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8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~
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「あはははは! 早くしないと、ダンジョンの魔物が溢れ出しちゃうよ!」
大声でそう叫ぶのは妖精族の王、リライ。展望台という露出した場所で、そんなに大声で叫んでいれば、ある程度周囲には響き渡る。周辺の住民も、リライの大きな笑い声に困惑している様子だった。
「レクス………………! それに、あれは──────」
メアは展望台で戦っているメンツを見て、間違いないと確信した。あれは─────レクス達だ。リライに苦戦している様子が見受けられた。このままじゃ、レクス達が………………!
メアは今すぐにでも、助けにいきたい気持ちに駈られる。足を一歩前に踏み出し──────。
『…………………メア。一つ言っておく。─────先走るな』
─────────ッ!
「くっ……………………!!」
ハールが先程言っていた言葉の意味が分かったのか、ギリッ…………! と歯を食い縛って堪えるメア。ハールは、そんなメアの姿を見てうむ、と頷いていた。先走るなという言葉を飲んでくれたことに安堵したのだ。
「………………ひとまず、ダンジョンに戻ろう。その後、各国でダンジョンを捜索する。奴の言う通りなら、何らかの異変があるはずだ」
ハールは冷静な口調でそう言った。いつでもハールは、落ち着いている。
「………………レクス」
メアは後ろ髪引かれる思いでそう呟くと、ハール達と共に妖精族の国の出口へと向かっていく。少人数では、妖精族の王には対抗できない。危険因子を摘んでから、ということだろう。
メアはレクス達の方をチラチラ見ながら心配した。
◇◆◇◆◇
場所は変わって、ガルロアダンジョン。
「────────というわけで、今から魔物を溢れ出させる装置を探しにいこう。デトワール魔法師団、ルーウェイン薬師団を中心に動いてもらいたい」
統括騎士団長代理───────フィアはそう言った。ミハイルが長期間出張に行っているため、代理をつとめているのだ。この場には全団が揃っている。
「─────分かったわ」
「─────まっかせて!」
ウルマスとクヴェタは、それぞれ頷いた。クヴェタはサムズアップしてそう言った。クヴェタは暗い雰囲気を払拭できるムードメーカー的存在だ。
「では、早速取りかかろう。早急に見つけ出そう」
いつもより息巻いた様子でそう言うフィア。早くレクスを助けたいのだろう。しかし、焦るのと急ぐのは違う。フィアもそこら辺はしっかりとわかっているようだ。
「じゃあ、まずはみんなにこれを持っといて欲しい!」
そう言ってみんなに渡したのは、緑色の液体。見た目は回復薬に見えるが………………。
「今みんなに渡したのは、溶解液だよ! どこに装置があるか分からないから、一応って感じかな? 間違っても触らないでね!」
一応注意を促すクヴェタ。勿論、こんなのを即刻飲もうなどという輩はいない。
「では、1階層から10階層毎に散らばって各持ち場へついて! 50階層より下は、私達団長とその他精鋭部隊で行く。準備はいいね?」
フィアの呼び掛けにおおおぉぉぉぉぉ─────! と叫び兵士達。自分に葛を入れている。そして、各持ち場に散らばり始める兵士達。
「私達も下に行こう」
フィアの呼び掛けに各団の団長が応じ、走るフィアの後に続いていく。
「レクス…………! 待っててね、直ぐに助けに行くから…………!」
以前はあの毒蜘蛛女から救ってもらった。次は私の番。私が、窮地からレクスを救ってみせる…………!
でも、まずは街の安全を確保だ。帰れる街がなければ、レクスを迎えられない。
フィアは装置探しに躍起になるのだった。
大声でそう叫ぶのは妖精族の王、リライ。展望台という露出した場所で、そんなに大声で叫んでいれば、ある程度周囲には響き渡る。周辺の住民も、リライの大きな笑い声に困惑している様子だった。
「レクス………………! それに、あれは──────」
メアは展望台で戦っているメンツを見て、間違いないと確信した。あれは─────レクス達だ。リライに苦戦している様子が見受けられた。このままじゃ、レクス達が………………!
メアは今すぐにでも、助けにいきたい気持ちに駈られる。足を一歩前に踏み出し──────。
『…………………メア。一つ言っておく。─────先走るな』
─────────ッ!
「くっ……………………!!」
ハールが先程言っていた言葉の意味が分かったのか、ギリッ…………! と歯を食い縛って堪えるメア。ハールは、そんなメアの姿を見てうむ、と頷いていた。先走るなという言葉を飲んでくれたことに安堵したのだ。
「………………ひとまず、ダンジョンに戻ろう。その後、各国でダンジョンを捜索する。奴の言う通りなら、何らかの異変があるはずだ」
ハールは冷静な口調でそう言った。いつでもハールは、落ち着いている。
「………………レクス」
メアは後ろ髪引かれる思いでそう呟くと、ハール達と共に妖精族の国の出口へと向かっていく。少人数では、妖精族の王には対抗できない。危険因子を摘んでから、ということだろう。
メアはレクス達の方をチラチラ見ながら心配した。
◇◆◇◆◇
場所は変わって、ガルロアダンジョン。
「────────というわけで、今から魔物を溢れ出させる装置を探しにいこう。デトワール魔法師団、ルーウェイン薬師団を中心に動いてもらいたい」
統括騎士団長代理───────フィアはそう言った。ミハイルが長期間出張に行っているため、代理をつとめているのだ。この場には全団が揃っている。
「─────分かったわ」
「─────まっかせて!」
ウルマスとクヴェタは、それぞれ頷いた。クヴェタはサムズアップしてそう言った。クヴェタは暗い雰囲気を払拭できるムードメーカー的存在だ。
「では、早速取りかかろう。早急に見つけ出そう」
いつもより息巻いた様子でそう言うフィア。早くレクスを助けたいのだろう。しかし、焦るのと急ぐのは違う。フィアもそこら辺はしっかりとわかっているようだ。
「じゃあ、まずはみんなにこれを持っといて欲しい!」
そう言ってみんなに渡したのは、緑色の液体。見た目は回復薬に見えるが………………。
「今みんなに渡したのは、溶解液だよ! どこに装置があるか分からないから、一応って感じかな? 間違っても触らないでね!」
一応注意を促すクヴェタ。勿論、こんなのを即刻飲もうなどという輩はいない。
「では、1階層から10階層毎に散らばって各持ち場へついて! 50階層より下は、私達団長とその他精鋭部隊で行く。準備はいいね?」
フィアの呼び掛けにおおおぉぉぉぉぉ─────! と叫び兵士達。自分に葛を入れている。そして、各持ち場に散らばり始める兵士達。
「私達も下に行こう」
フィアの呼び掛けに各団の団長が応じ、走るフィアの後に続いていく。
「レクス…………! 待っててね、直ぐに助けに行くから…………!」
以前はあの毒蜘蛛女から救ってもらった。次は私の番。私が、窮地からレクスを救ってみせる…………!
でも、まずは街の安全を確保だ。帰れる街がなければ、レクスを迎えられない。
フィアは装置探しに躍起になるのだった。
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