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59.可愛いと際どいは紙一重(SIDEセティ)
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*****SIDE セティ
眠ったイシスを風呂に入れながら、この子が成長するまで待てるだろうかと自問する。かなり厳しいが、そこは我慢しかないだろうと自答したところで、イシスが起きた。
この子は無自覚だが、常に心の扉を開いたままだ。神様に何かを願うたび、考え事をしている内容ごとオレの心に流れ込んでくる。ゲリュオンのこと、ご飯を残すか悩んでいること。すべて筒抜けだった。教えても直らない気がするし、今更なので触らない。
イシスの心が読めなくなったら不安で何するか。自分でも制御できない気がした。
眠ってしまったと悔やむイシスは、おなか一杯食べた経験がないと暴露していく。お前がそんな辛い時期に隣にいて守ってやれなかったのが悔やまれるよ。優しくキスをして宥めていると、唇にしろと強請られた。
素直で真っすぐなイシスは好ましいが、こういった部分はもう少し恥じらって欲しい。いや、それで距離を置かれたら襲うかも知れない。だったら罪悪感なくオレに身を委ねてくれる今は最高じゃないか。
うだうだと悩むオレは、待ちくたびれて尖った唇をぺろりと舐めた。途端に蕾が綻ぶように妖艶さを増した子供が、舌を絡めて吸い上げる。技巧も何もない必死さと甘えの行為は、苦しくなるほどだった。これ以上は無理だ、襲ってしまう。
「仲良しのお呪いはここまで」
言葉に出して終わりを宣言する。そうじゃないと貪って奪ってしまいそうだった。隅々まで暴いて食らいたいと、腹の奥で獣が唸り声をあげている。
――もっと欲しい。たくさん、もっと!
駆け引きを知らない子供は一直線に飛び込んでくる。胸に詰まる強い感情が祈りのように、オレに届いていた。ダメだ、手を出すには早い。いま食ったら骨すら残らないから。
「んっ……もう上がろう」
どんな美女に言い寄られても理性を保つ自信はあるが、この子だと簡単に決壊する。勃ち上がりかけた雄の象徴から意識を逸らす。まずい、見られて興味を持たれたら襲う。やや前かがみでイシスを外へ出し、丁寧に拭いて乾かした。
人間はとにかく弱くて脆い。冷たい水を浴びれば体調を崩し、濡れた髪をそのままで眠ると熱を出した。イシスに辛い思いをさせる気はないので、しっかり服を着せて送り出す。部屋の中を温めておくのも忘れない。
途中でタイフォンの絵本を抱え、イシスはベッドに乗り上げた。今までの宿よりベッドが高かったせいもあり、小柄なイシスは苦戦していた。オレの手が濡れているし、息子を落ち着かせていたので駆け寄れない。見ていると、イシスは自分で解決した。
絵本を先にベッドにおいて、両手でよじ登る。飛び上がっても下半身が上り切れず、じたばたと足が動いた。なんだか可愛いと思ったのも一瞬で、すぐに赤面する。足を動かしたせいで裾がめくれ、イシスの尻が露わになったのだ。
目を逸らせ。そう自分に言い聞かせ、なんとか視線を床に落とした。ドキドキする。あと少しで際どい部分が丸見えだったぞ。次からベッドの高さがあるときは踏み台を用意しよう。
12歳前後だと推測される幼いイシスだが、体は細く手足に力はない。筋肉がないから余計に少女のような印象を与えるし、知識のなさが行動を幼く見せた。ベッドの高さも、本来ならすんなり登れるだろう。まあ、この宿は大型の獣人も利用するので高さをつけたのだろうが。
ベッドに転がって上り、絵本を幸せそうに指先でなぞる姿は幼児だった。こんな子供相手に欲情するなんて、オレもたいがい頭が沸いてる。自分でそう貶さないと、一緒のベッドに寝る勇気がなかった。可愛いお願い事と祈りを捧げるイシスを腕に抱いて、オレはまんじりともせず朝を迎えた。
