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09 放課後

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「なぁ美玖、今日もマンガ喫茶いくか?」


「いいねっ……いこ!」


「おおっ、なんかやけに機嫌いいな」


「そう? そんなこともないと思うけど……」


 放課後になって俺の教室にやってきた美玖と俺は、これからの時間の潰しかたを話し合っていた。

 どうやら、今日もマンガ喫茶に行くようだ。

 まぁ、俺から言い出したことなんだけど……

「それでさ、美玖。今日もさ……」

「う、うん……」

「するか?」

「……いいよ、私もしたい……」

「わ、わかった」

「ちょ、ちょっと……なんで陸人がそんなに照れてるのよっ!」

「しょ、しょうがないだろ。俺たちまだこういうの慣れてないんだし」

「そう……だね。昨日が初めてだったよね……」

 美玖も恥ずかしそうに俯き加減にそう呟く。

 放課後すぐの喧騒のなかの教室で、これからマンガ喫茶でセックスをするかどうかの、確認を取る俺たち二人。

 何かとても悪いことをしている気分になってくる。

 学生の身でありながら、マンガ喫茶でセフレとセックスをする。

 この背徳感のような感情が胸のなかに溢れてくる感じ。


 なんか……いい……


「ああ、俺もなんだかんだ言って変態だったんだな……」


 俺はぽつりと心のなかの本音を声にだして言う。


「何いってるの? 陸人が変態なのは前からでしょ?」


「まぁ、そう……なのかな……」


 俺はうわの空で美玖の言葉を軽く流す。


 
「ねっ! そんなことよりさっ。早くいこうよっ!!」


 美玖が俺の腕を強く引っ張って、無理やりに席から立たせようとする。

 
 クラスメイトから見れば何気ない日常の一コマなのかもしれない。


 でも、俺たち二人の間には、非日常が流れている。


 まだ、今は非日常。


 その非現実的な世界のなかで、俺たちセフレは生きていく。


「よしっ! 行くかっ」


 俺は少しだけ高揚した声を出し、元気よく美玖と肩を並べて、マンガ喫茶へと行くのだった。
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