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4章
Part 346『下世話』
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「はぁ、なるほどなぁ。咲いちまったのか。」
師匠の家に来て乱丸と椿、俺とサクヤでお茶を飲んでいた。
乱丸は話を聞いて少し同情するような表情を浮かべていた。
「そりゃあ災難だったな。こればっかりは、運が悪かったとしか言いようがない。ただ、お互いが無事で良かったじゃねぇか。」
「確かにそれだけが救いですね。」
あの状況で無事でいられたのは、奇跡的だった。自分の未来の更に未来の技量を自分自身に宿し戦う離れ業をしてなんとか時間を稼ぎ、サクヤが庇ってくれなければ、確実に命を落としていた。
もっとも、妖刀の連続使用は負担が大きすぎるので、下手をすれば死んでいたかもしれない。
「それよりも挨拶なんてしてて良いのか? 残りの日は少ないんだろ?」
「はい。もう数日ですかね。」
「警告。マスター、すぐにサクヤさんをどこか楽しい場所に連れて行くべきです。こんな山に連れてくるべきではありません。」
今まで黙っていた椿は、淡々とした口調でそう言った。
「とりあえず、連絡はしといた方がいいかと思ってさ。サクヤもきちんと挨拶はしておきたいって言ってたしな。」
「はい。椿さんともお話したかったので、同じロボット好きとして」
「・・・・・・了解。じゃあ、サクヤさん。私がこっそり家の一室に作ったコレクションルームに招待します。」
「え!? 良いんですか?」
「ああ、俺のことは気にしなくて良いから、見せてもらってきなよ。」
流石にサクヤほど趣味に傾倒していないので、ついて行っても置いてけぼりにされるだろう。
「じゃあ、ちょっと見せてもらってきますね。」
そう言ってサクヤと椿は家の奥へと消えて行く。
「そういえば、篝さんは?」
「おやっさんは、作品を作ってるぞ。」
「・・・・・・え? 引退は?」
「全然、保たなかった。仕事中毒がそんなすぐに辞めれるかよ。」
「何日?」
「二日」
「休暇じゃねぇか!」
本当に全然保ってない。ただの小休止だ。乱丸の言っていた通りの結果になった。
ここまで早いと思っていなかったが、らしいと言えばらしい。
まあ、篝さんがもう呪具を作らないのはもったいないとは思っていたので、それ自体は良いんだけど・・・・・・
「なんだろうな。この納得いかない感じ」
そういうと乱丸は、声を出して笑った。自分も同じ気持ちだったようで「わかるぞ」と頷いた。
「まあ、それはそれとして、もう一つ聞いておきたい事があるんだよ。」
「なんだよ。サクヤとどこまでいったか以外なら答えるけど」
「・・・・・・・・・・・」
「いや、それなのかよ!」
この男、相変わらずそればっかりだ。
「やることやったのかだけ聞きたい。」
「教えない。」
「なんだ。その余裕そうな態度は!? やったのか? やったんだな!? どこまでだ? どこまでいったんだ!?」
「なんなんだ。そのノリは、そんなんだからモテないんだぞ。」
「顔は良いからナンパは成功するぞ」
「地獄に落ちろ。」
しれっと腹の立つことを言ってくる乱丸にそう吐き捨ててサクヤが帰ってくるのを待った。
師匠の家に来て乱丸と椿、俺とサクヤでお茶を飲んでいた。
乱丸は話を聞いて少し同情するような表情を浮かべていた。
「そりゃあ災難だったな。こればっかりは、運が悪かったとしか言いようがない。ただ、お互いが無事で良かったじゃねぇか。」
「確かにそれだけが救いですね。」
あの状況で無事でいられたのは、奇跡的だった。自分の未来の更に未来の技量を自分自身に宿し戦う離れ業をしてなんとか時間を稼ぎ、サクヤが庇ってくれなければ、確実に命を落としていた。
もっとも、妖刀の連続使用は負担が大きすぎるので、下手をすれば死んでいたかもしれない。
「それよりも挨拶なんてしてて良いのか? 残りの日は少ないんだろ?」
「はい。もう数日ですかね。」
「警告。マスター、すぐにサクヤさんをどこか楽しい場所に連れて行くべきです。こんな山に連れてくるべきではありません。」
今まで黙っていた椿は、淡々とした口調でそう言った。
「とりあえず、連絡はしといた方がいいかと思ってさ。サクヤもきちんと挨拶はしておきたいって言ってたしな。」
「はい。椿さんともお話したかったので、同じロボット好きとして」
「・・・・・・了解。じゃあ、サクヤさん。私がこっそり家の一室に作ったコレクションルームに招待します。」
「え!? 良いんですか?」
「ああ、俺のことは気にしなくて良いから、見せてもらってきなよ。」
流石にサクヤほど趣味に傾倒していないので、ついて行っても置いてけぼりにされるだろう。
「じゃあ、ちょっと見せてもらってきますね。」
そう言ってサクヤと椿は家の奥へと消えて行く。
「そういえば、篝さんは?」
「おやっさんは、作品を作ってるぞ。」
「・・・・・・え? 引退は?」
「全然、保たなかった。仕事中毒がそんなすぐに辞めれるかよ。」
「何日?」
「二日」
「休暇じゃねぇか!」
本当に全然保ってない。ただの小休止だ。乱丸の言っていた通りの結果になった。
ここまで早いと思っていなかったが、らしいと言えばらしい。
まあ、篝さんがもう呪具を作らないのはもったいないとは思っていたので、それ自体は良いんだけど・・・・・・
「なんだろうな。この納得いかない感じ」
そういうと乱丸は、声を出して笑った。自分も同じ気持ちだったようで「わかるぞ」と頷いた。
「まあ、それはそれとして、もう一つ聞いておきたい事があるんだよ。」
「なんだよ。サクヤとどこまでいったか以外なら答えるけど」
「・・・・・・・・・・・」
「いや、それなのかよ!」
この男、相変わらずそればっかりだ。
「やることやったのかだけ聞きたい。」
「教えない。」
「なんだ。その余裕そうな態度は!? やったのか? やったんだな!? どこまでだ? どこまでいったんだ!?」
「なんなんだ。そのノリは、そんなんだからモテないんだぞ。」
「顔は良いからナンパは成功するぞ」
「地獄に落ちろ。」
しれっと腹の立つことを言ってくる乱丸にそう吐き捨ててサクヤが帰ってくるのを待った。
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