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3章
Part 132『初デート』
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「なんか、こうして二人で行動するのって久しぶりだな。」
適当に町をぶらつきながら、俺達は歩いていく。すれ違うのは、人間ではなく妖怪な以外は、少し田舎の町のようだ。
「そうですね。遊園地には行きましたけど、あの時は、他の方がいましたからね。」
「まあ、せっかくの時間なんだしさ。楽しくやろうぜ。今は、時間制限もないし、どこにだって行けるんだから」
今までなら、一日以上は、桜の木から離れられないという事もあって、行動に少し制限があったので、こうして気にせず行動出来る遠出というのは今回が初めてだった。
「でも、初デートが精霊とだなんて、予想もしてなかったな。」
「これってデートなんですか?」
そうやって、本気で尋ねてこられると、勝手に思い込んでるだけの人みたいで少し不安になる。
「デートだろ。両想いでこうして、観光してるんだから」
俺はそう言って自分の正当性を確認する。間違いなくデートだ。手も繋いでいて、お互いの距離がかなり近い。
「そうですよね。デート・・・・・・本来なら桜の木から離れることが出来なかったはずの私が、こうして、峰さんとデートすることになるなんて、私も驚きです。」
「まあ、人生何が起こるかわかんないって事だな・・・・・・」
彼女は人ではなく精霊なので精霊生とでもいうべきなのかもしれないが、語呂が悪いな・・・・・・妖生の方が語感はいいかもしれない。さして、そこに関しては重要ではないのだが。
「そうですね。ところで、デートって他に何をすればいいんですか?」
「そりゃあ、デートってのは、一緒に散歩したり、一緒にご飯食べたり、後、熱々なカップルは、食べさせあいをしたりとか・・・・・・」
そんな話をしながら俺はふと衝撃の事実に気づいてしまう。
あれ? 前からちょくちょくやってないか・・・・・・?
考えてみれば、一緒に散歩も、ご飯も食べさせあいも、サクヤが箸を使えな買ったという理由はあるけれど、やっている。
サクヤもその事実に気づいたようで「それ、普段の私達と何か違いますか?」と質問をしてくる。
そう、実はすでにデートっぽい事はしていたのだ。今、気づいた。
「つまり、俺達、前々から付き合ってたんだよ!」
「え、そうなんですか!?」
「そんな訳はないんだけどな。」
結局、付き合ったと言ってもする事というのは、仲のいい友人とする事と大して変わらないような気がする。
肉体関係はやはり恋人同士持つ事はあるだろうけれど、それが全てではないはずだ。
四六時中恋人同士だからと言って行為をしている訳ではないのだから、それだけではない。
デートにしたって友人とだって買い物に行くし、ご飯も食べる。だからこそ、特別な行為を探すんじゃないのかもしれない。もちろん、手を繋いだりするのは、俺としても恋人っぽくて良いけれど、無理にするものでもないのだと思う。
「多分さ。気持ちが違うんだよ。」
「気持ちですか?」
「好きな子と一緒に色んなことをしたいって思うからデートは特別なんだと思う。こうして、手を握って歩くだけでも俺は、嬉しいしやっぱり、好きなんだなって思う。」と言って何を恥ずかしい事を真正面から言っているんだと言った後に気づく。
「ま、まあ、折角なんだ。色々、見て回ろうぜ! 面白いものも色々あるだろうしさ!」
見渡せば、甘味処や服屋、雑貨屋など、退屈しなさそうなラインナップだ。
俺は、話題を変えるようにサクヤの手を引いて店へと入っていった。
適当に町をぶらつきながら、俺達は歩いていく。すれ違うのは、人間ではなく妖怪な以外は、少し田舎の町のようだ。
「そうですね。遊園地には行きましたけど、あの時は、他の方がいましたからね。」
「まあ、せっかくの時間なんだしさ。楽しくやろうぜ。今は、時間制限もないし、どこにだって行けるんだから」
今までなら、一日以上は、桜の木から離れられないという事もあって、行動に少し制限があったので、こうして気にせず行動出来る遠出というのは今回が初めてだった。
「でも、初デートが精霊とだなんて、予想もしてなかったな。」
「これってデートなんですか?」
そうやって、本気で尋ねてこられると、勝手に思い込んでるだけの人みたいで少し不安になる。
「デートだろ。両想いでこうして、観光してるんだから」
俺はそう言って自分の正当性を確認する。間違いなくデートだ。手も繋いでいて、お互いの距離がかなり近い。
「そうですよね。デート・・・・・・本来なら桜の木から離れることが出来なかったはずの私が、こうして、峰さんとデートすることになるなんて、私も驚きです。」
「まあ、人生何が起こるかわかんないって事だな・・・・・・」
彼女は人ではなく精霊なので精霊生とでもいうべきなのかもしれないが、語呂が悪いな・・・・・・妖生の方が語感はいいかもしれない。さして、そこに関しては重要ではないのだが。
「そうですね。ところで、デートって他に何をすればいいんですか?」
「そりゃあ、デートってのは、一緒に散歩したり、一緒にご飯食べたり、後、熱々なカップルは、食べさせあいをしたりとか・・・・・・」
そんな話をしながら俺はふと衝撃の事実に気づいてしまう。
あれ? 前からちょくちょくやってないか・・・・・・?
考えてみれば、一緒に散歩も、ご飯も食べさせあいも、サクヤが箸を使えな買ったという理由はあるけれど、やっている。
サクヤもその事実に気づいたようで「それ、普段の私達と何か違いますか?」と質問をしてくる。
そう、実はすでにデートっぽい事はしていたのだ。今、気づいた。
「つまり、俺達、前々から付き合ってたんだよ!」
「え、そうなんですか!?」
「そんな訳はないんだけどな。」
結局、付き合ったと言ってもする事というのは、仲のいい友人とする事と大して変わらないような気がする。
肉体関係はやはり恋人同士持つ事はあるだろうけれど、それが全てではないはずだ。
四六時中恋人同士だからと言って行為をしている訳ではないのだから、それだけではない。
デートにしたって友人とだって買い物に行くし、ご飯も食べる。だからこそ、特別な行為を探すんじゃないのかもしれない。もちろん、手を繋いだりするのは、俺としても恋人っぽくて良いけれど、無理にするものでもないのだと思う。
「多分さ。気持ちが違うんだよ。」
「気持ちですか?」
「好きな子と一緒に色んなことをしたいって思うからデートは特別なんだと思う。こうして、手を握って歩くだけでも俺は、嬉しいしやっぱり、好きなんだなって思う。」と言って何を恥ずかしい事を真正面から言っているんだと言った後に気づく。
「ま、まあ、折角なんだ。色々、見て回ろうぜ! 面白いものも色々あるだろうしさ!」
見渡せば、甘味処や服屋、雑貨屋など、退屈しなさそうなラインナップだ。
俺は、話題を変えるようにサクヤの手を引いて店へと入っていった。
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