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後悔に包まれながら意識を失った私だが、何故か目覚めることが出来た
あれ?私なんで生きてるの…?
あの時思いっきりトラックに轢かれていたはずなのに?
というかここどこだろう?
それに硬いザラザラした地面に叩きつけられたはずなのになんで土の上にいるんだろう?
下を向いていた私は直ぐに地面が土である事に気づく
いや…もしかしたら硬い地面じゃなくて土の上に落ちたのかもしれない…
そう思い一縷の望みを懸けて顔を上げて当たりを見回す
周りは一面高い木々が生い茂り、木々の隙間からは太陽の光が漏れている
様々な鳥の鳴き声や風により木々が揺れる音でさっきまでいた場所と全然違うという事を悟りますます頭が混乱する
おかしい…さっきまで体に激痛が走ってもう自分は死んでしまうんだと、飼い主さんにもう会えないんだと後悔しながら意識を失ったはずで…
でも、今私はここで目が覚めて生きてて…
だけど、目覚めた場所が全然違う所で…
「…一体なにが起こっているのよ!!」
自分のよく分からない状況につい叫び声を上げた私はここで漸く自分自身の異変に気付く
え?あれ?何今の声?
…何で私の口から人の声が…
いや、そもそも何で人の声が出せるんだ私…?
一つの異変に気がつくとどんどん自分の体に対する違和感に気づいた私は慌てて自分の体に目を向ける
ふさふさで長かった毛は無くなりスラリと伸びた透明感のある白磁のような腕がまず目に入りそっと腕を上げて掌を見つめ、手をグーパーして動かす
暫く呆然と掌を動かすと私は木の幹に手を付き少しふらっとしたが立ち上がる
顔を下に向けると何故か真っ白なレース付きのワンピースとヒールのない靴を履いていた
さらに後ろを向いてみると自分がいつものように見ていた白くふさふさ、つやつやした尻尾が見える
ただし今の体に合わせて長くなっているが
それでも自分の猫らしい部分が残っているだけでも安心感があり少し落ち着く
ここまで確認して私はようやく理解してしまった
猫らしい部分は残ってはいるが私は人間になってしまったのだと…
もう自分に起こっている謎の現象に疲れてきた私は考えることをやめて薄暗い森の中を抜けるため動き出す
そこで新たな問題に直面する
…歩きづらい
木を支えにして立っていたのでちょっとは慣れたと思っていたけどやっぱり四足歩行に慣れていた私は二足歩行の難しさに頭を抱えた
でも、四足歩行で歩こうにも猫の時より足と腕が長くて絶対歩きづらいことよね…
私は一つ溜息を吐く
「これは歩く練習も兼ねてこの場所から移動しよう。木々のせいで太陽の光があっても薄暗くてなんか怖いし」
誰もいない中そう独りごちる
一歩一歩木の幹に手をつけながら歩くと段々と慣れてきたのでちょっと幹から手を離して歩く練習も始める
「段々慣れてきたかも…というか猫の時も尻尾使ってバランス取ってたからそれすればよかったんじゃ…」
案の定私の考えは合ってたみたいでさっきのバランスの悪さが嘘のように良くなり普通に早く歩けるようになる
…さっきまでの苦労は何だったのか
心の中で呟くとようやく明るく拓けている場所を見つける
そしてその場所からチョロチョロと水の流れる音が聞こえてきて、私は喉が乾いている事に気づく
あとちょっとで休める!!
