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魔物の襲来

シープの力

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「レム様。このような場所で心苦しいですが」

ロイはそういうとレムを寝室に行くように促した。

ライズが人の家に文句つけてんじゃねーよと怒っていたが気にしていない。

「ロイは」

レムはロイに聞きたいことがあったが途中で口をつぐんだ
目が覚めて全てが終わっていたらゆっくりと話をしようと思った。

「俺たちは戦ってるんだからしっかりと寝てこいよ!」

ライズはよくわからないながらも、半分本音が混ざりながらもレムの背中を押した。

レムは、ベッドの前に立つと、眠り姫と揶揄されていたときのことを思い出してしまった。

しかし、今までとは違い、今回は求めてくれる人がいると悪い想像を打ち消すように頭を振る。

レムは布団に入ると、眠りにつけるか不安があったがすぐに深い眠りについた。

「さて、みなさんもレム様を見習って、自分の役目をしっかりと果たしてくださいね」

第二波として迫り来る魔物を見ながらロイが言う。

『また来ちゃったのね。お喋りに来た訳じゃないでしょ?』

「力を貸して欲しいの」

『力は使わないようにするんじゃなかった?』

シープは、王族ではなくただの市民とされたレムに力を使って自分を犠牲にして欲しくないと思っていた。

「そのつもりだったよ。でもね、この力を必要とする人達がいるの」

レムは初めて自分の力を必要とされたことが嬉しかったのだ。

『そいつらは信用できるの?こんな場所で寝て大丈夫なの?』

シープはレムが力を使うことをよく思っていないため、諦めてくれるように話す。

「ロイは昔から知ってるからきっと大丈夫。セバスとシズナとライズさんはまだ出会ったばかりだから分からないよ。でも、信じてみたいって思えたの」 

レムはまっすぐな目でシープを見つめる。

『なら、その人達と逃げなさいよ』

「私ね。思ったよりこの国のことも好きみたい」

レムはにっこりとした表情を浮かべた。

『分かったわよ。力を貸してあげる』

シープはレムの意思を変えることはできないんだなと諦めた。

「ありがとう!こんな事になるなら、初めからシープの力を借りておけば良かったね。少し復讐しようだなんて思っちゃったばっかりに」

レムは変な意地を張らないで、いつもみたいに初めから力を借りておけば良かったと後悔した。

『それは違うわよ。ただのゴブリンすら倒せないほど弱体化しているこの国が悪いの。むしろ、今まであなたは力を使いすぎてたのよね。』

シープは弱い魔物であるゴブリンすら満足に相手できないこの国に呆れた様子だ。

『この状況を立て直すには時間をかけてられないから一気に行くわ。その分反動があるから何日かここでお泊まりね』

シープは久しぶりにレムといれることが少し嬉しそうだった。

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