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第6章 侵入者か難民か
82.イヴはルシファーに似てはダメよ
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騒動はあったが、温泉旅行は無事続行されて5日後に魔王城へ戻った。魔王夫妻と入れ替わりで、アスタロトが長期睡眠に入る。3ヵ月は出てこないと言われ、ルシファーは笑顔で見送った。あまりに嬉しそうな満面の笑みに、アスタロトが嫌味と宿題を大量に押し付ける。
「必ず処理しておいてくださいね」
いつまでに、と言われなくてもアスタロトが目覚めるまでだろう。笑顔を引き攣らせながら受け取ったルシファーは、大きな溜め息を吐く。その姿を横で見上げながら、リリスは思った。逆らうと怖いと知ってるくせに、どうして毎回器用に怒らせるのかしら。
「イヴはルシファーに似てはダメよ」
腕に抱く我が子に、静かに語り掛ける。
「リリス、どういう意味?」
「そのままよ。ルシファーに似たら、いつも叱られる子になっちゃうわ」
「父親の威厳とは……」
「その前に魔王の威厳が足りないけどね」
口を挟んだルキフェルに反論しようとして、ルシファーは諦めた。口ケンカならルキフェルとアスタロトが最強だ。しょんぼりしながら肩を落とす姿に、リリスが慰める。
「これから変わればいいじゃない。頑張ってね、パパ」
「イヴぅ、パパはイヴが自慢できるパパになるぞ」
その決意がいつまでもつやら。首を横に振るベールは、何万年もの付き合い故にルシファーを良く知っている。熱しやすく冷めやすい。何かに固執しないが、執着するとしつこい。いわゆる扱いづらい性格なのだ。普段は人当たりの良さで誤魔化せている分、拗ねると面倒くさい。
被害を被るのはリリスなので、ベールは余計なことを言わずに苦笑いに留めた。その表情を観察しながら、事情を察したルキフェルが目を逸らした。アデーレに連れられてアスタロトが退城した今、フォローする者が不在なのだ。
「あ、陛下が戻られたのね。だったら、あたくしは温泉旅行の続きを……」
ベルゼビュートは大きな胸に我が子の顔を挟んで現れ、笑顔でUターンした。危機察知能力の高い精霊女王はさっさと夫エリゴスを連れて逃げ出す。
「そうそう、新しい保育園の修繕も終わりましたので、明日から運営開始するそうです。許可証に署名をお願いします」
仕事を思い出したベールが、急ぎの許可申請を取りだした。さっと目を通し問題ないので署名する。押印は不要だった。
「本日はこれで失礼いたします」
さっさと退室するベールに連れられて、ルキフェルも外へ出る。幼児だった期間が長いせいか、ベールはいまだにルキフェルを子ども扱いした。幼子だった頃のように手を繋ぎ、水色の髪の青年は連れ出される。ばいばいと手を振るリリスに応じながら、ルキフェルは素直に歩き出した。
「ロキちゃんとベルちゃんは本当に仲がいいわ」
「……ルキフェルがいいなら、オレは何も言わない」
本人が納得しているなら、部下や他種族の問題に首を突っ込まない。関係性は本人達が決めることだ。そう言いながら、思うところはあるのか歯切れが悪いルシファーだった。
「大丈夫よ、ロキちゃんは嫌ならそう言うもの」
「それより、イヴの保育園はどうするんだ?」
「シトリーに聞いたら、歩けるようになってからですって」
「リリスの時はすぐに歩いたぞ」
そうだったかしら? 首を傾げるが、長寿種族の「すぐ」は数十年単位のことも珍しくない。実際のリリスも他の赤子より早く歩いたわけではなかった。
「ぶぅ」
イヴが何か気になるらしく、手を伸ばす。短い手が掴んだものを引き寄せ、口に入れようとした。
「こらこら、イヴ、何を……っ!?」
半透明の精霊らしき生き物が暴れていた。赤子の力でも強く掴んだら死んでしまいそうに見える。それを口に近づける手を慌てて止めた。
「ルシファー、この子……精霊を捕まえちゃったわ」
「何かで気を逸らして取り返そう」
リリス愛用だったおしゃぶりを見つけ、口に差し込む。もぐもぐと満足そうに口を動かすが、握った手は緩まない。擽ったり玩具を揺らして気を引いたりした結果、ようやく手が緩んだ。すでにぐったりした精霊を回収し、代わりに狼のぬいぐるみを握らせた。
イヴはおしゃぶりとぬいぐるみに満足し、精霊を取られたことに気づかない。魔王と魔王妃が二人がかりで回収した精霊を、ソファのクッションへ横たえた。
