雨の日

雨の日

僕は雨の日が嫌いだ。
でも、雨は好きだ。
雨は、たくさんの音をもっている。
例えば、傘に当たる音。バケツに当たる音。その音を聞いていると、心が和む。
だから、雨が好きだ。
でも、外で遊べない。服が濡れる。靴が靴下が気持ち悪い。
だから、雨の日は嫌いだ。

でも、僕は雨の日が好きになった。
僕が、小学3年生の時。
その時、梅雨で雨が毎日のように降っていて、イライラしていた。
そんな下校の時に、車に水をかけられたのだ。僕だけ。
「大丈夫？はい、タオル使ってね！」
1人の女子が、そー言って、タオルを貸してくれた。その女子は、当時小学５年生のあおいちゃん。僕は一目惚れした。いや、単純だってことは、分かっている。でも、小3だった僕にとって、バカにせず、優しく微笑んで、心配してくれているあおいちゃんは天使に見えた。
  でも、下級生は、上級生が本当に大人に見える。逆に、上級生は、下級生が本当に子供だなと思う。そんな僕を恋愛対象に見る女子なんていないのだ。
それでも僕は諦めなかった。
そして、僕は、高校生になった。
もちろん、あおいちゃんと同じ高校へ。