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244.キスじゃなくて挨拶だよ
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ダメだって言ったのに、セティは聞いてくれなかった。僕のおちんちん食べて、その後ばっちい穴も舐められたし……嫌って言ったのに。
泣きながら訴えたら、ようやく指が抜けた。ほっとしたらお腹の上に白いべたべたがあった。セティのおちんちんから出たの? 興味があったから掬って匂いを確かめて、ぺろりと舐める。びっくりした。何、これ、苦い!
「……っ、イシス!?」
「甘く、ない」
しょんぼりしながら呟くと、セティが魔法で綺麗にしてくれた。匂いも全部消えて、べたべたもなくなる。甘いと思ったのにな。鼻を啜る僕を抱き締めるセティは、ぽんぽんと背中を叩く。眠くなって我慢できない僕はそのまま眠ったみたい。
――もう容赦しないからな。
怖い言葉のはずなのに、とても甘い声が聞こえてほわりと笑う。夢の中で聞こえた声はセティだったのかも。
「おはよう」
目を開けたら、セティの顔があった。ぼやけるくらい近い。ぱちりと瞬いて、僕もおはようと挨拶をする。ちゅっと音を立ててキスをして、セティが起き上がった。僕もベッドに座って、セティの用意したワンピースを被った。今日はピンクだから、花びらの色だ。赤い色の長細くて薄い布を腰に巻いて、リボンに結んでもらった。
「これ、僕も出来るようになるかな」
「練習してみるか」
宿の人が持ってきたご飯を食べて、リボンを結ぶ練習をした。どうしても縦になるんだけど、セティはちゃんと横になってる。いっぱい練習したけど、やっぱり縦だった。回り込んだセティが僕の指先をじっと見て、何かに気づいたみたい。
「ここを反対に回してみろ」
同じ向きでやってもらったら分かった。リボンを作るときにぐるっとする紐が逆なの。ボリスやお父さんにもリボンを結べるね。それから宿を出た僕とセティは、仲良く手を繋いで森に向かった。本当は朝早く行くっていったけど、昨日のお呪いが長かったからかな?
「もう少し奥まで進んだらズルしようか」
フェルがいるところまで魔法で飛んじゃおう。そう言われて、僕はすぐに頷いた。歩くの、いつもより疲れるんだ。お熱はないんだけど。はふはふと息をしながら坂を上って港がある町を見下ろす。茂みの影に隠れて、ぱちんと指を鳴らしたセティに抱き着いて目を閉じた。
「もういいぞ」
「ついた?」
フェルがいる場所に着いたと思って目を開けたら、いっぱいの狼さんがいた。フェルはまだだけど、黒や灰色の狼さんが僕達を見てる。伏せた黒い狼さんの前に座って、じっと見つめ合う。
「触っていい?」
くーんと鼻を鳴らす狼さんがごろんとお腹を見せる。これはいいんだよね。優しく触ったら背中は硬い毛で、お腹は柔らかかった。いっぱい撫でていたら、他の狼さんが後ろから僕に乗っかったり、一緒に転がって遊び始める。
気持ちいい。温かい。セティも近くに座って、狼さんを撫で始めた。フェルが来るまでここで待つんだね。やっぱり遠くから来るから大変なのかな。
「これも忘れるなよ」
収納から出したぬいぐるみを見て、僕は目を瞬かせる。
「フォン!」
トムが来るまで僕と一緒に寝てくれた狼さんのぬいぐるみだ。柔らかい手触りのぬいぐるみを受け取って、本物の狼さんに見せてあげた。くんくん匂ったり、軽く踏んだりして確認した狼さんとフォンを抱っこした僕は、突然現れた大きな舌にべろんと舐められる。
「ん……フェル!?」
べろべろと舐めるフェルを抱っこして喜んでいたら、むっとした顔のセティに引き剥がされちゃった。これはキスじゃなくて挨拶なのに。
泣きながら訴えたら、ようやく指が抜けた。ほっとしたらお腹の上に白いべたべたがあった。セティのおちんちんから出たの? 興味があったから掬って匂いを確かめて、ぺろりと舐める。びっくりした。何、これ、苦い!
「……っ、イシス!?」
「甘く、ない」
しょんぼりしながら呟くと、セティが魔法で綺麗にしてくれた。匂いも全部消えて、べたべたもなくなる。甘いと思ったのにな。鼻を啜る僕を抱き締めるセティは、ぽんぽんと背中を叩く。眠くなって我慢できない僕はそのまま眠ったみたい。
――もう容赦しないからな。
怖い言葉のはずなのに、とても甘い声が聞こえてほわりと笑う。夢の中で聞こえた声はセティだったのかも。
「おはよう」
目を開けたら、セティの顔があった。ぼやけるくらい近い。ぱちりと瞬いて、僕もおはようと挨拶をする。ちゅっと音を立ててキスをして、セティが起き上がった。僕もベッドに座って、セティの用意したワンピースを被った。今日はピンクだから、花びらの色だ。赤い色の長細くて薄い布を腰に巻いて、リボンに結んでもらった。
「これ、僕も出来るようになるかな」
「練習してみるか」
宿の人が持ってきたご飯を食べて、リボンを結ぶ練習をした。どうしても縦になるんだけど、セティはちゃんと横になってる。いっぱい練習したけど、やっぱり縦だった。回り込んだセティが僕の指先をじっと見て、何かに気づいたみたい。
「ここを反対に回してみろ」
同じ向きでやってもらったら分かった。リボンを作るときにぐるっとする紐が逆なの。ボリスやお父さんにもリボンを結べるね。それから宿を出た僕とセティは、仲良く手を繋いで森に向かった。本当は朝早く行くっていったけど、昨日のお呪いが長かったからかな?
「もう少し奥まで進んだらズルしようか」
フェルがいるところまで魔法で飛んじゃおう。そう言われて、僕はすぐに頷いた。歩くの、いつもより疲れるんだ。お熱はないんだけど。はふはふと息をしながら坂を上って港がある町を見下ろす。茂みの影に隠れて、ぱちんと指を鳴らしたセティに抱き着いて目を閉じた。
「もういいぞ」
「ついた?」
フェルがいる場所に着いたと思って目を開けたら、いっぱいの狼さんがいた。フェルはまだだけど、黒や灰色の狼さんが僕達を見てる。伏せた黒い狼さんの前に座って、じっと見つめ合う。
「触っていい?」
くーんと鼻を鳴らす狼さんがごろんとお腹を見せる。これはいいんだよね。優しく触ったら背中は硬い毛で、お腹は柔らかかった。いっぱい撫でていたら、他の狼さんが後ろから僕に乗っかったり、一緒に転がって遊び始める。
気持ちいい。温かい。セティも近くに座って、狼さんを撫で始めた。フェルが来るまでここで待つんだね。やっぱり遠くから来るから大変なのかな。
「これも忘れるなよ」
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「フォン!」
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「ん……フェル!?」
べろべろと舐めるフェルを抱っこして喜んでいたら、むっとした顔のセティに引き剥がされちゃった。これはキスじゃなくて挨拶なのに。
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