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4章
Part 269『まるでバカップルみたいじゃないですか』
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これはまずい事になった。冷たい嫌な汗が体から出ているような気がする。
これはなかった事にしよう。気づいていないフリをして誤魔化そう。
「さて、じゃあ、ご飯食べよう。いやぁ、楽しみだなぁ。サクヤが丹精込めて作ってくれたんだろ?」
「はい。日向さんが喜んでくれると思って作ったんです。」
そう言って笑顔で答えてくれる。しかし、背後に怒気が溢れ出しているような気がする。
「い、いやぁ、俺は幸せ者だなぁ。じゃあ、行こうか。」
「日向さん」
俺が部屋を出て行こうとすると背後からサクヤが俺を呼び止める。
「これ・・・・・・なんですか?」
放置された水着美女をサクヤは持ち上げて俺に問いかける。
「え、何? そんなのどこにあったの?」
「日向さん、私の目の前で削ってたじゃないですか!」
惚けてみたが流石に信用してくれなかった。いや、これは、俺が適当に言い訳し過ぎた。
「それは、あれだよ。ウチガネさんが残したんだよ。傷が付いてたから直したんだ。」
「ケモミミが付いてないのにウチガネさんの訳ないじゃないですか。」
「そりゃあ、そうだったわ。」
盲点・・・・・・あの人、ケモミミかケモミミじゃないかが第一条件だった。
「どうして、嘘をつくんですか? 日向さん・・・・・・もしかして、浮気・・・・・・?」
「そんな訳ないだろ。俺はサクヤの事が一番好きだよ。」
俺が真剣にそう答えると少し面食らった様にサクヤは、固まってしばらくして、顔を赤くした。
「うぅ・・・・・・じゃあ、この女性は二番なんですか? やっぱり、胸ですか。確かに大っきいですもんね。」
確かにグラビアアイドルだけあってスタイルは抜群だ。
「いや、これは課題で出されて・・・・・・ほら、作る作品の作業って立体感が大事だからグラビアアイドルを立体的に作ってたんだ。」
変に誤解されるよりも正直に話した方が得策だと思い俺は、全てをそのまま説明する。
「なるほど、それで、グラビアアイドルを・・・・・・え、なんでグラビアアイドルなんですか?」
「いや、本当にな・・・・・・」
当然の疑問である。というか、俺も疑問だ。
「やっぱり、胸の大きい人が好きだから選んだんじゃないですか?」
「違う! 俺の意思で選んだんじゃない!」
「男の本能ですか?」
「いや、本能的に選んだとかいう意味じゃないから! これは、俺の師匠がやれって言ったんだよ!」
「デフォルメされたクマとかを課題に出す人がいきなりこんなセクシーなお題にする訳ないです。」
「凄い割と説得力がある! いや、ほんとなんだって!」
「立体なら何でも良いならグラビアアイドルじゃなくても良いじゃないですか。私が胸が大きくなればいいんですか!」
「いや、サクヤはそのままで十分可愛いから大丈夫」
「っ・・・・・・さっきから、褒めないでください! 照れてちゃんと怒れないじゃないですか!」
「あ、今、ちょっとキュンときた。」
怒ってる様な照れている様な表情をサクヤは浮かべる。可愛いな。俺の彼女・・・・・・
「分かった。お題変えてもらうよ。どうしようかな。犬とか猫の方がいいのかな・・・」
「あの・・・・・・私じゃダメですか?」
「いや、だから、サクヤの事が一番好きだよ。ほんと、この事に関しては嘘は言わない。」
「あの、そうじゃなくて、モデルです。」
そう言われて言っている意味を理解する。グラビアモデルの代わりにサクヤを作れと言っているのか。
まるで、バカップルみたいだなぁと思いながらも、今後、変な誤解を生むよりは良いかもしれないと考える。
作業内容自体は、変わらないし、見知らぬグラビアアイドルよりも好きな子の方がやる気は出るかもしれない。手も抜けないところが良い。
「分かった。今度からサクヤを作るよ。」
「ほんとですか!? 嬉しいです!」
そう言ってサクヤは、グラビアアイドルの石像を握りしめながら喜ぶ。
早くその子を隠さないと変な誤解が生まれてしまう。二次被害を生み出さないためにもすぐに隠蔽しないと。
そう思ったその時「何してるんっすか~ご飯冷めちゃうっすよ~」と呑気な声を出しながらコンがこちらにやってきた。
そして、すぐに俺とサクヤ、そして、サクヤの手元にあるグラビアアイドルの人形を見て何かを理解したのかコンは笑顔を浮かべた。
