133 / 137
番外編
(夫2)思いもよらぬ幸運に感謝を
しおりを挟む
ロベルディの女王陛下と王配殿下は、次々とこの国の闇を暴いた。国民から搾取して威張っていた傲慢な貴族が排除され、主家の尊厳を穢そうとした愚か者が断罪されていく。処罰の重さに顔を背ける騎士も出たが、私は当然と受け止めた。
冤罪で殺されかけたお嬢様、国のために尽くしたのに裏切られたご当主様。養子の小公爵様も蔑ろにされた。フロレンティーノ公爵家の紋章を付けた騎士達は、この罰では足りないと口にするほどだ。浮気した男の生殖器を切り落とすのは、相応の罰だった。顔を焼いたのも問題ない。
すべてを淡々と受け流し、お嬢様に笑顔が戻ることを祈る。いつか、誰かと幸せになってほしい。小公爵様と結婚なさるのだろうか。家を継ぎ血を残すために、選択肢は他にないと思われた。
嵐のように飛び込んだロベルディの征服王は、その圧倒的な存在感と強さを示す。小柄な体が倍以上に感じるほど、桁違いの実力を誇った。すでに国としては併合されて形のないフェリノスに残り、お嬢様達の後見になるらしい。これでお嬢様も安心だ。
そんな矢先、お嬢様が乗馬で森に入ると聞いた。護衛に立候補し、配属される。近くで見守りたいだけだ。何かあったら、この身を盾にしてもお守りする。軍馬は基本的に頭のいい馬が多い。そのため相手を見下すと舐めた態度に出ることもあった。
お嬢様は見事に栗毛の牝馬を手懐け、信頼を得た。軽やかな馬の脚運び、揺れに体を合わせる。快適なのか、牝馬はご機嫌だった。それが一変したのは、先代王陛下が早駆けに切り替えた時だった。
「どうしましょう」
「無理のない範囲になさってください」
お声がけしたのは、明らかに服や鞍が借り物だからだ。大きさが合っていない。無理をしたら落馬する可能性があった。お嬢様は納得したのか、速度を保つ。その直後、足下に兎が飛び出した。さすがに鍛えられた軍馬でも混乱する。パニック状態の牝馬は、速度を上げた。
咄嗟に並んで走る。
「お嬢様! 手を、こちらへ」
この先に小川があると聞いている。川辺の石に馬が足を取られるかもしれない。危険を避けるため、まだ草地であるここで受け止めるべきだ。そう考えた。迷わず上半身を乗り出すお嬢様の信頼に、私は全力で応える。手首を引いて抱き込み、マントと体を下敷きに落ちた。
背中に激痛が走るが、幸い、下に石や岩はなかったようだ。平らな地面に強打しただけで済んだ。運が悪ければ、枝などが刺さり骨が折れる程度は覚悟していた。
「ご無事、か」
ぐっと息が詰まったため、「ご無事ですか」の一部分が途切れる。無礼な物言いになってしまった。そう思うが、謝罪の言葉が出ない。詰まった息が喉を圧迫し、苦しかった。無事の意味で「はい」と返事があり、ほっとする。手の届くところで、今度こそお守りできた。
ようやく痛みと呼吸が落ち着き、ケガはないと伝える。しかしお嬢様が倒れたと聞いて、私は落ち込んだ。気を遣わせまいとケガはないと誤魔化したのではないか? 未熟だと項垂れる私は、同僚達に部屋へ押し込まれた。
「うわっ、こりゃ凄い」
背中一面が青紫に染まり、肩は動かすと激痛が走る。だが折れてはいなかった。打ち身が酷いだけだろう。痛み止めで用意された薬草をべったりと塗り、その夜は俯せで眠った。痛みと発熱で魘され、普段と違う姿勢で休んだことで寝違えた。
翌日は隊長から休みの許可が出たので、横向きに寝転がって過ごす。枕を抱く形で転寝していると、誰かが入室した。おそらく薬草の交換だろう。そう思ったので動かずにいると、ひんやりとした指先が頬に触れる。驚いて目を開けた。
「私のためにごめんなさいね」
