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257.我慢できねえ(SIDEセティ)
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*****SIDE セティ
お尻から食べるのやめてもらえないか、お願いしてみよう――無邪気にそう心の中で呟く伴侶の幼さに、頭を抱える。桃を落としたガイアと、空気を読まず走り出すトムを横目に、オレは気持ちを落ち着けた。この子に悪気はないと頬にキスをする。
くしゃみをする姿に、全裸だったことを思い出した。寒くないはずだが、イシスはまだ自分が神族である自覚が薄い。薄黄色のワンピースを羽織らせた。淡い色の服が多いのは、単にオレの趣味だ。黒髪のイシスには淡い色がよく似合う。同じ色彩を持つオレとは正反対だった。
大人しく膝に乗ったイシスの黒髪が、お尻の下に敷かれるのを見て、ガイアが手早く編み始めた。こういう作業はガイアが得意な分野だ。性格的にもマメなので向いているようだった。編みあがった縄状の髪を摘まんで「尻尾みたい」と笑う。
その後トムとお揃いとか呟いているが、本人は気づいていない。トムもガイアに食われたんだが……お揃いの意味が深い。本当はいろいろ理解していて、わざとやってると言われた方が納得できる。思わず桃を潰してしまった。目を見開いたイシスが、手に唇を寄せる。
赤い舌が煽情的にちらちらと動き、オレを誘う。ごくりと喉を鳴らして、イシスの動きを見守った。このままここで襲いたい。イシスにその気がないのが嘘のようだ。絶対に誘われてるぞ。
「嫁が可愛すぎて離せねえ」
目も手も離したら、すぐに誰かに奪われそうだ。自覚がないイシスは手を舐め終わり、満足そうに砕けた桃に手を伸ばした。だがテーブルに落ちた桃は大急ぎでガイアに処分される。まあ目の毒だし、正直、張り詰めた股間の処理に目を泳がせる状況だからな。
ここで見境なく襲うようなら、ガイアのアレをちょん切ってやるつもりだったが……危険だから絶対に離さないでと忠告する様子から大丈夫だろう。ぐっと体を伸ばして桃の欠片を掴もうとしたイシスが、お尻が壊れたと半泣きになる。
人聞きの悪いこと言うな。いや、言葉にしてないが……ちらりと視線を送ったガイアが「なにやってんのさ!」と睨みつける。壊してないぞ! 全力で否定する。可愛がって愛しただけだ。壊してない。優しく引き寄せて、治癒を施す。イシスのお陰で本当にオレも上達した。
治ったらけろりと桃に手を伸ばす。新しい桃は熟れて食べ時で、神々の回春剤と呼ばれる甘い芳香を放っていた。イシスには効果がないが、滋養もあるので問題ないだろう。仙桃と呼ばれる果実の皮を、器用に上部から裂いた。溢れ出た果汁に舌を這わせる。
なんだろう、目の毒? 保養なんだが? おかしくないか、食事風景だろう。欲情する要素がどこに……オレはここでがくりと肩を落とす。両手でぐいと皮を剥きながら隙間に舌を這わせ、ピンクの果実に歯を立てる。まだ一度もさせたことのない行為を思い浮かべた。
くそっ、我慢できねえ。ガイアがいなけりゃ、また抱いてるところだ。手に垂れた果汁を舐め、果実を少しずつ齧り始めた。大きすぎてうまく口に含めず、吸いついたり歯で削ぐようにして食べ始める。わざとやってるのか? そう問うたら、きょとんとした顔で首を傾げるだろう。分かってる、そんなあざとさはイシスにはない。だが疑いたくなるくらい、煽情的だった。
すっかり準備完了の股間を宥めるオレの上で、イシスが気づいて尻を振る。動くなと指示して、事なきを得た。オレが暴走して暴発したらどうするつもりだ? ぐったり疲れながらも、腰に回した手を緩めることはなかった。
お尻から食べるのやめてもらえないか、お願いしてみよう――無邪気にそう心の中で呟く伴侶の幼さに、頭を抱える。桃を落としたガイアと、空気を読まず走り出すトムを横目に、オレは気持ちを落ち着けた。この子に悪気はないと頬にキスをする。
くしゃみをする姿に、全裸だったことを思い出した。寒くないはずだが、イシスはまだ自分が神族である自覚が薄い。薄黄色のワンピースを羽織らせた。淡い色の服が多いのは、単にオレの趣味だ。黒髪のイシスには淡い色がよく似合う。同じ色彩を持つオレとは正反対だった。
大人しく膝に乗ったイシスの黒髪が、お尻の下に敷かれるのを見て、ガイアが手早く編み始めた。こういう作業はガイアが得意な分野だ。性格的にもマメなので向いているようだった。編みあがった縄状の髪を摘まんで「尻尾みたい」と笑う。
その後トムとお揃いとか呟いているが、本人は気づいていない。トムもガイアに食われたんだが……お揃いの意味が深い。本当はいろいろ理解していて、わざとやってると言われた方が納得できる。思わず桃を潰してしまった。目を見開いたイシスが、手に唇を寄せる。
赤い舌が煽情的にちらちらと動き、オレを誘う。ごくりと喉を鳴らして、イシスの動きを見守った。このままここで襲いたい。イシスにその気がないのが嘘のようだ。絶対に誘われてるぞ。
「嫁が可愛すぎて離せねえ」
目も手も離したら、すぐに誰かに奪われそうだ。自覚がないイシスは手を舐め終わり、満足そうに砕けた桃に手を伸ばした。だがテーブルに落ちた桃は大急ぎでガイアに処分される。まあ目の毒だし、正直、張り詰めた股間の処理に目を泳がせる状況だからな。
ここで見境なく襲うようなら、ガイアのアレをちょん切ってやるつもりだったが……危険だから絶対に離さないでと忠告する様子から大丈夫だろう。ぐっと体を伸ばして桃の欠片を掴もうとしたイシスが、お尻が壊れたと半泣きになる。
人聞きの悪いこと言うな。いや、言葉にしてないが……ちらりと視線を送ったガイアが「なにやってんのさ!」と睨みつける。壊してないぞ! 全力で否定する。可愛がって愛しただけだ。壊してない。優しく引き寄せて、治癒を施す。イシスのお陰で本当にオレも上達した。
治ったらけろりと桃に手を伸ばす。新しい桃は熟れて食べ時で、神々の回春剤と呼ばれる甘い芳香を放っていた。イシスには効果がないが、滋養もあるので問題ないだろう。仙桃と呼ばれる果実の皮を、器用に上部から裂いた。溢れ出た果汁に舌を這わせる。
なんだろう、目の毒? 保養なんだが? おかしくないか、食事風景だろう。欲情する要素がどこに……オレはここでがくりと肩を落とす。両手でぐいと皮を剥きながら隙間に舌を這わせ、ピンクの果実に歯を立てる。まだ一度もさせたことのない行為を思い浮かべた。
くそっ、我慢できねえ。ガイアがいなけりゃ、また抱いてるところだ。手に垂れた果汁を舐め、果実を少しずつ齧り始めた。大きすぎてうまく口に含めず、吸いついたり歯で削ぐようにして食べ始める。わざとやってるのか? そう問うたら、きょとんとした顔で首を傾げるだろう。分かってる、そんなあざとさはイシスにはない。だが疑いたくなるくらい、煽情的だった。
すっかり準備完了の股間を宥めるオレの上で、イシスが気づいて尻を振る。動くなと指示して、事なきを得た。オレが暴走して暴発したらどうするつもりだ? ぐったり疲れながらも、腰に回した手を緩めることはなかった。
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