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8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~

なかなかぁ~

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「………………ねえ、フウシ、ワチ」


 ミドクの言葉に二人は視線をミドクに向けることはなく、耳だけを傾ける。


「…………この人形ゴーレム、統率がと思わない?」


「ああ、確かに………………」


「……………我も同じことを思っていたぞ、ミドクよ……………」


「……………………………………」


「ちょっ、ミドク、無視しないでよ!!」


 ミドクに無視され、思わず涙目になるワチ。


「………………………つまり、ミドクはこう言いたい訳だな? ──────どこかに、こいつらを取り仕切る司令塔リーダー的存在がいる、と」


「そういうこと」


「フウシまで! 反応してよーーー!!」


 ワチの叫び声が木霊するのだった。



◇◆◇◆◇



「う~ん……………やっぱりの魔物じゃ駄目かぁ~」


 風魔法で岩を浮かせて遊びながらそう言うリミル。一応魔物は強化しているにはしているが、魔力消費を抑えていたのだ。万が一の事が起こった時のために。だが、現状攻めあぐねている。リミルとしては、もう少し攻めこみたい。


「魔力大量に消費しちゃうけど~……………仕方ないかぁ~………」


 リミルはため息をつきながらそう言った。最悪、領地さえ残っていればやりようはある。これ以上魔力を注げば、魔物が正気を保てなくなる。まあ、元々使い捨ての駒に過ぎないのだから、別に構わない。


「よ~し、じゃあ、『hulukanb, bukouy, gantret我と魔物の魔脈を繋げ』!!」


 リミルがそう唱えると大量の魔力が魔物に流れ込むのだった。



◇◆◇◆◇


「───────『切る』!!」


 レクスは少ない魔力で透明な刃を作り出し、魔物に向けて放つ。急所だけを狙った的確な攻撃。いくらスキル『日常動作』が強いとは言え、無駄に使うことはできない。魔物の数が不確定な以上、慎重にいく必要がある。


「────────『強制コントロール』……………」


 エレナは魔法を発動。魔物達が重力によって叩きつけられ、塵となる。


「……………はぁ、はぁ………………」


 エレナの息が荒い。魔力切れが近いのか、それとも体力の限界が近いのか──────どちらにせよ、これはどうにかしなければならない。普段なら休めば済む話だが、今はそんなわけにはいかない。エレナの身体に負担がかかるとは思うが──────


「『回復』!!」


 レクスはエレナに『回復』を使用。エレナの疲れきっていた身体がみるみるうちに回復していく。


「………あり、がと…………レクス」


 エレナはレクスに礼を言った。───────と。


「───────!?」


 目の前の魔物達の目の色が変わった…………ような気がした。魔力の量が増えている。まさか──────というレクスの予想は的中した。


「ガアアアアァァァァ!!」



「ルオオオオォォォォォ──────ン!!」



 魔物達の身体がした。魔物達の身体つきも明らかに変わっていた。控えめに言っても………………やばそうだ。


「くっ…………………!!」


 先程と動きが違う。──────これはまずい。ただでさえ体力の消費が激しいのに───────


「『発散』! 『発散』! 『走る』! 『切る』!」


 少しでも魔物の数を減らすために、スキルを連発するレクス。だが、魔物がなぜか効き目が──────



(…………………ん? いきなり?)


 どこか引っ掛かりを覚えるレクス。そして───────


「──────そういうことか」


 その引っ掛かりの正体にたどり着いたのだった。
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