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2章
Part 69『関係性』
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本当はどこかの喫茶店に行くつもりだったのだがユキが奢られるのを嫌がっていたのを思い出して公園に行くことにした。
適当なベンチに座って俺達は、一旦休憩することにした。
「ところでユキさんとおっしゃいましたか?」
真冬さんがユキを見つめながら声をかける。ユキは、先ほどの人間離れした様子を見て少し表情が硬い印象を感じた。
「は、はい!」
「あ、いえ、髪の毛と瞳の色がお揃いだなぁと思って声をかけただけなんですよ。そんなに怯えなくても大丈夫ですよ。」
「は、はい・・・」
相変わらずの緊張した様子のユキに慣れるまでには時間がかかりそうだなと思った・・・
「でも、これで、醜穢の方は解決ですね。」
「そうですね。最期は、あの化物も諦めて無抵抗でしたし、案外、楽に仕事が終わって良かったです。」
「そりゃあ、あれだけの電撃を浴びれば大体のやつはどうしようもないと思いますけどね。」
俺がそういうとユキも何度も頷いた。どうやら、ビビってはいるけれど、嫌いではないらしい。
「後は、魔女探しだけだな・・・」
問題点が案外、早く片付いて良かった。ただ、結局、俺は呪いを受けて話すことが出来ない。今も魔女について詳しく話そうとすると口が全く動かないのだ。
文字に書こうとしたがやはりそれは無理で完全に報告の手段がない。
「そういえば、サクヤさんはご一緒ではないんですか?」
真冬さんが思い出したように俺にそう尋ねてくる。
「いえ、それが最近、中々会えなくて」
「そうなんですか? お二人とも仲がとても良かったのに・・・」
「今、3人で魔女探しをしてるんですけど、もう一人が、ちょっと見えない人で、多分、気まずいんじゃないかって・・・」
「なるほど・・・でも、私生活では会わないんですか?」
「たまに会いに行くんですけど、なんというか、不在で・・・」
一応、情報交換も兼ねて会いに行くのだが、ことごとく不在で会えていないのだ。
「それは、避けられてるんじゃないんですか?」
「え・・・」
真冬さんがすごくストレートに伝えてくる。だけど、実際そんな感じはするのだ。けど、理由がわからない。
柏木さんと一緒に行動してたあの日から様子がおかしかったし、多分、その辺りだと思うんだけど・・・
「一度話し合ってみるのが良いと思いますよ。無理矢理にでも会いに行って、どれだけ、仲が良くても相手の考えてることなんて全部分かるわけないんですから」
「そうですね。」
「お兄さん、頑張ってください!」
ユキが俺を元気付けてくれる。確かにちゃんと話をしたほうがいいとは思った。
「ありがとう。ユキ」
俺はユキの頭を軽く撫でながらもう一つの相談を真冬さんにしようか悩んでいた。
それは、柏木さんの事だ。もう、この際、きいて見ても良いんじゃないかと思った。
「真冬さんは、悲しい記憶が消せるなら消したいと思いますか?」
適当なベンチに座って俺達は、一旦休憩することにした。
「ところでユキさんとおっしゃいましたか?」
真冬さんがユキを見つめながら声をかける。ユキは、先ほどの人間離れした様子を見て少し表情が硬い印象を感じた。
「は、はい!」
「あ、いえ、髪の毛と瞳の色がお揃いだなぁと思って声をかけただけなんですよ。そんなに怯えなくても大丈夫ですよ。」
「は、はい・・・」
相変わらずの緊張した様子のユキに慣れるまでには時間がかかりそうだなと思った・・・
「でも、これで、醜穢の方は解決ですね。」
「そうですね。最期は、あの化物も諦めて無抵抗でしたし、案外、楽に仕事が終わって良かったです。」
「そりゃあ、あれだけの電撃を浴びれば大体のやつはどうしようもないと思いますけどね。」
俺がそういうとユキも何度も頷いた。どうやら、ビビってはいるけれど、嫌いではないらしい。
「後は、魔女探しだけだな・・・」
問題点が案外、早く片付いて良かった。ただ、結局、俺は呪いを受けて話すことが出来ない。今も魔女について詳しく話そうとすると口が全く動かないのだ。
文字に書こうとしたがやはりそれは無理で完全に報告の手段がない。
「そういえば、サクヤさんはご一緒ではないんですか?」
真冬さんが思い出したように俺にそう尋ねてくる。
「いえ、それが最近、中々会えなくて」
「そうなんですか? お二人とも仲がとても良かったのに・・・」
「今、3人で魔女探しをしてるんですけど、もう一人が、ちょっと見えない人で、多分、気まずいんじゃないかって・・・」
「なるほど・・・でも、私生活では会わないんですか?」
「たまに会いに行くんですけど、なんというか、不在で・・・」
一応、情報交換も兼ねて会いに行くのだが、ことごとく不在で会えていないのだ。
「それは、避けられてるんじゃないんですか?」
「え・・・」
真冬さんがすごくストレートに伝えてくる。だけど、実際そんな感じはするのだ。けど、理由がわからない。
柏木さんと一緒に行動してたあの日から様子がおかしかったし、多分、その辺りだと思うんだけど・・・
「一度話し合ってみるのが良いと思いますよ。無理矢理にでも会いに行って、どれだけ、仲が良くても相手の考えてることなんて全部分かるわけないんですから」
「そうですね。」
「お兄さん、頑張ってください!」
ユキが俺を元気付けてくれる。確かにちゃんと話をしたほうがいいとは思った。
「ありがとう。ユキ」
俺はユキの頭を軽く撫でながらもう一つの相談を真冬さんにしようか悩んでいた。
それは、柏木さんの事だ。もう、この際、きいて見ても良いんじゃないかと思った。
「真冬さんは、悲しい記憶が消せるなら消したいと思いますか?」
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