そう思うとさっきよりも早く歩き川の音がする方に向かう
「ふぅ、ようやく明るいとこに着いたそれに川が近くにあってよかった…あぁ、喉乾いた…」
川の近くに寄っていつものように水に顔をつけて飲もうとして水面に移る顔にびっくりして固まる
尻尾と同じようにふさふさとした白い猫耳と髪
アーモンド型の二重で大きい目は赤色をしており桃色のぷっくりとした唇と小ぶりで可愛らしい鼻
一瞬誰かと思ったが今ここで川の水面を覗き込んでいるのは自分しかいない
自ずと水面に映っているのが自分であると理解する
「これが人間になった私の顔?」
思わず口に出してしまうが私の顔が綺麗かとか可愛いだとかの基準がわからないのですぐに興味を失った私は喉の渇きを潤すために水面に口をつけて水を飲もうとするが
…飲みづらい
普通に猫の時と同じ飲み方をしようとして今は人間だったと思い出す
「そう言えば飼い主さんが手で水を掬って顔を洗っていたような…」
飼い主さんの行動を思い出した私は同じように水を掬って飲んでみる
「おぉ、さっきよりも体制辛くないし口にもいっぱい水が入ってきて飲みやすい!」
何回か繰り返すと喉が充分に潤い私は満足して川の側を離れる
座り込みやることが無くなると段々と不安な気持ちが心を占める
「私、これから先何をしよう」
飼い猫だった私はたとえ他の猫と違い人の言葉がわかるほど賢くても箱入り娘と同じようなもの
野生の猫とは違い一人で生きていける気がしない…
足の痛みと不安な心に押しつぶされて泣きそうになっている私の目の前にひらりと紙が舞い落ち、そして空中で止まった
まるで手に取ってというように
よくわからないけど取り敢えず気持ちが紛れるならと紙を手に取った瞬間紙から白い光が出て一気にブワッと文字が浮かび上がった
!?
またもやよくわからない現象が起きて私は飛び上がる程に驚く
きっと尻尾も驚きすぎて狸よりも太くなっているだろう
まぁ、毛が長いから毛が逆立ってもそんな変わらないと思うけど
そんなことよりこの紙…いや、文字が出てきたから手紙になるのかな?
をどうしようかと少し悩むが自分の今の現状から気を逸らすために私は手紙を読むことにした
そうして読んだ手紙の内容に私は驚愕するとともにある意味理不尽な内容は私の心をさらに落ち込ませた
あれ?私なんで生きてるの…?
あの時思いっきりトラックに轢かれていたはずなのに?
というかここどこだろう?
それに硬いザラザラした地面に叩きつけられたはずなのになんで土の上にいるんだろう?
下を向いていた私は直ぐに地面が土である事に気づく
いや…もしかしたら硬い地面じゃなくて土の上に落ちたのかもしれない…
そう思い一縷の望みを懸けて顔を上げて当たりを見回す
周りは一面高い木々が生い茂り、木々の隙間からは太陽の光が漏れている
様々な鳥の鳴き声や風により木々が揺れる音でさっきまでいた場所と全然違うという事を悟りますます頭が混乱する
おかしい…さっきまで体に激痛が走ってもう自分は死んでしまうんだと、飼い主さんにもう会えないんだと後悔しながら意識を失ったはずで…
でも、今私はここで目が覚めて生きてて…
だけど、目覚めた場所が全然違う所で…
「…一体なにが起こっているのよ!!」
自分のよく分からない状況につい叫び声を上げた私はここで漸く自分自身の異変に気付く
え?あれ?何今の声?
…何で私の口から人の声が…
いや、そもそも何で人の声が出せるんだ私…?
