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3章
Part 131『恋人らしさ』
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俺の彼女が可愛いいんですが・・・・・・。
「あの日向さんとサクヤさんは、恋人同士なんですか?」
粉雪は、俺の方を見ながらそう尋ねてくる。人形を渡して突然告白されて赤面してれば、そりゃあ、気づかれても当然である。
「ああ、そうだよ。最近、俺が告白して恋人になったんだ。」
別に隠すつもりもなかった事だったので、その事を粉雪に伝える。
「なるほど・・・・・・全然、彼氏彼女っぽくないですね。なんでそんな、友達以上恋人未満な感じの雰囲気なんですか?」
あまりにもストレートな粉雪の言葉に返す言葉もない。
「手を繋ぐとか、キスするとか、私の調査によると付き合って大体、1時間後にはキスしてますよ?」
「キスは・・・・・・いや、なんでもない。」
俺は、馬鹿正直に応えようとして、慌てて口をつぐむ。しかし、明らかにバレバレでサクヤも顔を赤くして俯いてしまっている。
粉雪は、意地の悪い笑みを浮かべて「へぇ、日向さん、草食系っぽいのにやる事やってるんですね。いやらしいなぁ、いいぞ、もっとやれぇ! Rの壁を越えろぉ!」と不思議なテンションで声をあげる。
その瞬間、「やめなさい。」と粉雪の頭を凄い勢いで真冬さんの手刀が直撃する。
「まったく、いつからこんなにゲスな妹になってしまったんでしょう。すみません。サクヤさんに峰さん。それとおめでとうございます。心からお祝いします。」
真冬さんは、手刀によって地面に倒れた粉雪のことなどお構いなく話を続ける。粉雪は、まるで潰された虫のようにピクピクと震えていた。
「ありがとうございます。色んな意味で」
「いえ、でも、そうですか。お二人がついに・・・・・・なんだか、感慨深いですね。」
「言っておいた方が良かったですかね。自分から言うのもなんだか恥ずかしくて・・・・・・」
誰かと交際している事を大っぴらに自慢して回る趣味はない。
「まあ、言って回る必要もないと思います。ただ、お互い、もう少しスキンシップをとっても良いと思いますよ。」
真冬さんは、俺とサクヤの手を取るとお互いの手を握らせる。それも指と指を絡めさせるようにである。
「これぐらいやってれば、変な虫は付かないと思いますよ。サクヤさん」と真冬さんはサクヤにウインクする。
サクヤは、真冬さんにそう言われると顔を茹でダコのように真っ赤にしながら俯いてしまった。
その反応を見て、俺自身、配慮が足りなかった事を自覚する。男の友達よりも女性の友達が多くて感覚が麻痺していた。
「あの・・・・・・峰さんは・・・・・・手を繋ぐの嫌・・・・・・ですか?」
恐る恐るという風にサクヤは、俺にそう尋ねてくる。健気なその姿は、抱きしめたくなるほど可愛くて、胸が締め付けられる。
「嫌なわけないだろ。俺達は、恋人同士なんだから。」
言葉にするのは照れ臭いけれど、お互いの距離をもっと縮めていくには、必要な事だと思った。
「私達は少し離れた所にいるので、お二人で観光してください。私は、そこのお店でお茶を飲んでますから、それに、ほら、粉雪もぐったりしてますから」
「いや、私はもう大丈ぶっ!」
その瞬間、粉雪の首筋に一撃が入ったように見えた。早すぎてほとんど視覚で捉えることが出来なかったが、実際に粉雪さんは、再び意識を失っている。
「今、殴りませんでした?」
「殴ってませんよ?」
「でも今喋って・・・・・・」
「寝言です。」
だめだ。この人、是が非でも認めないつもりだ。まあ良い。確かに二人きりで行動するのも久しぶりだ。良い機会と思って真冬さんの気遣いに乗っかっておく事にする。
「あの日向さんとサクヤさんは、恋人同士なんですか?」
粉雪は、俺の方を見ながらそう尋ねてくる。人形を渡して突然告白されて赤面してれば、そりゃあ、気づかれても当然である。
「ああ、そうだよ。最近、俺が告白して恋人になったんだ。」
別に隠すつもりもなかった事だったので、その事を粉雪に伝える。
「なるほど・・・・・・全然、彼氏彼女っぽくないですね。なんでそんな、友達以上恋人未満な感じの雰囲気なんですか?」
あまりにもストレートな粉雪の言葉に返す言葉もない。
「手を繋ぐとか、キスするとか、私の調査によると付き合って大体、1時間後にはキスしてますよ?」
「キスは・・・・・・いや、なんでもない。」
俺は、馬鹿正直に応えようとして、慌てて口をつぐむ。しかし、明らかにバレバレでサクヤも顔を赤くして俯いてしまっている。
粉雪は、意地の悪い笑みを浮かべて「へぇ、日向さん、草食系っぽいのにやる事やってるんですね。いやらしいなぁ、いいぞ、もっとやれぇ! Rの壁を越えろぉ!」と不思議なテンションで声をあげる。
その瞬間、「やめなさい。」と粉雪の頭を凄い勢いで真冬さんの手刀が直撃する。
「まったく、いつからこんなにゲスな妹になってしまったんでしょう。すみません。サクヤさんに峰さん。それとおめでとうございます。心からお祝いします。」
真冬さんは、手刀によって地面に倒れた粉雪のことなどお構いなく話を続ける。粉雪は、まるで潰された虫のようにピクピクと震えていた。
「ありがとうございます。色んな意味で」
「いえ、でも、そうですか。お二人がついに・・・・・・なんだか、感慨深いですね。」
「言っておいた方が良かったですかね。自分から言うのもなんだか恥ずかしくて・・・・・・」
誰かと交際している事を大っぴらに自慢して回る趣味はない。
「まあ、言って回る必要もないと思います。ただ、お互い、もう少しスキンシップをとっても良いと思いますよ。」
真冬さんは、俺とサクヤの手を取るとお互いの手を握らせる。それも指と指を絡めさせるようにである。
「これぐらいやってれば、変な虫は付かないと思いますよ。サクヤさん」と真冬さんはサクヤにウインクする。
サクヤは、真冬さんにそう言われると顔を茹でダコのように真っ赤にしながら俯いてしまった。
その反応を見て、俺自身、配慮が足りなかった事を自覚する。男の友達よりも女性の友達が多くて感覚が麻痺していた。
「あの・・・・・・峰さんは・・・・・・手を繋ぐの嫌・・・・・・ですか?」
恐る恐るという風にサクヤは、俺にそう尋ねてくる。健気なその姿は、抱きしめたくなるほど可愛くて、胸が締め付けられる。
「嫌なわけないだろ。俺達は、恋人同士なんだから。」
言葉にするのは照れ臭いけれど、お互いの距離をもっと縮めていくには、必要な事だと思った。
「私達は少し離れた所にいるので、お二人で観光してください。私は、そこのお店でお茶を飲んでますから、それに、ほら、粉雪もぐったりしてますから」
「いや、私はもう大丈ぶっ!」
その瞬間、粉雪の首筋に一撃が入ったように見えた。早すぎてほとんど視覚で捉えることが出来なかったが、実際に粉雪さんは、再び意識を失っている。
「今、殴りませんでした?」
「殴ってませんよ?」
「でも今喋って・・・・・・」
「寝言です。」
だめだ。この人、是が非でも認めないつもりだ。まあ良い。確かに二人きりで行動するのも久しぶりだ。良い機会と思って真冬さんの気遣いに乗っかっておく事にする。
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