「やっぱり、峰さんは、胸派っすよね! 信じてたっすよ!」
そう言って俺に親指を立てて目を輝かせていた。その親指を反対側に曲げてやろうかと思った。
これはなかった事にしよう。気づいていないフリをして誤魔化そう。
「さて、じゃあ、ご飯食べよう。いやぁ、楽しみだなぁ。サクヤが丹精込めて作ってくれたんだろ?」
「はい。日向さんが喜んでくれると思って作ったんです。」
そう言って笑顔で答えてくれる。しかし、背後に怒気が溢れ出しているような気がする。
「い、いやぁ、俺は幸せ者だなぁ。じゃあ、行こうか。」
「日向さん」
俺が部屋を出て行こうとすると背後からサクヤが俺を呼び止める。
「これ・・・・・・なんですか?」
放置された水着美女をサクヤは持ち上げて俺に問いかける。
「え、何? そんなのどこにあったの?」
「日向さん、私の目の前で削ってたじゃないですか!」
惚けてみたが流石に信用してくれなかった。いや、これは、俺が適当に言い訳し過ぎた。
「それは、あれだよ。ウチガネさんが残したんだよ。傷が付いてたから直したんだ。」
「ケモミミが付いてないのにウチガネさんの訳ないじゃないですか。」
「そりゃあ、そうだったわ。」
盲点・・・・・・あの人、ケモミミかケモミミじゃないかが第一条件だった。
「どうして、嘘をつくんですか? 日向さん・・・・・・もしかして、浮気・・・・・・?」
「そんな訳ないだろ。俺はサクヤの事が一番好きだよ。」
俺が真剣にそう答えると少し面食らった様にサクヤは、固まってしばらくして、顔を赤くした。
「うぅ・・・・・・じゃあ、この女性は二番なんですか? やっぱり、胸ですか。確かに大っきいですもんね。」
確かにグラビアアイドルだけあってスタイルは抜群だ。
「いや、これは課題で出されて・・・・・・ほら、作る作品の作業って立体感が大事だからグラビアアイドルを立体的に作ってたんだ。」
変に誤解されるよりも正直に話した方が得策だと思い俺は、全てをそのまま説明する。
「なるほど、それで、グラビアアイドルを・・・・・・え、なんでグラビアアイドルなんですか?」
「いや、本当にな・・・・・・」
当然の疑問である。というか、俺も疑問だ。
「やっぱり、胸の大きい人が好きだから選んだんじゃないですか?」
「違う! 俺の意思で選んだんじゃない!」
「男の本能ですか?」
「いや、本能的に選んだとかいう意味じゃないから! これは、俺の師匠がやれって言ったんだよ!」
「デフォルメされたクマとかを課題に出す人がいきなりこんなセクシーなお題にする訳ないです。」
「凄い割と説得力がある! いや、ほんとなんだって!」
「立体なら何でも良いならグラビアアイドルじゃなくても良いじゃないですか。私が胸が大きくなればいいんですか!」
「いや、サクヤはそのままで十分可愛いから大丈夫」
「っ・・・・・・さっきから、褒めないでください! 照れてちゃんと怒れないじゃないですか!」
「あ、今、ちょっとキュンときた。」
怒ってる様な照れている様な表情をサクヤは浮かべる。可愛いな。俺の彼女・・・・・・
「分かった。お題変えてもらうよ。どうしようかな。犬とか猫の方がいいのかな・・・」
「あの・・・・・・私じゃダメですか?」
「いや、だから、サクヤの事が一番好きだよ。ほんと、この事に関しては嘘は言わない。」
「あの、そうじゃなくて、モデルです。」
そう言われて言っている意味を理解する。グラビアモデルの代わりにサクヤを作れと言っているのか。
まるで、バカップルみたいだなぁと思いながらも、今後、変な誤解を生むよりは良いかもしれないと考える。
作業内容自体は、変わらないし、見知らぬグラビアアイドルよりも好きな子の方がやる気は出るかもしれない。手も抜けないところが良い。
「分かった。今度からサクヤを作るよ。」
「ほんとですか!? 嬉しいです!」
そう言ってサクヤは、グラビアアイドルの石像を握りしめながら喜ぶ。
早くその子を隠さないと変な誤解が生まれてしまう。二次被害を生み出さないためにもすぐに隠蔽しないと。
そう思ったその時「何してるんっすか~ご飯冷めちゃうっすよ~」と呑気な声を出しながらコンがこちらにやってきた。
そして、すぐに俺とサクヤ、そして、サクヤの手元にあるグラビアアイドルの人形を見て何かを理解したのかコンは笑顔を浮かべた。
「やっぱり、峰さんは、胸派っすよね! 信じてたっすよ!」
そう言って俺に親指を立てて目を輝かせていた。その親指を反対側に曲げてやろうかと思った。
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