたまた秋良の猛攻によって同棲を始めたのだった。