お嬢様だ。慌てて起き上がろうとするも、付き添った同僚に止められた。侍女を一人連れたお嬢様は、持ってきた薬草を張り替え始める。恐れ多いと断ろうにも、お嬢様は断固として譲らなかった。手当てが終わる頃、お嬢様はもう一度謝る。
「ごめんなさ……」
「私はお嬢様を守ったケガを後悔しておりません。これは騎士の誇り、どうか謝らないでください」
本心だった。お嬢様は口を噤んだ後、目を伏せて僅かの時間だけ考える。それから思わぬ褒美をくださった。
「守ってくれてありがとうございます。私の騎士様」
私の、騎士――ご令嬢にそう表現されることは、騎士の誉れだ。最高の勲章をもらった気分で微笑み返した。お嬢様は頬を赤く染め、嬉しそうな顔を見せる。この思い出があれば一生仕えることができる。そう思ったのに、数日後に呼び出された。
上司である隊長は何度も言い淀んだ後、私を騎士団から外すと口にする。なぜ? 首を傾げた私に待っていたのは、身に余る境遇だった。お嬢様は私を婚約者として選び、このフロレンティーノ公爵家を継ぐお嬢様の補佐役を与えられたのだ。
一介の騎士に過ぎないと断ることも許されず、淡い初恋はにわかに色を濃くした。婚約期間中にお嬢様に騎士の誓いを立て、決して裏切らぬと約束する。夢のような時間の果てに結婚し、跡取りとなる息子や娘が生まれた。
「あなた、こちらへいらして」
「はい、いま参ります」
反射的に出た言葉に、美しい妻が唇を尖らせる。
「分かった、今行くよ」
言い直すと引っ込むけれど、あれはあれで可愛い。そう告げたら、頬を赤く染めて腕を絡めた。フェリノスを交易の要所として作り変える妻は賢く、誰もより美しく気高い。この人の盾になり、支えとなって一生を終えられる幸運に、今日も感謝しながら頬にキスをした。
愛しています、初恋の君。
冤罪で殺されかけたお嬢様、国のために尽くしたのに裏切られたご当主様。養子の小公爵様も蔑ろにされた。フロレンティーノ公爵家の紋章を付けた騎士達は、この罰では足りないと口にするほどだ。浮気した男の生殖器を切り落とすのは、相応の罰だった。顔を焼いたのも問題ない。
すべてを淡々と受け流し、お嬢様に笑顔が戻ることを祈る。いつか、誰かと幸せになってほしい。小公爵様と結婚なさるのだろうか。家を継ぎ血を残すために、選択肢は他にないと思われた。
嵐のように飛び込んだロベルディの征服王は、その圧倒的な存在感と強さを示す。小柄な体が倍以上に感じるほど、桁違いの実力を誇った。すでに国としては併合されて形のないフェリノスに残り、お嬢様達の後見になるらしい。これでお嬢様も安心だ。
そんな矢先、お嬢様が乗馬で森に入ると聞いた。護衛に立候補し、配属される。近くで見守りたいだけだ。何かあったら、この身を盾にしてもお守りする。軍馬は基本的に頭のいい馬が多い。そのため相手を見下すと舐めた態度に出ることもあった。
お嬢様は見事に栗毛の牝馬を手懐け、信頼を得た。軽やかな馬の脚運び、揺れに体を合わせる。快適なのか、牝馬はご機嫌だった。それが一変したのは、先代王陛下が早駆けに切り替えた時だった。
「どうしましょう」
「無理のない範囲になさってください」
お声がけしたのは、明らかに服や鞍が借り物だからだ。大きさが合っていない。無理をしたら落馬する可能性があった。お嬢様は納得したのか、速度を保つ。その直後、足下に兎が飛び出した。さすがに鍛えられた軍馬でも混乱する。パニック状態の牝馬は、速度を上げた。
咄嗟に並んで走る。
「お嬢様! 手を、こちらへ」