眠ったイシスを風呂に入れながら、この子が成長するまで待てるだろうかと自問する。かなり厳しいが、そこは我慢しかないだろうと自答したところで、イシスが起きた。
この子は無自覚だが、常に心の扉を開いたままだ。神様に何かを願うたび、考え事をしている内容ごとオレの心に流れ込んでくる。ゲリュオンのこと、ご飯を残すか悩んでいること。すべて筒抜けだった。教えても直らない気がするし、今更なので触らない。
イシスの心が読めなくなったら不安で何するか。自分でも制御できない気がした。
眠ってしまったと悔やむイシスは、おなか一杯食べた経験がないと暴露していく。お前がそんな辛い時期に隣にいて守ってやれなかったのが悔やまれるよ。優しくキスをして宥めていると、唇にしろと強請られた。
素直で真っすぐなイシスは好ましいが、こういった部分はもう少し恥じらって欲しい。いや、それで距離を置かれたら襲うかも知れない。だったら罪悪感なくオレに身を委ねてくれる今は最高じゃないか。
うだうだと悩むオレは、待ちくたびれて尖った唇をぺろりと舐めた。途端に蕾が綻ぶように妖艶さを増した子供が、舌を絡めて吸い上げる。技巧も何もない必死さと甘えの行為は、苦しくなるほどだった。これ以上は無理だ、襲ってしまう。
「仲良しのお呪いはここまで」
言葉に出して終わりを宣言する。そうじゃないと貪って奪ってしまいそうだった。隅々まで暴いて食らいたいと、腹の奥で獣が唸り声をあげている。
――もっと欲しい。たくさん、もっと!
駆け引きを知らない子供は一直線に飛び込んでくる。胸に詰まる強い感情が祈りのように、オレに届いていた。ダメだ、手を出すには早い。いま食ったら骨すら残らないから。
「んっ……もう上がろう」
どんな美女に言い寄られても理性を保つ自信はあるが、この子だと簡単に決壊する。勃ち上がりかけた雄の象徴から意識を逸らす。まずい、見られて興味を持たれたら襲う。やや前かがみでイシスを外へ出し、丁寧に拭いて乾かした。
人間はとにかく弱くて脆い。冷たい水を浴びれば体調を崩し、濡れた髪をそのままで眠ると熱を出した。イシスに辛い思いをさせる気はないので、しっかり服を着せて送り出す。部屋の中を温めておくのも忘れない。
途中でタイフォンの絵本を抱え、イシスはベッドに乗り上げた。今までの宿よりベッドが高かったせいもあり、小柄なイシスは苦戦していた。オレの手が濡れているし、息子を落ち着かせていたので駆け寄れない。見ていると、イシスは自分で解決した。
絵本を先にベッドにおいて、両手でよじ登る。飛び上がっても下半身が上り切れず、じたばたと足が動いた。なんだか可愛いと思ったのも一瞬で、すぐに赤面する。足を動かしたせいで裾がめくれ、イシスの尻が露わになったのだ。
目を逸らせ。そう自分に言い聞かせ、なんとか視線を床に落とした。ドキドキする。あと少しで際どい部分が丸見えだったぞ。次からベッドの高さがあるときは踏み台を用意しよう。
12歳前後だと推測される幼いイシスだが、体は細く手足に力はない。筋肉がないから余計に少女のような印象を与えるし、知識のなさが行動を幼く見せた。ベッドの高さも、本来ならすんなり登れるだろう。まあ、この宿は大型の獣人も利用するので高さをつけたのだろうが。
ベッドに転がって上り、絵本を幸せそうに指先でなぞる姿は幼児だった。こんな子供相手に欲情するなんて、オレもたいがい頭が沸いてる。自分でそう貶さないと、一緒のベッドに寝る勇気がなかった。可愛いお願い事と祈りを捧げるイシスを腕に抱いて、オレはまんじりともせず朝を迎えた。
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