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魔物の襲来

ベンダーの覚悟

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「リクセンはどうした」

集まった隊員達を見ながらベンダーが言う。

「リクセンさんは外に出ている隊の帰還時に門が使えるように正門だけは護ると」

戦力が減るのは痛いが、リクセンの言うことも正しいと数人の援護を送ることにした。

「君たちはリクセンの援護に行ってくれ。残りのもの達はこの場所を全力で守る」

ベンダー城へ向かう1番大きな通りと教会がある場所へ皆を集めていった。

「他は諦めるって事?」

「そうだ。市民達はこの教会とその近辺に避難させてある。街はいくらでも直していけばいい」

「魔物が雪崩れ込んできたら王達はどうなるんだ!」

ダイランは国を守る事を諦めたのかとベンダーに詰め寄る。

「城はドンベル隊長と近衛兵達に任せてきた。ただ、負担を減らすたまにこの通りに来る魔物も狩る」

「たが!」

「今は時間の猶予はない。私に従ってくれ!」

「これだけは教えて、最終的なゴールはどこなの?」

「外に出ている部隊が帰るまで耐える。我々だけでは殲滅しきることは難しいだろう」

ノエルはベンダーの言葉に「分かった」と頷くと、魔法が使える者と遠距離部隊を集めた。

ダイランも重量級の力自慢達を集め最前線に防衛戦を敷く為に動きはじめた。

「遊撃部隊は私に続いてくれ!」

ベンダーはリクセンの部下をはじめとする者達を自ら率いて、既にこの辺りまで来ていた数体の魔物に向かって攻め込んだ。

「ドンメル団長!」

「なんだ」

ベンダーを追い払ったあと優雅に食事をしていたドンベルの元に部下がやってきた。

「北と南の門が突破されました!」

「ベンダーの奴はゴブリン如きに、何をしているんだ。早く対応するように伝えろ」

「それが、ベンダー隊長は中央の通りを守る為、城に向かう魔物は任せたと」

部下はベンダーからの伝言を言いにくそうに伝える。

「ベンダーめ。責任は取らせるぞ」

ドンベルはステーキをフォークで突き刺し、怒りで震えていた。

「防衛線を展開しろ!城には絶対に近づけるな!」

ドンベルは団服を手に取ると部下に指示を出し部屋を出た。



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