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6章 突如、領地経営へ

ネクルス、捕獲

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「小天使ネクルスを投獄しました」




「そうか、ご苦労だった。いつも悪いな、面倒事を押し付けて。奴の処罰の件は、後で決める」




「いえ、アルマ様の為なら、どんなことでも致します」




 ミレンヌは、そう言いながら深々と頭を垂れた。アルマに忠誠を誓っているのだ。




 天使達にも人間や亜人族と同じように、派閥があるのだ。現在、その派閥は3つ。ミレンヌは、下界に積極的に干渉せずに見守る立場の方に賛同している。





「ミレンヌ、これは悪い情報だが────近々奴が復活するかもしれない」




「………………奴ですか? 復活は、まだまだ数百年先の筈ですが…………」




「何者かは知らんが──────奴を復活させようと目論んでいる奴らが、裏で動いているらしい。私も、まだ詳細は掴めていない」




 難しい顔でそう言うアルマ。





「ま、まさか…………。奴を復活させるなんてアルマ様と同じ大天使でもないと──────」




 奴は、天界にいる5人の大天使によって封印された。その中に、奴を復活させようと目論んでる奴がいるっていうの?




「そうだ。私と同じ大天使、もしくは────上位個体である神でもない限り、不可能な芸当だ」





 そうだ。神の可能性も十分考えられる。私としたことが…………見落としていたわ…………。





「あの人間ヒューマン達には、迷惑をかけたみたいだし、何かお詫びをせねばな…………」




 うーん…………とアルマは、唸りながら考えるのだった。



◇◆◇◆◇


 翌日─────。





 レクス達が、証拠を提示したことで、犯罪組織と裏で繋がっている事がばれて、ルミリア騎士伯が連行された。勿論、メイドの少女達も。




 選挙の方は、有力候補だったフォック男爵とレリック子爵も、不正を行っていた事が発覚して、全員脱落した。そこで、誰を有力候補にしようかと考えた所─────。




「なんでこんなことに…………」





 なんと、フィアの妹─────メアに白羽の矢が立ったのだ。メアは今、王宮の皇女の側近専用の部屋にいる。



 当初はまだ野心も少なからずあったメアだが、今となってはもはや一欠片もない。ただただ面倒なだけである。



 
「あの場面で断れる訳ないですよ…………」




 皇女に急遽呼び出されたメアは、どうしたものかと思ったのだが─────。






『メア、病気の方、治ったって話は耳にしたわ。完治おめでとう』




『はい、ありがとうございます、ヴァンナ様』




 本当は呪いのせいなのだが、メイドが自分の身を思って仕方なくやったことなので、対外的には病気が治ったということにしたのだ。





『そんな貴女に、お願いがあるんだけど───私の側近になってくれないかしら?』




『うっ…………側近、ですか………』




 メアは周りを見渡して見る。周りには、他の貴族達もおり、ヴァンナ様自らご指名するとは…………。あの少女はさぞ優秀なのでしょうな、などと囁かれており、メアが容易に断れない雰囲気が醸し出されていた。





『はぁ…………。分かりました、側近になりましょう』




 メアは皇女に聞こえないように小さく溜め息をつきながらそう答えた。












 ──────というような出来事があって、メアのテンショはかつてないほどに落ちていた。もう、お姉さまにも当分会えない…………そう思うと、余計に気分がどんよりとする。─────と。






「メアさん、メアさん」




「─────わっ!?」





 声のした方を見れば、そこにはレクスがいた。





「………ふぅ…………やっと繋げた…………」




 続いて、エレナ達も出てきた。そこには、黒くぽっかりと空いた穴があった。






「メアさん、エレナが繋いでくれたから、僕の屋敷に来れるようになったよ。あ、あと、一応フィアさんの屋敷にも繋いでおいたよ」



「え、え?」


 
 困惑するメア。そんなメアに、レクスはそう言いながら、2つの色の違う水晶を取り出してメアに渡した。





「こ、これは…………?」




「赤の水晶が僕の屋敷で、青の水晶がフィアさんの屋敷ね。来たいときに魔力を通せば、いつでも来れるから」



 レクスの言葉を聞いたメアは、今まで落ち込んでいた気分が一気に晴れてテンションマックスになった。しかし、すぐにハッとしたような表情になる。





「べ、別に感謝なんかしてないですよ!? で、でも…………ありがとうございます」





 どこまでも素直になれないメアであった。



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