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第14話_焚き台どれにする?
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「なにその雑なゴトクの置き方?」
午後から2人とも先輩とのコラボゲーム対戦配信を控えていたので、簡単にハムステキーキでもさっと焼くかと思っていたのだが、超簡易的に作った焚火台をニケにつっこまれた。
しゃがんでハの字に並んだ耐火レンガにチタンのゴトクがのった焚火台を見るニケ。ローライズ丈からはみ出る尻と・・・姿勢の関係で下がってできる空間から極小極浅のスキャンティの縞模様がガッツリ見えているが、とくにお互いに恥ずかしがるものでもない。オレ達の出身国であるオリジンハイドでは日常的なチラリズムだからだ。この国だと刺激の強すぎる服装らしいが、オレらにとってはジャンパーの下からシャツがはみ出してしまったよりも違和感がない扱いである。
これでもニケの恰好は、オリジンハイドでは相当控えている方だ。むしろオレのボディースーツ(インナーレオタード)をあえて見せるような恰好でも、まだ標準的な恰好だったりするのだ。
「しかもアウトドア用アルミホイル(※)で作った代用フライパン。」
※キッチン用と違い、数倍の厚みがあるため形を整えやすく、扱いやすい。割高なのが難。
まあ、今回は片付けもサボって、配信までの休憩時間をとりたいからな。これなら、焼き終わったあとに、そのまま捨てればいいだろ。デカイ弁当の蓋のような形でも、ハムステーキ程度なら十分焼ける。雑な焚火台の熱効率でも、十分熱は伝わるのだ。
ニケは『まあ、それもそうか・・・・・・』という表情をして、ペットボトルのスポーツドリンクを飲む。
「あんた、焚火台いろいろ持ってのに使わないときも多いじゃない。」
確かに熱効率や焚火の安定性を考えると、焚火台を使ったほうが圧倒的に楽だ。しかし、あえて現地である石や木で即席の焚火台を組んだり、ここにあるように持ち時間に合わせて簡易的に組むのもまたキャンプの楽しみ方だ。
「私は筒状のを使うことが多いけど、棒三本で吊るすアレもやってみたいのよねえ。」
トライポッドのことか・・・・・・ニケ、初心者にアレはオススメしない。てか、あれはもう焚火台すら使っていないだろ。(※使うケースもあるが、使わない方がスタンダードとオレは思っている。)
基本的に昔ながらの焚火法や原始的な焚火に近いほど、自由度は高いが難易度も高い。
「カリスマボッチキャンパーのヒ〇シがつかっているピコグリルってやつは?」
あくまでも私の独断と偏見での何度わけだが、ニケの筒形・・・・・・フレイムストーブを初心者向けとすると、中級者寄りかなと思う。
焚火を焚いたら、熱効率がいいのですぐにハムステーキの梱包をはがして、オリーブオイルを塗っておいたアルミの上に置く。すぐに焦げ目がつくので注意しながら焼く。
「筒形って簡単なんだけど・・・火の形が家の中で使っているコンロに近くて面白味がないんだよねえ。」
炊き込み料理なら最高の熱効率なんだが、キャンプのビジュアルとしては弱い気はする。焚火台と言うより、竈に近いので、炊き出しやファミリーで大量に作るときはいいだろう。二次燃焼によって熱効率が良いので、初心者向けである。欠点としては、熱効率が良すぎるので、必然的に薪の消費量が増えることだ。
料理の効率だけに絞るなら最高だが、燃え尽きまでが早いので眺める焚火としては物足りない感がある。
逆をいうなら、一度火が安定すると二次燃焼のブースターが発揮されるので、薪の種類を選ばずに使い易いのだ。
小型の物から大型の物まで揃っていて、ホームセンターでの取扱店も多いので購入もし易い。オレも最初のころは使ってたが、大型の物は組立順番にちょっとコツがいるのと、先ほど言った通り焚火を楽しむと言う点では物足りたないから、今では使わなくなった。
時々ソロ用のチタン製の小型フレイムストーブ(ホームセンター:ナフコの独自ブランド品)、掌サイズを湯沸かしに使う程度だ。小さく切った薪しか入らない欠点はあるが、小型で火力があるのがいい。
