上 下
41 / 126

41.リアルで会った後輩がイケメンだった話

しおりを挟む
暗い自分を変えたくて、一生懸命明るく振る舞う陰気くん。

現実ではいつもから回っていたけど、ゲームの中でなら頼れるリーダーになれた。

「リーダー! 今日はどこ行きます?」

ワンコのように慕ってくれる後輩を筆頭に、仲間とどこまでも冒険に出かけた。

やがてリリース期間も五年を過ぎ、無情にもサービス終了のお知らせがやってくる。

仲間はみな去り、残っているのは後輩くん一人だけ。

「リーダー……俺アンタと会えなくなるのは嫌だ! ゲーム繋がりじゃいつまた切れるかわかんないし、リーダーはリアルで会うの嫌って言ってたけど、やっぱオフ会しよ! 俺とリア友になってください!」

リアルの自分はガリで不気味顔だからと、頑なに会う事を拒んでいたけれど、長年の付き合いで後輩の人となりはわかってる。

バカにしたりしないだろうと、勇気を出して会う事にした。

待ち合わせ場所でキョドッていると、別世界の生き物(金髪イケメン)に声をかけられる。

「あ、もしかしてリーダー⁉︎」
「はわあっ、そ、そのぉぉお、声はぁ!」
「あはは、先輩どもり過ぎ。落ち着いて」

後輩のアバターは可愛い系少年だったから、自分より背の高いイケメンが現れて、予想外すぎてビビりまくる。

「わあ、生の先輩だー! 思ってたとおり素敵な人だった」

どどどど、どこが? 心の声までどもり散らしているのに、後輩は気にせず腕を引く。

「行きましょう、今日はゲーセン行くんですよね!」

ゲームセンターに入ると、ゲームに集中するのでいつも通り後輩と話せた。

楽しいから家でもゲームしようって流れになって、家に呼ぶことになる。

対戦ゲームでチームを組んで、力を合わせて勝利した瞬間、嬉しくて隣の後輩に抱きつく。

「やったよ! 僕たちが一位だ!」
「わっ……」

饒舌な後輩が急に黙り込んで、真っ赤になっている。

なんか変だなって首を傾げていると、彼は正座をして意気込む。

「先輩! 今日めちゃくちゃ楽しかったです、このままつきあいましょうよ!」
「え? ああ、うん」

いざ会ってみると楽しかったし自然に話せたし、またリアルでゲームにつきあってもいいよ、と肯定する。

「本当ですか⁉︎ 嬉しい……っ!」

なんかめちゃくちゃ喜ばれて、そんなに一緒に遊ぶのが楽しかったのかこのイケメン、そっかあって自尊心をくすぐられちゃう。

去り際、玄関まで見送ると口の端にちょんとキスをされる。

は、へぁ? って思考停止していると、後輩ははにかんで甘く笑う。

「次はもっと色々、仲良しなことをしましょうね。それじゃ、お邪魔しました」

パタンと閉まった扉の前で、後輩がとんでもない勘違いをしていることに気づくまで、後五秒。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

熱のせい

yoyo
BL
体調不良で漏らしてしまう、サラリーマンカップルの話です。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

同僚に密室に連れ込まれてイケナイ状況です

暗黒神ゼブラ
BL
今日僕は同僚にごはんに誘われました

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

捜査員は柱の中央で絶頂を強制される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...