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王宮舞踏会 ~帰りの馬車にて~
はしたないおしおき
しおりを挟む「スカートの中のものをぬげ」
王子の馬車に乗せられた理紗は、その言葉に目を見開いた。
「な、中のものって…」
「その膨らみを持たせているものだ。パニエとかいう」
あ、そっちね。
てっきり下着のことかと……でもなんで?
「かさばるし邪魔だ。もう舞踏会は終わったんだからはずしてもいいだろう?」
いや、よくない。
パニエの留め具はウエスト部分にあるので、ドレスの見頃(上半身の胴体部分)を脱がないことには外せない。
同性のミリーの前でコルセット姿になるのは抵抗がなかったが、それがエドアルドとなると話は別だ。
「ドレスを脱がないと無理。だから外せない」
理紗の言葉にムッとしたエドアルドはわずかばかりのあいだ思案し、ドレスのスカート部分を指差した。
「下からは無理なのか?」
「無理」
いや、頑張れば出来なくはないけど。
でもいくらなんでもはしたなさすぎる。
「本当に?」
「本当に、無理」
「しかたないな…。メアリローズ、私の膝に乗れ」
はあ?
「早くしろ。時間が惜しい」
「……おしおきって、なにをするつもり」
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拍子抜けした様子の理紗に、男の目がキラリと光る。
「ただし私の膝の上に乗り、家につくまでの間ずっとだ」
そして甘く微笑んだ。
「私は君の許しなしには体に触れられない。だから、きみが率先してするんだ」
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