国境に捨てられたら隣国の若き公爵に拾われました

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初めて来たというか私が捨てられた国境には深い深い森があり、非情にも当然ながらその森の奥深くに私は捨てられていた。

こんなところに貴族のご令嬢が捨てられたら間違いなく死ぬだろう。

前世の記憶があるとはいえその国は文明がかなり発達した国でサバイバルの知識は持ち合わせてない。

なので多少何かしらの知恵があっても私も当然このままだと死んでしまう。

私はとにかく隣国を目指して歩いた。

幸い裸足にまではされなかったので歩きにくい靴とはいえ歩くのにケガをすることはなかったが、それでも非力な令嬢が歩きにくい靴で歩くにはとても辛い道だった。

私は痛む足を引きずり森に流れる川の水を飲みながらなんとか歩いたがやはり貴族のご令嬢。

延々と歩く体力はなくとうとう近くの大木の下で力尽き座り込んでしまった。

きつい。

辛い。

お腹が空いた。

眠い。

何故私がこのような目に遭わなければならないのか。

私はそれらで頭をぐるぐるさせながらそのまま意識を手放した。


柔らかい感触に意識が浮上すると森にいたはずの私は豪華な部屋の豪華なベッドで眠っていた。

ここは何処？

夢？

もしかして死んだの？

私はひとまず自分の生死を確認すべく頬をつねってみる。

痛い！

ということは生きてる。

だとしたら本当にここは何処かしら？

辺りを見回すも一目で高級だと分かる調度品があるだけで人の気配はない。

私は誰かに助けられたの？

それとも攫われた？

もし後者なら逃げなければならない。

痛む身体を叱咤してベッドから降りる。

そして扉に向かって歩こうとした時。

痛い！！

足に激痛が走ってその場に崩れ落ちた。

どうやら私は森を歩き過ぎて足を痛めているようだった。