この先に小川があると聞いている。川辺の石に馬が足を取られるかもしれない。危険を避けるため、まだ草地であるここで受け止めるべきだ。そう考えた。迷わず上半身を乗り出すお嬢様の信頼に、私は全力で応える。手首を引いて抱き込み、マントと体を下敷きに落ちた。
背中に激痛が走るが、幸い、下に石や岩はなかったようだ。平らな地面に強打しただけで済んだ。運が悪ければ、枝などが刺さり骨が折れる程度は覚悟していた。
「ご無事、か」
ぐっと息が詰まったため、「ご無事ですか」の一部分が途切れる。無礼な物言いになってしまった。そう思うが、謝罪の言葉が出ない。詰まった息が喉を圧迫し、苦しかった。無事の意味で「はい」と返事があり、ほっとする。手の届くところで、今度こそお守りできた。
ようやく痛みと呼吸が落ち着き、ケガはないと伝える。しかしお嬢様が倒れたと聞いて、私は落ち込んだ。気を遣わせまいとケガはないと誤魔化したのではないか? 未熟だと項垂れる私は、同僚達に部屋へ押し込まれた。
「うわっ、こりゃ凄い」
背中一面が青紫に染まり、肩は動かすと激痛が走る。だが折れてはいなかった。打ち身が酷いだけだろう。痛み止めで用意された薬草をべったりと塗り、その夜は俯せで眠った。痛みと発熱で魘され、普段と違う姿勢で休んだことで寝違えた。
翌日は隊長から休みの許可が出たので、横向きに寝転がって過ごす。枕を抱く形で転寝していると、誰かが入室した。おそらく薬草の交換だろう。そう思ったので動かずにいると、ひんやりとした指先が頬に触れる。驚いて目を開けた。
「私のためにごめんなさいね」
お嬢様だ。慌てて起き上がろうとするも、付き添った同僚に止められた。侍女を一人連れたお嬢様は、持ってきた薬草を張り替え始める。恐れ多いと断ろうにも、お嬢様は断固として譲らなかった。手当てが終わる頃、お嬢様はもう一度謝る。
「ごめんなさ……」
「私はお嬢様を守ったケガを後悔しておりません。これは騎士の誇り、どうか謝らないでください」
本心だった。お嬢様は口を噤んだ後、目を伏せて僅かの時間だけ考える。それから思わぬ褒美をくださった。
「守ってくれてありがとうございます。私の騎士様」
私の、騎士――ご令嬢にそう表現されることは、騎士の誉れだ。最高の勲章をもらった気分で微笑み返した。お嬢様は頬を赤く染め、嬉しそうな顔を見せる。この思い出があれば一生仕えることができる。そう思ったのに、数日後に呼び出された。
上司である隊長は何度も言い淀んだ後、私を騎士団から外すと口にする。なぜ? 首を傾げた私に待っていたのは、身に余る境遇だった。お嬢様は私を婚約者として選び、このフロレンティーノ公爵家を継ぐお嬢様の補佐役を与えられたのだ。
一介の騎士に過ぎないと断ることも許されず、淡い初恋はにわかに色を濃くした。婚約期間中にお嬢様に騎士の誓いを立て、決して裏切らぬと約束する。夢のような時間の果てに結婚し、跡取りとなる息子や娘が生まれた。
「あなた、こちらへいらして」
「はい、いま参ります」
反射的に出た言葉に、美しい妻が唇を尖らせる。
「分かった、今行くよ」
言い直すと引っ込むけれど、あれはあれで可愛い。そう告げたら、頬を赤く染めて腕を絡めた。フェリノスを交易の要所として作り変える妻は賢く、誰もより美しく気高い。この人の盾になり、支えとなって一生を終えられる幸運に、今日も感謝しながら頬にキスをした。
愛しています、初恋の君。
117
お気に入りに追加
2,551
あなたにおすすめの小説
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
前世は婚約者に浮気された挙げ句、殺された子爵令嬢です。ところでお父様、私の顔に見覚えはございませんか?