「生きてるか?」
「たぶん」
手を翳して魔力を供給すると、崩れそうだった羽も元通りになった。見たことのない灰色の精霊に首を傾げながら、ルシファーは呟く。
「これ、何の精霊だ?」
「必ず処理しておいてくださいね」
いつまでに、と言われなくてもアスタロトが目覚めるまでだろう。笑顔を引き攣らせながら受け取ったルシファーは、大きな溜め息を吐く。その姿を横で見上げながら、リリスは思った。逆らうと怖いと知ってるくせに、どうして毎回器用に怒らせるのかしら。
「イヴはルシファーに似てはダメよ」
腕に抱く我が子に、静かに語り掛ける。
「リリス、どういう意味?」
「そのままよ。ルシファーに似たら、いつも叱られる子になっちゃうわ」
「父親の威厳とは……」
「その前に魔王の威厳が足りないけどね」
口を挟んだルキフェルに反論しようとして、ルシファーは諦めた。口ケンカならルキフェルとアスタロトが最強だ。しょんぼりしながら肩を落とす姿に、リリスが慰める。
「これから変わればいいじゃない。頑張ってね、パパ」
「イヴぅ、パパはイヴが自慢できるパパになるぞ」
その決意がいつまでもつやら。首を横に振るベールは、何万年もの付き合い故にルシファーを良く知っている。熱しやすく冷めやすい。何かに固執しないが、執着するとしつこい。いわゆる扱いづらい性格なのだ。普段は人当たりの良さで誤魔化せている分、拗ねると面倒くさい。
被害を被るのはリリスなので、ベールは余計なことを言わずに苦笑いに留めた。その表情を観察しながら、事情を察したルキフェルが目を逸らした。アデーレに連れられてアスタロトが退城した今、フォローする者が不在なのだ。
「あ、陛下が戻られたのね。だったら、あたくしは温泉旅行の続きを……」
ベルゼビュートは大きな胸に我が子の顔を挟んで現れ、笑顔でUターンした。危機察知能力の高い精霊女王はさっさと夫エリゴスを連れて逃げ出す。
「そうそう、新しい保育園の修繕も終わりましたので、明日から運営開始するそうです。許可証に署名をお願いします」
仕事を思い出したベールが、急ぎの許可申請を取りだした。さっと目を通し問題ないので署名する。押印は不要だった。
「本日はこれで失礼いたします」
さっさと退室するベールに連れられて、ルキフェルも外へ出る。幼児だった期間が長いせいか、ベールはいまだにルキフェルを子ども扱いした。幼子だった頃のように手を繋ぎ、水色の髪の青年は連れ出される。ばいばいと手を振るリリスに応じながら、ルキフェルは素直に歩き出した。
「ロキちゃんとベルちゃんは本当に仲がいいわ」
「……ルキフェルがいいなら、オレは何も言わない」
本人が納得しているなら、部下や他種族の問題に首を突っ込まない。関係性は本人達が決めることだ。そう言いながら、思うところはあるのか歯切れが悪いルシファーだった。
「大丈夫よ、ロキちゃんは嫌ならそう言うもの」
「それより、イヴの保育園はどうするんだ?」
「シトリーに聞いたら、歩けるようになってからですって」
「リリスの時はすぐに歩いたぞ」
そうだったかしら? 首を傾げるが、長寿種族の「すぐ」は数十年単位のことも珍しくない。実際のリリスも他の赤子より早く歩いたわけではなかった。
「ぶぅ」
イヴが何か気になるらしく、手を伸ばす。短い手が掴んだものを引き寄せ、口に入れようとした。
「こらこら、イヴ、何を……っ!?」
半透明の精霊らしき生き物が暴れていた。赤子の力でも強く掴んだら死んでしまいそうに見える。それを口に近づける手を慌てて止めた。
「ルシファー、この子……精霊を捕まえちゃったわ」
「何かで気を逸らして取り返そう」
リリス愛用だったおしゃぶりを見つけ、口に差し込む。もぐもぐと満足そうに口を動かすが、握った手は緩まない。擽ったり玩具を揺らして気を引いたりした結果、ようやく手が緩んだ。すでにぐったりした精霊を回収し、代わりに狼のぬいぐるみを握らせた。
イヴはおしゃぶりとぬいぐるみに満足し、精霊を取られたことに気づかない。魔王と魔王妃が二人がかりで回収した精霊を、ソファのクッションへ横たえた。
「生きてるか?」
「たぶん」
手を翳して魔力を供給すると、崩れそうだった羽も元通りになった。見たことのない灰色の精霊に首を傾げながら、ルシファーは呟く。
「これ、何の精霊だ?」
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