一つの異変に気がつくとどんどん自分の体に対する違和感に気づいた私は慌てて自分の体に目を向ける
ふさふさで長かった毛は無くなりスラリと伸びた透明感のある白磁のような腕がまず目に入りそっと腕を上げて掌を見つめ、手をグーパーして動かす
暫く呆然と掌を動かすと私は木の幹に手を付き少しふらっとしたが立ち上がる
顔を下に向けると何故か真っ白なレース付きのワンピースとヒールのない靴を履いていた
さらに後ろを向いてみると自分がいつものように見ていた白くふさふさ、つやつやした尻尾が見える
ただし今の体に合わせて長くなっているが
それでも自分の猫らしい部分が残っているだけでも安心感があり少し落ち着く
ここまで確認して私はようやく理解してしまった
猫らしい部分は残ってはいるが私は人間になってしまったのだと…
もう自分に起こっている謎の現象に疲れてきた私は考えることをやめて薄暗い森の中を抜けるため動き出す
そこで新たな問題に直面する
…歩きづらい
木を支えにして立っていたのでちょっとは慣れたと思っていたけどやっぱり四足歩行に慣れていた私は二足歩行の難しさに頭を抱えた
でも、四足歩行で歩こうにも猫の時より足と腕が長くて絶対歩きづらいことよね…
私は一つ溜息を吐く
「これは歩く練習も兼ねてこの場所から移動しよう。木々のせいで太陽の光があっても薄暗くてなんか怖いし」
誰もいない中そう独りごちる
一歩一歩木の幹に手をつけながら歩くと段々と慣れてきたのでちょっと幹から手を離して歩く練習も始める
「段々慣れてきたかも…というか猫の時も尻尾使ってバランス取ってたからそれすればよかったんじゃ…」
案の定私の考えは合ってたみたいでさっきのバランスの悪さが嘘のように良くなり普通に早く歩けるようになる
…さっきまでの苦労は何だったのか
心の中で呟くとようやく明るく拓けている場所を見つける
そしてその場所からチョロチョロと水の流れる音が聞こえてきて、私は喉が乾いている事に気づく
あとちょっとで休める!!
そう思うとさっきよりも早く歩き川の音がする方に向かう
「ふぅ、ようやく明るいとこに着いたそれに川が近くにあってよかった…あぁ、喉乾いた…」
川の近くに寄っていつものように水に顔をつけて飲もうとして水面に移る顔にびっくりして固まる
尻尾と同じようにふさふさとした白い猫耳と髪
アーモンド型の二重で大きい目は赤色をしており桃色のぷっくりとした唇と小ぶりで可愛らしい鼻
一瞬誰かと思ったが今ここで川の水面を覗き込んでいるのは自分しかいない
自ずと水面に映っているのが自分であると理解する
「これが人間になった私の顔?」
思わず口に出してしまうが私の顔が綺麗かとか可愛いだとかの基準がわからないのですぐに興味を失った私は喉の渇きを潤すために水面に口をつけて水を飲もうとするが
…飲みづらい
普通に猫の時と同じ飲み方をしようとして今は人間だったと思い出す
「そう言えば飼い主さんが手で水を掬って顔を洗っていたような…」
飼い主さんの行動を思い出した私は同じように水を掬って飲んでみる
「おぉ、さっきよりも体制辛くないし口にもいっぱい水が入ってきて飲みやすい!」
何回か繰り返すと喉が充分に潤い私は満足して川の側を離れる
座り込みやることが無くなると段々と不安な気持ちが心を占める
「私、これから先何をしよう」
飼い猫だった私はたとえ他の猫と違い人の言葉がわかるほど賢くても箱入り娘と同じようなもの
野生の猫とは違い一人で生きていける気がしない…
足の痛みと不安な心に押しつぶされて泣きそうになっている私の目の前にひらりと紙が舞い落ち、そして空中で止まった
まるで手に取ってというように
よくわからないけど取り敢えず気持ちが紛れるならと紙を手に取った瞬間紙から白い光が出て一気にブワッと文字が浮かび上がった
!?
またもやよくわからない現象が起きて私は飛び上がる程に驚く
きっと尻尾も驚きすぎて狸よりも太くなっているだろう
まぁ、毛が長いから毛が逆立ってもそんな変わらないと思うけど
そんなことよりこの紙…いや、文字が出てきたから手紙になるのかな?
をどうしようかと少し悩むが自分の今の現状から気を逸らすために私は手紙を読むことにした
そうして読んだ手紙の内容に私は驚愕するとともにある意味理不尽な内容は私の心をさらに落ち込ませた
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