「どれくらい焼く?」
熱したアルミの上で焼き音を立てるハムステーキを返す様子を見るニケ。もともと加熱処理されていて、緊急時にはそのまま食うこともできるのだから、見た目が美味しそうになる焦げ目がつけばいい。欲を言えば、表面だけカリっとしたいが、物がアルミなので焼く面が平面ではない。この辺りは横着仕様なので、ほどほどでやめればいいだろう。
無難な焚火台となると、箱型だろう。最初はステンレスのできるだけシンプルなやつで、組立手順の少ないタイプがいい。あと値段も安いヤツ。
「それって買い替え前提?」
どのギアも何だが、最初から自分と相性のいいギアに巡り合うことはほぼない。とりあえずは安いもので様子見だ。でないと焚火台は、ソロ用でも結構収納場所を取るものがあるからなあ。
使っているうちにこういう組立方がいいとか、ここがこの形がいいとか、自分と焚火台の相性が分かってくる。オレの場合一番相性のいい焚火台は筒を横にして半分切ったような形状に組み立てるチタン製の焚火台【ベルモント:TABI グリルエクステンション付き】を使っている。使い込んだチタンブルーの証が、最近いい感じになってきた。
慣れてくると、ゴトクだけを現地で簡易的に作った焚火台に設置したりするけど、これは焚火台で火の扱いに慣れてからでいい。あるいは、焚火台のありがたみを知る機会としてやってみるのもいいかもしれない。いかに焚火のときには、あらゆる要素に気をくばらなければならないかがよく分かる。
いくつか焚火台を持つようになると『今日はどの服を着ようかな?』的な感覚で、複数の焚火台から『キミに決めた!』をやるようになる。一番効率がいいのはあっても、あえて焚火台ごとの雰囲気を楽しみたいのだ。
そして究極が『あえて使わない。焚火台は甘え。』となる。
「もう、クリア後のやりこみレベルね・・・・・・。」
なかなか適切な表現ありがとう。
一種の縛りプレイともいえるだろう。
過去に紹介したハンター型もこれになる。焚火台を使わない方法も様々なので、これは今後紹介していこう。
今日は焼き上がったハムステーキが冷めないうちに頂きたい。台所で握ってきたおにぎりも添えて・・・・・・。
午後から2人とも先輩とのコラボゲーム対戦配信を控えていたので、簡単にハムステキーキでもさっと焼くかと思っていたのだが、超簡易的に作った焚火台をニケにつっこまれた。
しゃがんでハの字に並んだ耐火レンガにチタンのゴトクがのった焚火台を見るニケ。ローライズ丈からはみ出る尻と・・・姿勢の関係で下がってできる空間から極小極浅のスキャンティの縞模様がガッツリ見えているが、とくにお互いに恥ずかしがるものでもない。オレ達の出身国であるオリジンハイドでは日常的なチラリズムだからだ。この国だと刺激の強すぎる服装らしいが、オレらにとってはジャンパーの下からシャツがはみ出してしまったよりも違和感がない扱いである。
これでもニケの恰好は、オリジンハイドでは相当控えている方だ。むしろオレのボディースーツ(インナーレオタード)をあえて見せるような恰好でも、まだ標準的な恰好だったりするのだ。
「しかもアウトドア用アルミホイル(※)で作った代用フライパン。」
※キッチン用と違い、数倍の厚みがあるため形を整えやすく、扱いやすい。割高なのが難。
まあ、今回は片付けもサボって、配信までの休憩時間をとりたいからな。これなら、焼き終わったあとに、そのまま捨てればいいだろ。デカイ弁当の蓋のような形でも、ハムステーキ程度なら十分焼ける。雑な焚火台の熱効率でも、十分熱は伝わるのだ。
ニケは『まあ、それもそうか・・・・・・』という表情をして、ペットボトルのスポーツドリンクを飲む。
「あんた、焚火台いろいろ持ってのに使わないときも多いじゃない。」
確かに熱効率や焚火の安定性を考えると、焚火台を使ったほうが圧倒的に楽だ。しかし、あえて現地である石や木で即席の焚火台を組んだり、ここにあるように持ち時間に合わせて簡易的に組むのもまたキャンプの楽しみ方だ。
「私は筒状のを使うことが多いけど、棒三本で吊るすアレもやってみたいのよねえ。」
