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こぐまは川へ
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テクテクテクテク・・・。
こぐまは山間の川までやってきた。
川の水が透き通っているおかげで、お目当ての相手をすぐに見つける事ができた。
「第一山魚発見!」
こぐまは駆け寄り、大きな声で呼びかけた。
「鮎さーん。ちょっと聞きたい事があるんだけどー。」
しかし反応は帰ってこなかった。
もしかしたら聞こえてないのかもしれない。
こぐまは川へさらに近づき、顔を水に突っ込んで話しかけた。
「あばぁぶぅざぁばばぶん。びょっぼびびばびっぼっぼば・・・。うっ。ぶは!」
息の限界が来たこぐまは、慌てて顔を上げた。
いったい今のは何だったのか。
謎言語と、苦痛の変顔を突如披露された。
川の中にいる生き物たちが、いっせいにざわつく。
「やっぱり水の中でお話しは無理かー。」
こぐまは顔に着いた水を払いながら言った。
すると、一匹の魚が水面から顔を出して話しかけてくれた。
「なんだなんだ何事だ?」
こぐまの顔が、ぱあっと明るくなる。
「あ!鮎さんおはよう。鮎さんにちょっと聞きたい事があるの。」
「ん?なんだい?」
「鮎さんはこの山で最強?」
「いや、そんなことはないと思うけど。何でそう思ったの?」
「僕は水中で息ができないから、すごいと思ったんだ。」
「ああ・・・ありがとう。」
先ほどの変顔を思い出しながら、鮎は苦笑いをした。
「でも、泳げるやつより空を飛べるやつの方が、俺はすごいと思うよ。
鮎が向ける視線につられて、こぐまも空を見た。
青空を横切る小さな黒い影が見えた。
「そっか、なるほどね。教えてくれてありがとう。」
こぐまは鮎にお礼を言うと、先ほど見えた影を追って林の中に入って行った。
こぐまは山間の川までやってきた。
川の水が透き通っているおかげで、お目当ての相手をすぐに見つける事ができた。
「第一山魚発見!」
こぐまは駆け寄り、大きな声で呼びかけた。
「鮎さーん。ちょっと聞きたい事があるんだけどー。」
しかし反応は帰ってこなかった。
もしかしたら聞こえてないのかもしれない。
こぐまは川へさらに近づき、顔を水に突っ込んで話しかけた。
「あばぁぶぅざぁばばぶん。びょっぼびびばびっぼっぼば・・・。うっ。ぶは!」
息の限界が来たこぐまは、慌てて顔を上げた。
いったい今のは何だったのか。
謎言語と、苦痛の変顔を突如披露された。
川の中にいる生き物たちが、いっせいにざわつく。
「やっぱり水の中でお話しは無理かー。」
こぐまは顔に着いた水を払いながら言った。
すると、一匹の魚が水面から顔を出して話しかけてくれた。
「なんだなんだ何事だ?」
こぐまの顔が、ぱあっと明るくなる。
「あ!鮎さんおはよう。鮎さんにちょっと聞きたい事があるの。」
「ん?なんだい?」
「鮎さんはこの山で最強?」
「いや、そんなことはないと思うけど。何でそう思ったの?」
「僕は水中で息ができないから、すごいと思ったんだ。」
「ああ・・・ありがとう。」
先ほどの変顔を思い出しながら、鮎は苦笑いをした。
「でも、泳げるやつより空を飛べるやつの方が、俺はすごいと思うよ。
鮎が向ける視線につられて、こぐまも空を見た。
青空を横切る小さな黒い影が見えた。
「そっか、なるほどね。教えてくれてありがとう。」
こぐまは鮎にお礼を言うと、先ほど見えた影を追って林の中に入って行った。
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