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鈴木 了馬
現代文学
かつて不幸な大戦が人々をさらっていったように、津波が多くの人をさらっていった。
その大戦が人々を帰さなかったように、放射能が帰りたい魂を帰さない。
古代から人はこの海に育まれて暮らしてきた。
大昔から、人は海を畏れ、崇めてきた。
その子孫が海をもう元に戻せないほどに汚した。
自分たちの魂を引き裂いた。
せめて霊となって、戻っておいで。
引き裂かれた親子の霊は再び巡り合えるのだろうか。