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3章
Part 223 『帰宅』
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帰宅しながらもお説教は続いた。相変わらず首ねっこを掴まれ、運ばれる俺を妖怪達に見られて恥ずかしい思いをしているので、ある意味これも罰だった。
お説教の内容は以下の通りだ。
スープ・・・・・・『リューから貰った帰還アイテムがあるんですから、すぐに使ってください。』
魚料理・・・・・・『今回は良かったですけど、護衛もいない状況で危険な行動をしないでください』
口直し・・・・・・『ただ、それ以前に私の不甲斐なさで護衛が出来ず、すみませんでした。』
肉料理・・・・・・『一歩間違えれば、罪人として殺されていたかもしれない自覚を持ってください。』
大体、こんなメニューだった。真冬さんとしても、戦っている最中に拉致されるとは、思ってもみなかったらしい。
あの段階では、餓狼衆の目的は分からなかったので仕方ない事ではあるのだが・・・・・・。
それに関しては、仕事をこなせなかった事を非常に反省していた様で真摯に謝ってくれた。
ただ、結果オーライというか、なんだかんだ、拉致されたおかげで鏡も手に入り無事に帰れたのでむしろ、そこまで謝罪されるとこちらも申し訳ない気持ちになる。
「まあ、これで十分、怒りましたし、デザートは、帰ったら存分に食べてください。私が出すデザートより甘い方が好きでしょう?」
真冬さんは冗談交じりに微笑んだ。なるほど、デザートってそういう。
「そうですね。まあ、その前に謝らないと・・・・・・いっぱい心配させましたし・・・・・・」
「そうしてください。外に出ることも満足に出来なかったんです。ただ待つことだけしか出来ないのは、本当に辛い事ですよ。」
「とりあえず、鬼島の方々にも、謝らないといけないですね。そういえば、他の皆さんは怪我とかは大丈夫だったんですか?」
「大丈夫です。三勝一敗一引き分けといったところでしたが・・・・・・。まだ、キズキは少し怪我の状態が残ってますが動けないほどではないです。他の子達も大きな怪我はしてません。」
「なるほど、なら良かったです。」
実際、致命傷になって鬼達の過剰な怒りを買いたくなかった餓狼衆としては、全力ではあっただろうが、死に至る様なものではなかったはずなので概ね予想通りである。
「さて、もうすぐ着きますよ・・・・・・あ、どうやら、お迎えみたいですね。」
鬼島の屋敷が見えてくると真冬さんは、微笑んだ。その視線を追うと鬼島の門でこちらを見ているサクヤの姿があった。
真冬さんは、スピードを上げてすぐに門の前に移動する。目が回っている俺をそのまま立たせると「それじゃあ、邪魔者は退散しますね。」と屋敷の中に入っていった。
「日向さん・・・・・・おかえりなさい。」
サクヤは、俺にそう言うと泣きそうになりながら微笑んだ。ホッとした様なその表情は、どれだけ心配をかけたのか実感した。
「ただいま。心配かけてごめん」
俺は、サクヤを抱きしめた。やっと、長いお使いが終わったのだ。そう実感した。
お説教の内容は以下の通りだ。
スープ・・・・・・『リューから貰った帰還アイテムがあるんですから、すぐに使ってください。』
魚料理・・・・・・『今回は良かったですけど、護衛もいない状況で危険な行動をしないでください』
口直し・・・・・・『ただ、それ以前に私の不甲斐なさで護衛が出来ず、すみませんでした。』
肉料理・・・・・・『一歩間違えれば、罪人として殺されていたかもしれない自覚を持ってください。』
大体、こんなメニューだった。真冬さんとしても、戦っている最中に拉致されるとは、思ってもみなかったらしい。
あの段階では、餓狼衆の目的は分からなかったので仕方ない事ではあるのだが・・・・・・。
それに関しては、仕事をこなせなかった事を非常に反省していた様で真摯に謝ってくれた。
ただ、結果オーライというか、なんだかんだ、拉致されたおかげで鏡も手に入り無事に帰れたのでむしろ、そこまで謝罪されるとこちらも申し訳ない気持ちになる。
「まあ、これで十分、怒りましたし、デザートは、帰ったら存分に食べてください。私が出すデザートより甘い方が好きでしょう?」
真冬さんは冗談交じりに微笑んだ。なるほど、デザートってそういう。
「そうですね。まあ、その前に謝らないと・・・・・・いっぱい心配させましたし・・・・・・」
「そうしてください。外に出ることも満足に出来なかったんです。ただ待つことだけしか出来ないのは、本当に辛い事ですよ。」
「とりあえず、鬼島の方々にも、謝らないといけないですね。そういえば、他の皆さんは怪我とかは大丈夫だったんですか?」
「大丈夫です。三勝一敗一引き分けといったところでしたが・・・・・・。まだ、キズキは少し怪我の状態が残ってますが動けないほどではないです。他の子達も大きな怪我はしてません。」
「なるほど、なら良かったです。」
実際、致命傷になって鬼達の過剰な怒りを買いたくなかった餓狼衆としては、全力ではあっただろうが、死に至る様なものではなかったはずなので概ね予想通りである。
「さて、もうすぐ着きますよ・・・・・・あ、どうやら、お迎えみたいですね。」
鬼島の屋敷が見えてくると真冬さんは、微笑んだ。その視線を追うと鬼島の門でこちらを見ているサクヤの姿があった。
真冬さんは、スピードを上げてすぐに門の前に移動する。目が回っている俺をそのまま立たせると「それじゃあ、邪魔者は退散しますね。」と屋敷の中に入っていった。
「日向さん・・・・・・おかえりなさい。」
サクヤは、俺にそう言うと泣きそうになりながら微笑んだ。ホッとした様なその表情は、どれだけ心配をかけたのか実感した。
「ただいま。心配かけてごめん」
俺は、サクヤを抱きしめた。やっと、長いお使いが終わったのだ。そう実感した。
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