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第四章『ボタン』
おめでとう、サソリが生まれたぞ
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ピシッと音がして卵に小さなヒビが入ると、そこから連続するようにピシピシと小さな音が響き……パキャンと、中から何かが飛び出してきた。
「……白?」
その色は真っ黒な卵とはまるで違う、雪のような白色で、シャキシャキと動いていた。
というか、どう見てもハサミだ、これ。
「ハサミだにゃー」
「まあ、ブラックスコーピオンの卵から、サソリ以外が生まれたら大変だけどね」
「だにゃー」
なんて、卵を見守りつつ話していれば、白色のハサミを動かして、器用に卵を壊していく。
パキパキから、バキバキになり、終いにはバキャッと音を鳴らして卵が上下に割れた。
その中から……真っ白で綺麗なサソリが姿を見せた。
大きさは、大体手のひらサイズかな?
「キュル?」
「……生まれたね」
「うむー。小さいからか、結構可愛い気がするにゃー」
キュルキュル鳴きながら、私の方へと近づいてきたサソリに、ものは試しと手を差し出してみる。
すると、サソリはおずおずと近づいて……そっと登ってきた。
ワシャワシャしてるからか、ちょっとくすぐったい感じがする。
ちなみに卵は、サソリが出てきた後に光になって消えていってたりする。
「おー、懐いてる感じだにゃー」
「そうなのかな? ただ、山があったから登ってみたみたいな感じがするけど」
「どこの登山家なのかにゃ……。まあ、敵意は感じないし、ペットにすればいいんじゃないかにゃ」
「ペットねぇ……」
普通、ペットって言えば、犬とかネコじゃない?
いや、世界にはサソリをペットにする人もいるだろうけども……。
「キュル……?」
「ほら、この子もセツナに飼って欲しそうだぜー?」
「キュル、キュルル……」
肘の近くまで登っていたサソリも、ケートの言葉に頷くように小さく鳴いて、私の目を見つめてくる。
……まあ、孵化しちゃった以上、しょうがないか。
捨てるわけにもいかないしねー。
「そうと決まれば……名前をつけてやろうぜい! いつまでもサソリって呼ぶのは可愛そうだしさー」
「それもそうだね。でも、名前かー……」
今は白いけど、このまま白い姿で成長するとは思えないんだよねー。
だって、ブラックスコーピオンの卵から生まれてるんだよ?
だったら、後々は黒くなりそうじゃない?
「でもそうなると、名前……名前ねぇ……」
「ちなみに、さそり座で最も輝いてる星の名前はアンタレスにゃ。赤星とか、さそりの心臓とか呼ばれてるぜー」
「へー」
アンタレスって、結構かっこいい名前の星だねー。
赤星ってことは、赤く光ってるのかな?
「赤色っていうか、オレンジっぽい色だにゃー。一等星だから、夏場によく見える星だぜー」
「ケート、よく知ってるねー。調べたの?」
「まあ、前にリンとね」
なるほど、それで。
でも一等星かー、いいね。
たしか、夜空で一番輝く星のことでしょ?
「じゃ、アンタレスで」
「……適当だにゃー」
「キュル……」
「ほら、サソリさんは不服そうだぜー?」
むう、面倒な。
鈴木とか、田中とかいじゃないだけマシだと思う。
いや、その辺の名前は付けるつもりがないけど。
「じゃあ……白夜」
「白夜かにゃ? なんでまた」
「白い姿だけど、後々黒くなるだろうし……本来の意味とは違うけど、文字的にはそれっぽいなーって」
「あー確かににゃー。だったら、白夜って言わずに、本来の読み方にしてみれば?」
そう言うケートに、私は首を傾げる。
白夜の本来の読み方って言われても……白夜は白夜じゃないの?
「いやいや、白夜ってのは、“ビャクヤ”じゃなくて“ハクヤ”が正しい読み方なんだぜー。ただ、ビャクヤって読み方が浸透してるだけで」
「へー、そうなんだ。でもハクヤかー、いいかも」
「キュルキュル」
幸いなことに、腕にいるサソリも、満足そうに鳴く。
もしかしなくてもこの子……言葉を理解してる気がするんだよねー。
ふむ……。
「ハクヤ、こっちにおいで」
「キュルッ!」
試しに、登っている腕と反対の手を出してみれば、サソリ……もとい、ハクヤは、小さく鳴いて手を登ってくる。
どうやら、完全に理解しているらしい。
しかも、自分の名前が“ハクヤ”だってことも、分かってるみたいだなー。
「頭良いサソリさんだにゃー」
「だねー。テイムモンスターだからなのかもしれないけどねー」
「だにゃー。その辺は情報が少なすぎて、全く分からんけども」
そもそも、サソリをテイムしてる人がいないだろうしね……。
エサとか戦闘とか、問題は結構あるんだけど、まあなるようになるかな?
