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8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~
珍しいスキル書
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「鍵が一気に増えたね…………」
「うん…………」
ルーパはレクスの言葉に同意した。先程、ティーナが『鍵が落ちたのだ~!』と言って持ってきたのを合わせて十本。未だに使える物は何もないので実質的に荷物が増えるばかり。────と。
「ねえ、あれって宝箱じゃない?」
ミーシャは右の細い通路を指差して言った。細い通路には、確かに宝箱があった。銀色の宝箱。銀色の宝箱だけあって中身もすごいものだったりするのかもしれない。
でも、その前には明らかに魔力反応のようなものが。
「マスター。宝箱の前に魔法陣があります。踏んだら毒矢、毒槍、麻痺弾などなど…………取り敢えず食らったら死にますね」
ネムはそう言った。
(っていうか、そんなに罠があるの!? 宝箱たかだか一個のためだけに…………。絶対取らせる気ないでしょ……………)
レクスは苦笑しながらそんなことを思った。これだけ複雑な罠ではあるが、『守る』が使えればいけそうだ。恐らくではあるが、『守る』は魔力によるスキルではない。『守る』に限らず、『日常動作』というエキストラ自体が。先程のネムの『見る』がその一例だ。大丈夫なはず。
「『守る』!」
レクスは『守る』を発動。すると、透明な障壁がレクスを覆った。どうやら成功したらしい。
レクスは、自分の袋から鍵を取り出すと、その宝箱の元へ。
「レクス、その先は危な─────」
フィオナがそう言おうとした、その時─────
ヴォン!
魔法陣が起動した。多重にも及ぶ魔法陣がレクスを覆い尽くす。フィオナは慌てたが、もう遅い。魔法陣からいくつもの罠が発動し、レクスを襲った。
「レクス!!」
フィオナは叫んで走り出した。しかし、エレナに止められる。
「エレナ、離して、離してってば!」
「……今行ったら…………返って邪魔になる……」
エレナの言葉に、何か引っ掛かりを覚えたフィオナ。
「え? それってどういう…………って」
やがて土煙も晴れ、そこにいたのは─────片手に紙切れのようなものを携えて戻ってこようとしていたレクスだった。
「よ、よかった…………」
もう、驚いたじゃないの…………とほっとするフィオナ。
「全くもう…………心臓に悪いわ」
「ごめんね、フィオナ」
今度は別の意味で心臓に悪い。自分からフィオナと呼んでとは言ったものの、レクスに名前を呼ばれる時は未だにドキッとする。フィオナの頬は、わずかに紅潮した。
「ところでレクス。その紙は?」
カレンがレクスにそう尋ねる。
「ん? ああ、この紙はね…………」
レクスも内容に目を通していないらしく、ざっと目を通す。だいたい理解したのか、顔を上げて。
「とりあえず、何かスキルを覚えられるみたいだよ」
レクスはそう言った。
「スキル? どういうスキルよ?」
ミーシャが首を傾げてレクスに尋ねる。
「さぁ…………この書には『人によって得られるスキルは異なる』って書いてあるし…………」
「…………珍しい、スキル書…………」
「うん…………」
(まあ、スキルはこの際どうでもいいにしても………………。僕はスキル有り余ってるからいらないしね…………)
「そうだ、フィオナ。これ使ってみてよ」
レクスはフィオナに謎のスキル書を投げて渡す。突然渡されたフィオナはあたふたしながらも、何とかキャッチに成功。ふぅ~…………と安堵の息を吐くフィオナ。
「あ、フィオナ、ごめん。つい」
レクスは下に毒の水溜まりがある状況でスキル書を投げて渡した事を詫びた。
「そ、それは別にいいけど…………。そ、その…………本当に私が使っていいの? これ」
フィオナは正直、新しいスキルを手に入れたいと思っている。思ってはいるが…………他のみんなだってこのスキル書を使いたいはず。そう思って辺りを見回すが…………。