トライポッドのことか・・・・・・ニケ、初心者にアレはオススメしない。てか、あれはもう焚火台すら使っていないだろ。(※使うケースもあるが、使わない方がスタンダードとオレは思っている。)
基本的に昔ながらの焚火法や原始的な焚火に近いほど、自由度は高いが難易度も高い。
「カリスマボッチキャンパーのヒ〇シがつかっているピコグリルってやつは?」
あくまでも私の独断と偏見での何度わけだが、ニケの筒形・・・・・・フレイムストーブを初心者向けとすると、中級者寄りかなと思う。
焚火を焚いたら、熱効率がいいのですぐにハムステーキの梱包をはがして、オリーブオイルを塗っておいたアルミの上に置く。すぐに焦げ目がつくので注意しながら焼く。
「筒形って簡単なんだけど・・・火の形が家の中で使っているコンロに近くて面白味がないんだよねえ。」
炊き込み料理なら最高の熱効率なんだが、キャンプのビジュアルとしては弱い気はする。焚火台と言うより、竈に近いので、炊き出しやファミリーで大量に作るときはいいだろう。二次燃焼によって熱効率が良いので、初心者向けである。欠点としては、熱効率が良すぎるので、必然的に薪の消費量が増えることだ。
料理の効率だけに絞るなら最高だが、燃え尽きまでが早いので眺める焚火としては物足りない感がある。
逆をいうなら、一度火が安定すると二次燃焼のブースターが発揮されるので、薪の種類を選ばずに使い易いのだ。
小型の物から大型の物まで揃っていて、ホームセンターでの取扱店も多いので購入もし易い。オレも最初のころは使ってたが、大型の物は組立順番にちょっとコツがいるのと、先ほど言った通り焚火を楽しむと言う点では物足りたないから、今では使わなくなった。
時々ソロ用のチタン製の小型フレイムストーブ(ホームセンター:ナフコの独自ブランド品)、掌サイズを湯沸かしに使う程度だ。小さく切った薪しか入らない欠点はあるが、小型で火力があるのがいい。
「どれくらい焼く?」
熱したアルミの上で焼き音を立てるハムステーキを返す様子を見るニケ。もともと加熱処理されていて、緊急時にはそのまま食うこともできるのだから、見た目が美味しそうになる焦げ目がつけばいい。欲を言えば、表面だけカリっとしたいが、物がアルミなので焼く面が平面ではない。この辺りは横着仕様なので、ほどほどでやめればいいだろう。
無難な焚火台となると、箱型だろう。最初はステンレスのできるだけシンプルなやつで、組立手順の少ないタイプがいい。あと値段も安いヤツ。
「それって買い替え前提?」
どのギアも何だが、最初から自分と相性のいいギアに巡り合うことはほぼない。とりあえずは安いもので様子見だ。でないと焚火台は、ソロ用でも結構収納場所を取るものがあるからなあ。
使っているうちにこういう組立方がいいとか、ここがこの形がいいとか、自分と焚火台の相性が分かってくる。オレの場合一番相性のいい焚火台は筒を横にして半分切ったような形状に組み立てるチタン製の焚火台【ベルモント:TABI グリルエクステンション付き】を使っている。使い込んだチタンブルーの証が、最近いい感じになってきた。
慣れてくると、ゴトクだけを現地で簡易的に作った焚火台に設置したりするけど、これは焚火台で火の扱いに慣れてからでいい。あるいは、焚火台のありがたみを知る機会としてやってみるのもいいかもしれない。いかに焚火のときには、あらゆる要素に気をくばらなければならないかがよく分かる。
いくつか焚火台を持つようになると『今日はどの服を着ようかな?』的な感覚で、複数の焚火台から『キミに決めた!』をやるようになる。一番効率がいいのはあっても、あえて焚火台ごとの雰囲気を楽しみたいのだ。
そして究極が『あえて使わない。焚火台は甘え。』となる。
「もう、クリア後のやりこみレベルね・・・・・・。」
なかなか適切な表現ありがとう。
一種の縛りプレイともいえるだろう。
過去に紹介したハンター型もこれになる。焚火台を使わない方法も様々なので、これは今後紹介していこう。
今日は焼き上がったハムステーキが冷めないうちに頂きたい。台所で握ってきたおにぎりも添えて・・・・・・。
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