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158.色気がやばい(SIDEセティ)

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*****SIDE セティ



 ようやく16歳前後まで外見を成長させた。神族に切り替えるついでに、オレの力を流し込んで成長させたのだから、少しくらい味見をしてもいいだろう。そう思ったのに、イシスの中身が幼いままだった。純粋とも言い換えられる。

 子供の頃の栄養不足による発育不良があり、精神的に幼い彼はまだ精通していない。兆しを見せた性器を弄る濡れた音に、漏らしてしまったと泣き出された時はヤバかった。暴発しそうな息子を宥めつつ、怖がらせないように導く。

 あと少しだったんだが、鼻を啜って本格的に泣き出した。仕方なく諦めて綺麗にした。ガイアやファフニールが邪魔をする。僕が貰うとか言ってやがったが、もし手出ししたら世界ごと滅んでやるからな。

 我慢しきれず、首にキスマークを残す。これがいけなかった。息子が暴走寸前になり、少し屈んで我慢する。こちらの危険な状況も知らず、イシスは「これ病気?」とスカートを捲って半立ちの性器を見せる。まだピンクで愛らしいつるんとしたソレに、鼻血が出そうになった。

 スカートは女児が着るのだが、その衝撃はすごい。イシスの儚げな容貌は女装しても遜色なかった。美少女にしか見えない子が、ぺろりとスカートを捲った下は淡い桃色のペニス。これでオレにべったりときたら、可愛さが凶器に近い。

 問題ないと伝えて安心させ、砕けた自制心をかき集めて再構築した。ファフニールとヴルムはオレを危険視したのか、ガイアを送り込んでくる。さすがに断りづらく諦めて横になった。安心したのか眠ってしまったイシスの鼻の頭が赤い。擦ったのだろうか。

 そこへキスを落としたついでに首に……刻印をつけて、さらに延長して胸元にも痕を付けまくった。我に返った時には遅く、血吸い虫に噛まれたような痕が大量に散らばる。翌朝、自称父母のドラゴンや保護者を名乗るテンに睨まれたが、知らん顔しておいた。

「イシス、これを巻こうか」

 神殿でよく使う薄絹をかぶせる。頭から被って、くるりと首周りで固定した。これなら動きを妨げることもないし首の痕も見えない。さらにもう一枚色の似た薄絹をベルトとしてスカートの上から結んでやった。

「これ好き」

 リボン結びがお気に召したようだ。ご機嫌でくるくる回るイシスを、無邪気な弟が追いかけまわしている。いずれ空の覇者に成長するとは思えないボリスが遊び疲れた頃を狙って、オレはイシスを抱き上げた。走り回ったせいで眠いようだ。だいぶ大きくなった。抱き上げると足を上手に絡めてしがみ付くイシスと転移した。

 イシスをお姫様抱っこに直してから、神殿に降り立つ。主神殿で出迎える顔ぶれはだいぶ変わっていた。少し間を開けてしまったが、集められた罪人はすべて地下牢にいる。イシスに見せる景色ではないが、人としての意識を切り替える材料になるはずだ。

 昨夜のスカートより裾が長いため、横抱きにしたイシスの足は膝から下しか見えない。薄絹から零れ落ちる黒髪とオレが抱き上げている様子から、顔が見えなくても子供の正体に思い到った神官達は必死で頭を下げた。額を擦りつけて這いつくばる神官の向こうから、大司教の衣装を着た男が駆けてくる。

 以前の大司教は命を差し出して詫びると言ったが、どうやら代替わりしたらしい。代替わりの理由も彼の行方も興味はないので無視した。

「罪人をすべて処分せよ」
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