8 / 12
悲しみに咲く
しおりを挟む
あの日から
征人のことが頭の中から離れない。
ずっと征人の事ばかり考えている。
紅葉を咲子と呼んだあの人に会いたい。
逢いたいと泣き叫ぶ。
心が泣いている。
泣き叫んでいる。
そんなときだった
「東宮の宴で舞えといわれたのは…」
正直、
頭の中は征人のことで
いっぱいで
舞える状態ではなかった。
でも、相手は断りたくても
断ることはできない東宮だ。
舞うしかない。
どう舞えばいいのよ。
今の心で…
出てくるのは国の栄華など
関係ないただ征人を懐かしむ
そんな歌ばかりなのだ。
これでなにを歌えというのか。
どうしようもない
この気持ちも
捨てなきゃいけない。
正直どうしようもない
この気持ちさえ
捨てられれば
征人への想いも
一緒に消すことが
出来るのに…
なぜこの想いは
断ち切りたくても
断ち切れないのだろうか。
逢えなければ
逢えないほど
想いは募ってしまった。
いつのまにか、
東宮の宴の日になってしまっていた。
女房に舞台へと
案内される。
お辞儀をして
顔を上げた時だった。
東宮の隣にいた男と
目があった。
驚いた表情の愛しき人
あの人の口が
あたしの名前に
動く。
一瞬出てきた疑いは
すぐ消えた。
征人があたしを
東宮に売ろうとしたわけじゃない
征人はしらなかったんだから。
その瞬間喜びとともに
悲しみは
一層深くなる。
舞うのは
征人のため.
そう思ったら
言葉は
歌は
出てきた.
舞ひて散るもの
悲しみに
溺れし溺れ
吾(わが)恋は
寂しさ宿る
紅葉なり
悲しみに咲く
紅葉なり
ねぇ、征人ならこの思い分かるよね.
でも、わからないふりしてほしい。
身勝手だってこともわかっている。
だけど、あたしの
頭の中は征人でいっぱいなんだ。
大好きの気持ちが
溢れてしまう。
だけど、それを
東宮は理解してくれなかった。
舞い終えて
最初に言った言葉に
あたしは出家を考えてしまった。
「やはり、そなたは私に必要な存在だ。
更衣などにしよう!!」
嫌だ。
そういいたいのに
言うことは死を意味する。
「明日、父上に
相談しにいこう。
征人、そなたは来なくてよいからな」
そう言って東宮は
艶やかに笑みを零した。
ここで
嫌だと叫べれば
いいのに……。
あたしは
京極 咲子と
叫べればいいのに……。
そしたら、
征人と結ばれる?
馬鹿ね、
そんなことありえないのに……。
帝のところへ
連れて行かれる…
あと少しで……。
あたしは東宮のものに
されてしまう!
征人のことが頭の中から離れない。
ずっと征人の事ばかり考えている。
紅葉を咲子と呼んだあの人に会いたい。
逢いたいと泣き叫ぶ。
心が泣いている。
泣き叫んでいる。
そんなときだった
「東宮の宴で舞えといわれたのは…」
正直、
頭の中は征人のことで
いっぱいで
舞える状態ではなかった。
でも、相手は断りたくても
断ることはできない東宮だ。
舞うしかない。
どう舞えばいいのよ。
今の心で…
出てくるのは国の栄華など
関係ないただ征人を懐かしむ
そんな歌ばかりなのだ。
これでなにを歌えというのか。
どうしようもない
この気持ちも
捨てなきゃいけない。
正直どうしようもない
この気持ちさえ
捨てられれば
征人への想いも
一緒に消すことが
出来るのに…
なぜこの想いは
断ち切りたくても
断ち切れないのだろうか。
逢えなければ
逢えないほど
想いは募ってしまった。
いつのまにか、
東宮の宴の日になってしまっていた。
女房に舞台へと
案内される。
お辞儀をして
顔を上げた時だった。
東宮の隣にいた男と
目があった。
驚いた表情の愛しき人
あの人の口が
あたしの名前に
動く。
一瞬出てきた疑いは
すぐ消えた。
征人があたしを
東宮に売ろうとしたわけじゃない
征人はしらなかったんだから。
その瞬間喜びとともに
悲しみは
一層深くなる。
舞うのは
征人のため.
そう思ったら
言葉は
歌は
出てきた.
舞ひて散るもの
悲しみに
溺れし溺れ
吾(わが)恋は
寂しさ宿る
紅葉なり
悲しみに咲く
紅葉なり
ねぇ、征人ならこの思い分かるよね.
でも、わからないふりしてほしい。
身勝手だってこともわかっている。
だけど、あたしの
頭の中は征人でいっぱいなんだ。
大好きの気持ちが
溢れてしまう。
だけど、それを
東宮は理解してくれなかった。
舞い終えて
最初に言った言葉に
あたしは出家を考えてしまった。
「やはり、そなたは私に必要な存在だ。
更衣などにしよう!!」
嫌だ。
そういいたいのに
言うことは死を意味する。
「明日、父上に
相談しにいこう。
征人、そなたは来なくてよいからな」
そう言って東宮は
艶やかに笑みを零した。
ここで
嫌だと叫べれば
いいのに……。
あたしは
京極 咲子と
叫べればいいのに……。
そしたら、
征人と結ばれる?
馬鹿ね、
そんなことありえないのに……。
帝のところへ
連れて行かれる…
あと少しで……。
あたしは東宮のものに
されてしまう!
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
13歳女子は男友達のためヌードモデルになる
矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。
スケートリンクでバイトしてたら大惨事を目撃した件
フルーツパフェ
大衆娯楽
比較的気温の高い今年もようやく冬らしい気候になりました。
寒くなって本格的になるのがスケートリンク場。
プロもアマチュアも関係なしに氷上を滑る女の子達ですが、なぜかスカートを履いた女の子が多い?
そんな格好していたら転んだ時に大変・・・・・・ほら、言わんこっちゃない!
スケートリンクでアルバイトをする男性の些細な日常コメディです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる