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2.5章
Part 98 『入園』
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「凄いですよ! ジェットコースターです! え、あの乗り物なんですか!?」
俺たちが住んでいる町は基本的に本屋やカラオケ、ボーリング場など、一通りのものが揃っている町ではあるが、遊園地などの大規模なスポットはない。
なので、この辺りの若者は大体、電車やバスに乗って他の町にある遊園地に行く。
今回も俺達は、電車に乗って遊園地に向かったのだった。
着いてみるとまあ、予想通りそこいらの子供以上に楽しそうに園外から見えるアトラクションに騒いでいるサクヤの姿があって少し微笑ましかった。
実際、彼女がどれだけ騒ごうが、霊の見える人しか関係のない話なので、好きに騒いでもらって大丈夫だ。
「しかし、久しぶりに来たな・・・ここ」
小・中学生の遠足のようなものでは定番スポットだっただけに俺も中学の頃に一度とまだ、春香が反抗期出なかった頃に一度の合計二回来たことがある。
そこまで大規模な遊園地ではないので、少し地味な印象のある遊園地だが、土日でも少し並ぶだけで乗れたり、並ばなくても大丈夫だったりするので、1日で全種類乗ることも不可能ではない。
今日は平日なので、人もそれほどいないだろうと予想していたのだが、上手く的中したようで、人の数は、ぼちぼちといったところだった。
「ユキは、ここに来るの初めてなのか?」
「はい、転校してきたばかりなので」
俺の住んでる場所の小・中学生は、イベントで何回か来ることがあるのだが、ユキは最近転校して来たので、そういったイベントはなかったようだ。
「私は、学校で何回来たことあるぐらいかな。」
「あ、凛の学校もやっぱり、イベントで来るんだな。」
「うん。ここのソフトクリームが美味しかったの覚えてる。」
「ああ、売店で買い物したりするよな。」
「あと、焼きそばも美味しかった。」
売店の焼きそばって美味しいんだよな。別に特別なことしてる感じじゃないのにすごく美味しい。
「後、たこ焼きも」
「あの、アトラクションは・・・?」
一向に出てこないアトラクションの感想を質問すると凛は数秒考えたが、「・・・・・・あんまり、覚えてない。」と答えた。
「何しに来たの!?」
ただの食べ歩きである。確かに美味しいけどメインじゃないだろう!
「まあまあ、これから乗るんっすから、さっさと入場しちゃいましょうっす。」
コンがそう言って入場券売り場に向かうように促した。
「そうだな。みんなの分の入場券買わないと・・・ってあれ? サクヤは・・・?」
みんな揃っている中、サクヤだけが姿を消していた。
「あれ? はぐれたか?」
「お兄さん、あそこ」ユキがそう言って園内を指差す。そこでは、はしゃぎながらこちらに手を振っているサクヤの姿があった。
「あいつは、集団行動できない小学生か・・・」
満面の笑みを浮かべて「峰さーん!」と手を振っている。よっぽど楽しみにしていたのだろう。たまにいる修学旅行中に集団行動せずに一人だけどんどん行っちゃって先生に怒られるやつの典型だった。
まあ、入場券を買う必要がないので問題はないのだが・・・この分だとちゃんと監視してないとはぐれるな・・・
俺はそう言いながら入場券売り場に向かうのだった。
俺たちが住んでいる町は基本的に本屋やカラオケ、ボーリング場など、一通りのものが揃っている町ではあるが、遊園地などの大規模なスポットはない。
なので、この辺りの若者は大体、電車やバスに乗って他の町にある遊園地に行く。
今回も俺達は、電車に乗って遊園地に向かったのだった。
着いてみるとまあ、予想通りそこいらの子供以上に楽しそうに園外から見えるアトラクションに騒いでいるサクヤの姿があって少し微笑ましかった。
実際、彼女がどれだけ騒ごうが、霊の見える人しか関係のない話なので、好きに騒いでもらって大丈夫だ。
「しかし、久しぶりに来たな・・・ここ」
小・中学生の遠足のようなものでは定番スポットだっただけに俺も中学の頃に一度とまだ、春香が反抗期出なかった頃に一度の合計二回来たことがある。
そこまで大規模な遊園地ではないので、少し地味な印象のある遊園地だが、土日でも少し並ぶだけで乗れたり、並ばなくても大丈夫だったりするので、1日で全種類乗ることも不可能ではない。
今日は平日なので、人もそれほどいないだろうと予想していたのだが、上手く的中したようで、人の数は、ぼちぼちといったところだった。
「ユキは、ここに来るの初めてなのか?」
「はい、転校してきたばかりなので」
俺の住んでる場所の小・中学生は、イベントで何回か来ることがあるのだが、ユキは最近転校して来たので、そういったイベントはなかったようだ。
「私は、学校で何回来たことあるぐらいかな。」
「あ、凛の学校もやっぱり、イベントで来るんだな。」
「うん。ここのソフトクリームが美味しかったの覚えてる。」
「ああ、売店で買い物したりするよな。」
「あと、焼きそばも美味しかった。」
売店の焼きそばって美味しいんだよな。別に特別なことしてる感じじゃないのにすごく美味しい。
「後、たこ焼きも」
「あの、アトラクションは・・・?」
一向に出てこないアトラクションの感想を質問すると凛は数秒考えたが、「・・・・・・あんまり、覚えてない。」と答えた。
「何しに来たの!?」
ただの食べ歩きである。確かに美味しいけどメインじゃないだろう!
「まあまあ、これから乗るんっすから、さっさと入場しちゃいましょうっす。」
コンがそう言って入場券売り場に向かうように促した。
「そうだな。みんなの分の入場券買わないと・・・ってあれ? サクヤは・・・?」
みんな揃っている中、サクヤだけが姿を消していた。
「あれ? はぐれたか?」
「お兄さん、あそこ」ユキがそう言って園内を指差す。そこでは、はしゃぎながらこちらに手を振っているサクヤの姿があった。
「あいつは、集団行動できない小学生か・・・」
満面の笑みを浮かべて「峰さーん!」と手を振っている。よっぽど楽しみにしていたのだろう。たまにいる修学旅行中に集団行動せずに一人だけどんどん行っちゃって先生に怒られるやつの典型だった。
まあ、入場券を買う必要がないので問題はないのだが・・・この分だとちゃんと監視してないとはぐれるな・・・
俺はそう言いながら入場券売り場に向かうのだった。
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