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37.フィルと僕の内緒!

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 フィルと一緒にお家に入って、お風呂に入る。ディーのお部屋から入ったけど、いいのかな? 僕のお部屋からは、お風呂に繋がってないの。遊ぶお部屋だからみたい。

 お風呂に落ちたら危険だと言ってたけど、僕は一人で入ったりしないのに。ディーもアガリもバラムまでおんなじ心配するんだ。まあ、噴水には落ちちゃったけど。そんなお話をする間に、僕は服をすぽんと脱がせてもらった。

 フィルの服は、紐やボタンがたくさんで難しい。侍女のお姉さんが手伝ってくれた。フィルは上の服を脱いでも、まだいっぱい服がある。お胸やお腹を覆う布を一枚ずつ外して、僕を抱っこした。

「待たせたわね」

「ううん。平気……っしゅん」

 大丈夫だよって言いたかったのに、勝手にくしゃみが出た。今日はしゃっくりもしたし、忙しい。ムズムズして、我慢するより早く出ちゃったの。鼻をずずっと啜り、先に体を洗った。こっそり鼻もちーんして、綺麗にしたよ。

 フィルはこっそり見てたけど、何も言わなかった。侍女のお姉さんがフィルを綺麗にして、僕をフィルが洗う。それから並んで入った。するりと沈む僕を、フィルが抱っこする。

 知らなかった。大きいお胸って浮くんだね。下から押したみたいな形になってるよ。お母さんはならなかった。お胸に触れていいと許してもらったので、そっとほっぺを当てる。

 温かくて柔らかくて、すごく幸せな気分になった。女の人のお胸ってすごいな。フィルはディーの婚約者で、それはいずれ奥さんになるってこと。僕にもわかるよ。

「ディーを好き?」

「そうね。彼の方が私を大好きなのよ」

「そうなの?!」

 お父さんがお母さんをすっごく好きだったのと、同じかも。うんうんと頷く。僕が来てからは、お仕事の間にお茶を運んで会ってたんだって。

「どうして? 僕も一緒がよかった」

「ふふっ、あの人は照れ屋さんなのよ。きっと恥ずかしかったのね」

 恥ずかしくなるようなことをするの? 首を傾げて尋ねたら、フィルはくすくすと笑った。こっそり「内緒よ」と教えてくれたのは、お膝を枕に寝るのが好きなこと。ディーは僕の前では恥ずかしいから、こっそり頭を乗せてたのかな。

 内緒は秘密で、絶対言ったらいけないの。アガリもバラムも、もちろんディーだってダメ。僕の言葉に、フィルも笑った。そうねって頭を撫でてくれる。ディーの大きな手とは違う、不思議な感じだ。

 体がぽかぽかしたら、早めに上がる。そのままでいると、具合が悪くなった。フィルは僕を先に出して、すぐに追いかけてくる。並んで体を拭いた僕は、ディーのお部屋を出て遊ぶときのお部屋に向かう。もちろん、フィルをご招待したよ。

 綺麗なお姉さんを招待するのは、だんじのほまれ! ってお父さんが言ってた。だんじのほまれは分からないけど、きっと凄いことだと思う。ディーのお部屋から廊下に出て、隣のお部屋だった。

 侍女のお姉さんが用意した冷たいお茶を飲みながら、髪を乾かしてもらう。フィルも乾かして、お菓子も食べた。バラムが青い顔で壁際に張り付いている。どうしたんだろう、お腹痛いのかな?
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