「フィオナが、使うといい」
「我はいらないのだ!」
ルーパ、ティーナを始め、みんながフィオナのスキル書使用に賛成してくれた。
「うん…………」
ルーパはレクスの言葉に同意した。先程、ティーナが『鍵が落ちたのだ~!』と言って持ってきたのを合わせて十本。未だに使える物は何もないので実質的に荷物が増えるばかり。────と。
「ねえ、あれって宝箱じゃない?」
ミーシャは右の細い通路を指差して言った。細い通路には、確かに宝箱があった。銀色の宝箱。銀色の宝箱だけあって中身もすごいものだったりするのかもしれない。
でも、その前には明らかに魔力反応のようなものが。
「マスター。宝箱の前に魔法陣があります。踏んだら毒矢、毒槍、麻痺弾などなど…………取り敢えず食らったら死にますね」
ネムはそう言った。
(っていうか、そんなに罠があるの!? 宝箱たかだか一個のためだけに…………。絶対取らせる気ないでしょ……………)
レクスは苦笑しながらそんなことを思った。これだけ複雑な罠ではあるが、『守る』が使えればいけそうだ。恐らくではあるが、『守る』は魔力によるスキルではない。『守る』に限らず、『日常動作』というエキストラ自体が。先程のネムの『見る』がその一例だ。大丈夫なはず。
「『守る』!」
レクスは『守る』を発動。すると、透明な障壁がレクスを覆った。どうやら成功したらしい。
レクスは、自分の袋から鍵を取り出すと、その宝箱の元へ。
「レクス、その先は危な─────」
フィオナがそう言おうとした、その時─────
ヴォン!
魔法陣が起動した。多重にも及ぶ魔法陣がレクスを覆い尽くす。フィオナは慌てたが、もう遅い。魔法陣からいくつもの罠が発動し、レクスを襲った。
「レクス!!」
フィオナは叫んで走り出した。しかし、エレナに止められる。
「エレナ、離して、離してってば!」
「……今行ったら…………返って邪魔になる……」
エレナの言葉に、何か引っ掛かりを覚えたフィオナ。
「え? それってどういう…………って」
やがて土煙も晴れ、そこにいたのは─────片手に紙切れのようなものを携えて戻ってこようとしていたレクスだった。
「よ、よかった…………」
もう、驚いたじゃないの…………とほっとするフィオナ。
「全くもう…………心臓に悪いわ」
「ごめんね、フィオナ」
今度は別の意味で心臓に悪い。自分からフィオナと呼んでとは言ったものの、レクスに名前を呼ばれる時は未だにドキッとする。フィオナの頬は、わずかに紅潮した。
「ところでレクス。その紙は?」
カレンがレクスにそう尋ねる。
「ん? ああ、この紙はね…………」
レクスも内容に目を通していないらしく、ざっと目を通す。だいたい理解したのか、顔を上げて。
「とりあえず、何かスキルを覚えられるみたいだよ」
レクスはそう言った。
「スキル? どういうスキルよ?」
ミーシャが首を傾げてレクスに尋ねる。
「さぁ…………この書には『人によって得られるスキルは異なる』って書いてあるし…………」
「…………珍しい、スキル書…………」
「うん…………」
(まあ、スキルはこの際どうでもいいにしても………………。僕はスキル有り余ってるからいらないしね…………)
「そうだ、フィオナ。これ使ってみてよ」
レクスはフィオナに謎のスキル書を投げて渡す。突然渡されたフィオナはあたふたしながらも、何とかキャッチに成功。ふぅ~…………と安堵の息を吐くフィオナ。
「あ、フィオナ、ごめん。つい」
レクスは下に毒の水溜まりがある状況でスキル書を投げて渡した事を詫びた。
「そ、それは別にいいけど…………。そ、その…………本当に私が使っていいの? これ」
フィオナは正直、新しいスキルを手に入れたいと思っている。思ってはいるが…………他のみんなだってこのスキル書を使いたいはず。そう思って辺りを見回すが…………。
「フィオナが、使うといい」
「我はいらないのだ!」
ルーパ、ティーナを始め、みんながフィオナのスキル書使用に賛成してくれた。
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