「だにゃー。やっていく内にわかることもあると思うぜー」
「だよね。ってことで……とりあえず、シロのところに戻ってくるかな」
「うぃー、がんばってらー」
-----
名前:セツナ
所持金:105,040リブラ
武器:居合刀『紫煙』
防具:戦装束『無鎧』改
テイム:ブラックスコーピオン(幼体)『ハクヤ』
所持スキル:【見切りLv.4】【抜刀術Lv.15】【幻燈蝶Lv.6】【蹴撃Lv.11】【カウンターLv.10】【蝶舞一刀Lv.11】【秘刃Lv.2】【符術Lv.3】【八極拳Lv.5】
「……白?」
その色は真っ黒な卵とはまるで違う、雪のような白色で、シャキシャキと動いていた。
というか、どう見てもハサミだ、これ。
「ハサミだにゃー」
「まあ、ブラックスコーピオンの卵から、サソリ以外が生まれたら大変だけどね」
「だにゃー」
なんて、卵を見守りつつ話していれば、白色のハサミを動かして、器用に卵を壊していく。
パキパキから、バキバキになり、終いにはバキャッと音を鳴らして卵が上下に割れた。
その中から……真っ白で綺麗なサソリが姿を見せた。
大きさは、大体手のひらサイズかな?
「キュル?」
「……生まれたね」
「うむー。小さいからか、結構可愛い気がするにゃー」
キュルキュル鳴きながら、私の方へと近づいてきたサソリに、ものは試しと手を差し出してみる。
すると、サソリはおずおずと近づいて……そっと登ってきた。
ワシャワシャしてるからか、ちょっとくすぐったい感じがする。
ちなみに卵は、サソリが出てきた後に光になって消えていってたりする。
「おー、懐いてる感じだにゃー」
「そうなのかな? ただ、山があったから登ってみたみたいな感じがするけど」
「どこの登山家なのかにゃ……。まあ、敵意は感じないし、ペットにすればいいんじゃないかにゃ」
「ペットねぇ……」
普通、ペットって言えば、犬とかネコじゃない?
いや、世界にはサソリをペットにする人もいるだろうけども……。
「キュル……?」
「ほら、この子もセツナに飼って欲しそうだぜー?」
「キュル、キュルル……」
肘の近くまで登っていたサソリも、ケートの言葉に頷くように小さく鳴いて、私の目を見つめてくる。
……まあ、孵化しちゃった以上、しょうがないか。
捨てるわけにもいかないしねー。
「そうと決まれば……名前をつけてやろうぜい! いつまでもサソリって呼ぶのは可愛そうだしさー」
「それもそうだね。でも、名前かー……」
今は白いけど、このまま白い姿で成長するとは思えないんだよねー。
だって、ブラックスコーピオンの卵から生まれてるんだよ?
だったら、後々は黒くなりそうじゃない?
「でもそうなると、名前……名前ねぇ……」
「ちなみに、さそり座で最も輝いてる星の名前はアンタレスにゃ。赤星とか、さそりの心臓とか呼ばれてるぜー」
「へー」
アンタレスって、結構かっこいい名前の星だねー。
赤星ってことは、赤く光ってるのかな?
「赤色っていうか、オレンジっぽい色だにゃー。一等星だから、夏場によく見える星だぜー」
「ケート、よく知ってるねー。調べたの?」
「まあ、前にリンとね」
なるほど、それで。
でも一等星かー、いいね。
たしか、夜空で一番輝く星のことでしょ?
「じゃ、アンタレスで」
「……適当だにゃー」
「キュル……」
「ほら、サソリさんは不服そうだぜー?」
むう、面倒な。
鈴木とか、田中とかいじゃないだけマシだと思う。
いや、その辺の名前は付けるつもりがないけど。
「じゃあ……白夜」
「白夜かにゃ? なんでまた」
「白い姿だけど、後々黒くなるだろうし……本来の意味とは違うけど、文字的にはそれっぽいなーって」
「あー確かににゃー。だったら、白夜って言わずに、本来の読み方にしてみれば?」
そう言うケートに、私は首を傾げる。
白夜の本来の読み方って言われても……白夜は白夜じゃないの?
「いやいや、白夜ってのは、“ビャクヤ”じゃなくて“ハクヤ”が正しい読み方なんだぜー。ただ、ビャクヤって読み方が浸透してるだけで」
「へー、そうなんだ。でもハクヤかー、いいかも」
「キュルキュル」
幸いなことに、腕にいるサソリも、満足そうに鳴く。
もしかしなくてもこの子……言葉を理解してる気がするんだよねー。
ふむ……。
「ハクヤ、こっちにおいで」
「キュルッ!」
試しに、登っている腕と反対の手を出してみれば、サソリ……もとい、ハクヤは、小さく鳴いて手を登ってくる。
どうやら、完全に理解しているらしい。
しかも、自分の名前が“ハクヤ”だってことも、分かってるみたいだなー。
「頭良いサソリさんだにゃー」
「だねー。テイムモンスターだからなのかもしれないけどねー」
「だにゃー。その辺は情報が少なすぎて、全く分からんけども」
そもそも、サソリをテイムしてる人がいないだろうしね……。
エサとか戦闘とか、問題は結構あるんだけど、まあなるようになるかな?
「だにゃー。やっていく内にわかることもあると思うぜー」
「だよね。ってことで……とりあえず、シロのところに戻ってくるかな」
「うぃー、がんばってらー」
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名前:セツナ
所持金:105,040リブラ
武器:居合刀『紫煙』
防具:戦装束『無鎧』改
テイム:ブラックスコーピオン(幼体)『ハクヤ』
所持スキル:【見切りLv.4】【抜刀術Lv.15】【幻燈蝶Lv.6】【蹴撃Lv.11】【カウンターLv.10】【蝶舞一刀Lv.11】【秘刃Lv.2】【符術Lv.3】【八極拳Lv.5】
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