柚木崎 史乃
ファンタジー
子爵令嬢マージョリー・フローレスは、婚約者である公爵令息ギュスターヴ・クロフォードに婚約破棄を告げられた。
理由は、彼がマージョリーよりも愛する相手を見つけたからだという。
「ならば、仕方がない」と諦めて身を引こうとした矢先。マージョリーは突然、何者かの手によって階段から突き落とされ死んでしまう。
だが、マージョリーは今際の際に見てしまった。
ニヤリとほくそ笑むギュスターヴが、自分に『真実』を告げてその場から立ち去るところを。
マージョリーは、心に誓った。「必ず、生まれ変わってこの無念を晴らしてやる」と。
そして、気づけばマージョリーはクロフォード公爵家の長女アメリアとして転生していたのだった。
「今世は復讐のためだけに生きよう」と決心していたアメリアだったが、ひょんなことから居場所を見つけてしまう。
──もう二度と、自分に幸せなんて訪れないと思っていたのに。
その一方で、アメリアは成長するにつれて自分の顔が段々と前世の自分に近づいてきていることに気づかされる。
けれど、それには思いも寄らない理由があって……?
信頼していた相手に裏切られ殺された令嬢は今世で人の温かさや愛情を知り、過去と決別するために奔走する──。
※本作品は商業化され、小説配信アプリ「Read2N」にて連載配信されております。そのため、配信されているものとは内容が異なるのでご了承下さい。
【完結】公女が死んだ、その後のこと
杜野秋人
恋愛
【第17回恋愛小説大賞 奨励賞受賞しました!】
「お母様……」
冷たく薄暗く、不潔で不快な地下の罪人牢で、彼女は独り、亡き母に語りかける。その掌の中には、ひと粒の小さな白い錠剤。
古ぼけた簡易寝台に座り、彼女はそのままゆっくりと、覚悟を決めたように横たわる。
「言いつけを、守ります」
最期にそう呟いて、彼女は震える手で錠剤を口に含み、そのまま飲み下した。
こうして、第二王子ボアネルジェスの婚約者でありカストリア公爵家の次期女公爵でもある公女オフィーリアは、獄中にて自ら命を断った。
そして彼女の死後、その影響はマケダニア王国の王宮内外の至るところで噴出した。
「ええい、公務が回らん!オフィーリアは何をやっている!?」
「殿下は何を仰せか!すでに公女は儚くなられたでしょうが!」
「くっ……、な、ならば蘇生させ」
「あれから何日経つとお思いで!?お気は確かか!」
「何故だ!何故この私が裁かれねばならん!」
「そうよ!お父様も私も何も悪くないわ!悪いのは全部お義姉さまよ!」
「…………申し開きがあるのなら、今ここではなく取り調べと裁判の場で存分に申すがよいわ。⸺連れて行け」
「まっ、待て!話を」
「嫌ぁ〜!」
「今さら何しに戻ってきたかね先々代様。わしらはもう、公女さま以外にお仕えする気も従う気もないんじゃがな?」
「なっ……貴様!領主たる儂の言うことが聞けんと」
「領主だったのは亡くなった女公さまとその娘の公女さまじゃ。あの方らはあんたと違って、わしら領民を第一に考えて下さった。あんたと違ってな!」
「くっ……!」
「なっ、譲位せよだと!?」
「本国の決定にございます。これ以上の混迷は連邦友邦にまで悪影響を与えかねないと。⸺潔く観念なさいませ。さあ、ご署名を」
「おのれ、謀りおったか!」
「…………父上が悪いのですよ。あの時止めてさえいれば、彼女は死なずに済んだのに」
◆人が亡くなる描写、及びベッドシーンがあるのでR15で。生々しい表現は避けています。
◆公女が亡くなってからが本番。なので最初の方、恋愛要素はほぼありません。最後はちゃんとジャンル:恋愛です。
◆ドアマットヒロインを書こうとしたはずが。どうしてこうなった?
◆作中の演出として自死のシーンがありますが、決して推奨し助長するものではありません。早まっちゃう前に然るべき窓口に一言相談を。
◆作者の作品は特に断りなき場合、基本的に同一の世界観に基づいています。が、他作品とリンクする予定は特にありません。本作単品でお楽しみ頂けます。
◆この作品は小説家になろうでも公開します。
◆24/2/17、HOTランキング女性向け1位!?1位は初ですありがとうございます!
