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8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~
新しい能力
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レクスとイルミは現在、もう一つの家の前に来ていた。中には誰もいる雰囲気はなく、恐らくみんな外出しているのだろう。今のうちに済ませてしまいたいものだ。………とは言うものの。
「な、なんとか魔法陣を見ることは出来たけど…………やっぱり分からないなぁ」
「う~ん…………」
レクスとイルミは難しい顔で考え込んでいた。ハイエルフの言語が相変わらず難解だからである。
『はぁ…………記憶ちゃんが目覚めてくれれば解析も出来るのですがね……………』
どうやら、ネムでも解析出来ないらしい。とはいえ、時間ももうない。色々と試してみるしかない。まずは──────
「『取る!』」
魔法陣を取ってしまえば、いけるのでないか。そう思ったレクスだったが─────
◇既存の言語ではないため、処理できません。このまま実行すれば、多大な負担がかかってしまう恐れがあるため、実行は不可能です
「言語を知らないと取れないってことか……………」
まさか自分のスキルにそんな弱点があったとは……………と少し肩を落とすレクス。まあ、他にも試してみた方がいいだろう。
「『切る』!」
「『投げる』!」
「『取る』!」
結果は全部同じ。全く機能しなかった。既存の言語ではないため─────と表示されるだけ。
「何か、何か手段は……………?」
「レ、レクス……………その、私の『封印』で封印しようか? その魔法陣」
イルミはそう言った。しかし、表情が冴えない。やはり、封印に対してトラウマのようなものがあるのだろう。ここは無理に封印を使わせない方がいいだろう。
「いや…………それは本当に駄目だった時の最終手段。僕がなんとかしてみるから」
レクスはそう言いつつ、熟考する。これといった手段が思い浮かばない。これはまずい───────
『ハイエルフの言語、解析完了しました』
脳内に声が響いてきた。レクスにとっても聞き覚えのないものだった。
『主、主、やっと会えたね!』
そう言って首筋から出てきたのは─────青髪に淡い翡翠の色をした瞳の少年だ。何やら、活発そうな性格だ。
「うわっ、なんか出てきた!?」
イルミもレクスの首筋から出てきた少年の妖精に驚いた。
「……………君は?」
『ぼくは、記憶を司る妖精…………とはちょっと違うんだけど…………まあいいや。まあ、取り敢えず、主の記憶の管理を担当してるんだ』
少年はそう言った。
「……………名前は?」
名前がないと呼びづらい。確か、ネムがさっき記憶ちゃんとか言ってたような気がする。その名前はちょっと呼びづらいのだ。レクス的に。
『う~ん……………そうだなぁ。じゃあ…………あの、主の視覚を司る子─────ネムだっけ? あの子みたいに僕の名前もつけてよ』
妖精の少年にそうお願いされるレクス。レクスは頷きつつ、妖精の少年の名前を真剣に考え始める─────と。
「レ、レクス、まずいよ! 魔法陣が!」
イルミが声をあげる。レクスも慌てて前へ向き直ると─────そこには、魔法陣が既に起動しかけており、淡く光始めている様子があった。
「名前をつけるのは後で。ねえ、そういえばさっき、『ハイエルフの言語、解析しました』って言ったよね? 僕のスキルであの魔法陣を取り除ける!?」
『うん、可能だよ』
「じゃあ、早速──────『取る』!」
レクスは急いでスキルを発動させたのだった。
「な、なんとか魔法陣を見ることは出来たけど…………やっぱり分からないなぁ」
「う~ん…………」
レクスとイルミは難しい顔で考え込んでいた。ハイエルフの言語が相変わらず難解だからである。
『はぁ…………記憶ちゃんが目覚めてくれれば解析も出来るのですがね……………』
どうやら、ネムでも解析出来ないらしい。とはいえ、時間ももうない。色々と試してみるしかない。まずは──────
「『取る!』」
魔法陣を取ってしまえば、いけるのでないか。そう思ったレクスだったが─────
◇既存の言語ではないため、処理できません。このまま実行すれば、多大な負担がかかってしまう恐れがあるため、実行は不可能です
「言語を知らないと取れないってことか……………」
まさか自分のスキルにそんな弱点があったとは……………と少し肩を落とすレクス。まあ、他にも試してみた方がいいだろう。
「『切る』!」
「『投げる』!」
「『取る』!」
結果は全部同じ。全く機能しなかった。既存の言語ではないため─────と表示されるだけ。
「何か、何か手段は……………?」
「レ、レクス……………その、私の『封印』で封印しようか? その魔法陣」
イルミはそう言った。しかし、表情が冴えない。やはり、封印に対してトラウマのようなものがあるのだろう。ここは無理に封印を使わせない方がいいだろう。
「いや…………それは本当に駄目だった時の最終手段。僕がなんとかしてみるから」
レクスはそう言いつつ、熟考する。これといった手段が思い浮かばない。これはまずい───────
『ハイエルフの言語、解析完了しました』
脳内に声が響いてきた。レクスにとっても聞き覚えのないものだった。
『主、主、やっと会えたね!』
そう言って首筋から出てきたのは─────青髪に淡い翡翠の色をした瞳の少年だ。何やら、活発そうな性格だ。
「うわっ、なんか出てきた!?」
イルミもレクスの首筋から出てきた少年の妖精に驚いた。
「……………君は?」
『ぼくは、記憶を司る妖精…………とはちょっと違うんだけど…………まあいいや。まあ、取り敢えず、主の記憶の管理を担当してるんだ』
少年はそう言った。
「……………名前は?」
名前がないと呼びづらい。確か、ネムがさっき記憶ちゃんとか言ってたような気がする。その名前はちょっと呼びづらいのだ。レクス的に。
『う~ん……………そうだなぁ。じゃあ…………あの、主の視覚を司る子─────ネムだっけ? あの子みたいに僕の名前もつけてよ』
妖精の少年にそうお願いされるレクス。レクスは頷きつつ、妖精の少年の名前を真剣に考え始める─────と。
「レ、レクス、まずいよ! 魔法陣が!」
イルミが声をあげる。レクスも慌てて前へ向き直ると─────そこには、魔法陣が既に起動しかけており、淡く光始めている様子があった。
「名前をつけるのは後で。ねえ、そういえばさっき、『ハイエルフの言語、解析しました』って言ったよね? 僕のスキルであの魔法陣を取り除ける!?」
『うん、可能だよ』
「じゃあ、早速──────『取る』!」
レクスは急いでスキルを発動させたのだった。
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