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学園初日

認めたくない事実

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「───なんだって?」

うなるように言うエドアルドから理紗は目をそらした。

もう観念して認めるしかない。

これは理紗個人の夢ではなくあのゲームの世界の中か、それによく似た異世界なのだ。

理紗は友人から聞かされて断片的にしかストーリーを知らない。
実際にプレイはしていないが、学園初日はヒロインが攻略対象たちと次々出会うドキドキハプニング連発の日というのは知っている。

そして理紗はヒロインではない。ヒロインと対極をなす悪役令嬢なのだ。

友人の悪態を思いだすとため息しか出てこない。

「運命など誰が決めたんだ。まだ出会ってもいないもののことなど私たちには関係ないだろう」

「………?」

なんだか様子がおかしい。

向かいに座るエドアルドは身を乗り出すように体を近づけ、理紗を熱く見つめている。

え? なにこれ。と理紗は戸惑った。王子の様子が昨日とまったく違っている。

思わず後ろにずりさがると、同じ分だけ近づいてくる。理紗はまゆをひそめた。
今更ながら狭い空間にふたりきりという事実を意識し始める。

理紗の顔の横に手をつき、エドアルドがおおいかぶさるようにして顔をのぞきこんできた。

「私たちはもっとお互いを知る必要がある」

そうだろう? とささやき、近づいてくる紺碧の瞳を見つめながら、理紗は唐突に思い出した。

友人のハマっていた「花咲ける乙女~エンジェルパラダイス~」は、R18指定の乙女ゲームだったと。




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