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7章 旅行先で
というわけで
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そのあと、森を彷徨っているうちにドワーフの国にたどり着いて、ドワーフ国内を転々として生活していた訳だが…………1年くらい前に遂に資金が尽きて、路上で暮らす羽目になった。
冒険者ギルドに登録しようかと思って行ってみれば、12歳から、又は学生でないと登録できないらしいので、無理だった。少ない資金で食べ物をどうにかして買って食いつないで飢えを凌いだ。
そこを丁度奴ら──────裏オークションを開催している組織─────に目をつけられて、追われていたらしい。一回捕まったそうだが、逃げ出して来たようだ。
「裏オークション組織、か……………」
正直、あまり関わるべき組織ではない。しかし、そこにはアリリルみたいな子がたくさんいるのだろう。聞くところによれば、ドワーフ国では奴隷制度は数年前に廃止されたらしく、今では立派な違法行為である。
「…………レクス、行くんでしょ…………?」
エレナはレクスに小声で言った。
「………………うん」
レクスは奴隷制度とか、そう言った類いの物はあまり好まない。エ、エレナの時は、違いますよ! あれは偶々で…………。 でも…………出来ることなら、あの場にいた奴隷の人達を解放してあげたかったのも事実。あのときの償いって訳じゃないけど…………。
「うまいっ! これも、なんか弾力があって美味しいっ!」
こうやって無垢なアリリルを見ていると──────一人でも多く、犠牲者を減らしたいと思ってしまった。
それに、レクスはアリリルと同じ経験を過去にしたことがあるのだ。一人の辛さは、多少なりとも理解している。
「よし、今夜作戦会議を開こう」
「………………うん………」
エレナはレクスらしいと思いながら、微笑んだ。
◇◆◇◆◇
時刻は夜中。アリリルが寝静まった後。
レクス達はそこそこ広い部屋のある宿をとって、そこで一泊することにしたのだ。レクス達が会議を開こうとしているベッドとは違う、もう片方のベッドでアリリルは寝ていた。
「まずは一言謝らせてもらっていいかな。みんな、観光目的でドワーフの国に来たのに、こんなことに首を突っ込んでごめんっ」
レクスが両手を合わせて謝った。声を出しすぎるとアリリルが起きてしまうため、小声で話している。
「いいよ、全然」
「サクッと解決して、観光にしようよ」
カレン、ミアがそんなことを言った。レクスは、そんな2人の発言に苦笑していた。
「えっと…………じゃあ、取り敢えず会議を始めるよ。それで、まずはアジトを突き止める所からなんだけど─────」
「…………それなら、大丈夫…………。……大体割り出せた…………」
そう言ってエレナは、魔法袋から、指輪を取り出した。それは、あのサングラスの男がしていた指輪─────。
「…………あっ、間違えた…………」
ではなく、レクスがカーラの店で購入した指輪だった。エレナは、赤面しながら慌てて別の指輪を取り出した。その様子に一同は苦笑した。
「…………この指輪と、同じ魔力反応を辿った…………。…………全部で6ヶ所ってところ………」
「そんなに大きい組織が暗躍してたなんて…………どうして誰も気づかなかったのかしら?」
「みんな、見てみぬ振りをしたんじゃないかな。下手に関わって自分の身を危険には晒したくはないだろうし」
ミーシャの言葉に、レクスはそう返した。それと同時に、ギリッ…………! と歯噛みした。その表情は、悔しそうだ。暫くして、何とか気持ちを切り替えたレクスは、会議を続けた。
「………………アジトは全部で6ヶ所。僕達は、レインを合わせれば7。そうだね…………ミア、レインとペアでアジトに潜入ね。他は一人で1ヶ所ずつ」
レクスの言葉に、それぞれ頷き返した。
「───────残らず叩き潰そう」
レクスは決意のこもった言葉を口にした。
冒険者ギルドに登録しようかと思って行ってみれば、12歳から、又は学生でないと登録できないらしいので、無理だった。少ない資金で食べ物をどうにかして買って食いつないで飢えを凌いだ。
そこを丁度奴ら──────裏オークションを開催している組織─────に目をつけられて、追われていたらしい。一回捕まったそうだが、逃げ出して来たようだ。
「裏オークション組織、か……………」
正直、あまり関わるべき組織ではない。しかし、そこにはアリリルみたいな子がたくさんいるのだろう。聞くところによれば、ドワーフ国では奴隷制度は数年前に廃止されたらしく、今では立派な違法行為である。
「…………レクス、行くんでしょ…………?」
エレナはレクスに小声で言った。
「………………うん」
レクスは奴隷制度とか、そう言った類いの物はあまり好まない。エ、エレナの時は、違いますよ! あれは偶々で…………。 でも…………出来ることなら、あの場にいた奴隷の人達を解放してあげたかったのも事実。あのときの償いって訳じゃないけど…………。
「うまいっ! これも、なんか弾力があって美味しいっ!」
こうやって無垢なアリリルを見ていると──────一人でも多く、犠牲者を減らしたいと思ってしまった。
それに、レクスはアリリルと同じ経験を過去にしたことがあるのだ。一人の辛さは、多少なりとも理解している。
「よし、今夜作戦会議を開こう」
「………………うん………」
エレナはレクスらしいと思いながら、微笑んだ。
◇◆◇◆◇
時刻は夜中。アリリルが寝静まった後。
レクス達はそこそこ広い部屋のある宿をとって、そこで一泊することにしたのだ。レクス達が会議を開こうとしているベッドとは違う、もう片方のベッドでアリリルは寝ていた。
「まずは一言謝らせてもらっていいかな。みんな、観光目的でドワーフの国に来たのに、こんなことに首を突っ込んでごめんっ」
レクスが両手を合わせて謝った。声を出しすぎるとアリリルが起きてしまうため、小声で話している。
「いいよ、全然」
「サクッと解決して、観光にしようよ」
カレン、ミアがそんなことを言った。レクスは、そんな2人の発言に苦笑していた。
「えっと…………じゃあ、取り敢えず会議を始めるよ。それで、まずはアジトを突き止める所からなんだけど─────」
「…………それなら、大丈夫…………。……大体割り出せた…………」
そう言ってエレナは、魔法袋から、指輪を取り出した。それは、あのサングラスの男がしていた指輪─────。
「…………あっ、間違えた…………」
ではなく、レクスがカーラの店で購入した指輪だった。エレナは、赤面しながら慌てて別の指輪を取り出した。その様子に一同は苦笑した。
「…………この指輪と、同じ魔力反応を辿った…………。…………全部で6ヶ所ってところ………」
「そんなに大きい組織が暗躍してたなんて…………どうして誰も気づかなかったのかしら?」
「みんな、見てみぬ振りをしたんじゃないかな。下手に関わって自分の身を危険には晒したくはないだろうし」
ミーシャの言葉に、レクスはそう返した。それと同時に、ギリッ…………! と歯噛みした。その表情は、悔しそうだ。暫くして、何とか気持ちを切り替えたレクスは、会議を続けた。
「………………アジトは全部で6ヶ所。僕達は、レインを合わせれば7。そうだね…………ミア、レインとペアでアジトに潜入ね。他は一人で1ヶ所ずつ」
レクスの言葉に、それぞれ頷き返した。
「───────残らず叩き潰そう」
レクスは決意のこもった言葉を口にした。
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