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
婚約者の浮気相手が子を授かったので
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ファンヌはリヴァス王国王太子クラウスの婚約者である。
ある日、クラウスが想いを寄せている女性――アデラが子を授かったと言う。
アデラと一緒になりたいクラウスは、ファンヌに婚約解消を迫る。
ファンヌはそれを受け入れ、さっさと手続きを済ませてしまった。
自由になった彼女は学校へと戻り、大好きな薬草や茶葉の『研究』に没頭する予定だった。
しかし、師であるエルランドが学校を辞めて自国へ戻ると言い出す。
彼は自然豊かな国ベロテニア王国の出身であった。
ベロテニア王国は、薬草や茶葉の生育に力を入れているし、何よりも獣人の血を引く者も数多くいるという魅力的な国である。
まだまだエルランドと共に茶葉や薬草の『研究』を続けたいファンヌは、エルランドと共にベロテニア王国へと向かうのだが――。
※表紙イラストはタイトルから「お絵描きばりぐっどくん」に作成してもらいました。
※完結しました
まさか、こんな事になるとは思ってもいなかった
あとさん♪
恋愛
学園の卒業記念パーティでその断罪は行われた。
王孫殿下自ら婚約者を断罪し、婚約者である公爵令嬢は地下牢へ移されて——
だがその断罪は国王陛下にとって寝耳に水の出来事だった。彼は怒り、孫である王孫を改めて断罪する。関係者を集めた中で。
誰もが思った。『まさか、こんな事になるなんて』と。
この事件をきっかけに歴史は動いた。
無血革命が起こり、国名が変わった。
平和な時代になり、ひとりの女性が70年前の真実に近づく。
※R15は保険。
※設定はゆるんゆるん。
※異世界のなんちゃってだとお心にお留め置き下さいませm(_ _)m
※本編はオマケ込みで全24話
※番外編『フォーサイス公爵の走馬灯』(全5話)
※『ジョン、という人』(全1話)
※『乙女ゲーム“この恋をアナタと”の真実』(全2話)
※↑蛇足回2021,6,23加筆修正
※外伝『真か偽か』(全1話)
※小説家になろうにも投稿しております。
今さら後悔しても知りません 婚約者は浮気相手に夢中なようなので消えてさしあげます
神崎 ルナ
恋愛
旧題:長年の婚約者は政略結婚の私より、恋愛結婚をしたい相手がいるようなので、消えてあげようと思います。
【奨励賞頂きましたっ( ゚Д゚) ありがとうございます(人''▽`)】 コッペリア・マドルーク公爵令嬢は、王太子アレンの婚約者として良好な関係を維持してきたと思っていた。
だが、ある時アレンとマリアの会話を聞いてしまう。
「あんな堅苦しい女性は苦手だ。もし許されるのであれば、君を王太子妃にしたかった」
マリア・ダグラス男爵令嬢は下級貴族であり、王太子と婚約などできるはずもない。
(そう。そんなに彼女が良かったの)
長年に渡る王太子妃教育を耐えてきた彼女がそう決意を固めるのも早かった。
何故なら、彼らは将来自分達の子を王に据え、更にはコッペリアに公務を押し付け、自分達だけ遊び惚けていようとしているようだったから。
(私は都合のいい道具なの?)
絶望したコッペリアは毒薬を入手しようと、お忍びでとある店を探す。
侍女達が話していたのはここだろうか?
店に入ると老婆が迎えてくれ、コッペリアに何が入用か、と尋ねてきた。
コッペリアが正直に全て話すと、
「今のあんたにぴったりの物がある」
渡されたのは、小瓶に入った液状の薬。
「体を休める薬だよ。ん? 毒じゃないのかって? まあ、似たようなものだね。これを飲んだらあんたは眠る。ただし」
そこで老婆は言葉を切った。
「目覚めるには条件がある。それを満たすのは並大抵のことじゃ出来ないよ。下手をすれば永遠に眠ることになる。それでもいいのかい?」
コッペリアは深く頷いた。
薬を飲んだコッペリアは眠りについた。
そして――。
アレン王子と向かい合うコッペリア(?)がいた。
「は? 書類の整理を手伝え? お断り致しますわ」
※お読み頂きありがとうございます(人''▽`) hotランキング、全ての小説、恋愛小説ランキングにて1位をいただきました( ゚Д゚)
(2023.2.3)
ありがとうございますっm(__)m ジャンピング土下座×1000000
※お読みくださり有難うございました(人''▽`) 完結しました(^▽^)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる