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16 妖精の国の図書館
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ユースと両思いになってから、アレッタは舞い上がったまま一向に降りてこない気持ちに翻弄されてばかりだった。
舞い上がりすぎて無意識に鼻歌まで歌ってしまい、マイムにそれを聞かれてしまう始末だ。
ちなみにやたらと褒められた。恥ずかしかった。
ユースは忙しい日でも朝と夜の食事の時間はアレッタのために空けておいてくれる。
嬉しくてたまらないとでも言いたげに頬を緩め甘い瞳で見つめてくるユースに対して、アレッタはたじたじになった。
数日間もてなしを受けながら過ごして、ユースがお仕事をがんばっているのに、私はずっと宮殿のお客様扱いだなんてこれではいけないとアレッタは奮起した。
手始めにマイムに妖精界での暮らしをきいてみることにした。お茶を用意するマイムを呼び止める。
「毎日どのように過ごしているかですか? うーん、そうですねえ……朝起きてご飯を食べて、お仕事がある日はお仕事をしてって、多分人間さんとそう変わらないんじゃないでしょうか?」
「マイムにおやすみの日はあるの?」
「ありますよ。休みたくなったらいつでもおやすみできます。今のところ私はアレッタ様のお世話を楽しくさせてもらっているので、おやすみが必要だと感じたことはありませんが」
「そういう感じなのね。休みが欲しくなったら遠慮しないでとってね?」
マイムははにかみながら、アレッタに新しいお茶を用意してくれた。
「大丈夫ですよ。それにアレッタ様の側にいると、なんだか気分がよくなるし調子もいいんです」
「そうなんだね。それ、いつもいろいろな妖精さんから言われるんだけど、妖精が見える人特有の特別な体質かなにかなのかな?」
マイムはうーんと首を傾げた。
「どうなんでしょう? アレッタ様の持つ魔力が、大多数の妖精にとって心地よいものなのかも……?」
「私にも魔力があるの?」
「はい、ありますよ。アレッタ様は魔力を持っているから、私達妖精が見えるんですよね?」
「えっ、そうなんだ」
自分のことなのに今まで知らなかった。気になったので、妖精や人間の違いについてもう一度調べ直してみたいと思ったアレッタは、書庫に案内してもらうことにした。
「まあ、ここもとても立派ね」
書庫は円形をしていて、天井近くまで本棚が続いている。円形のガラスの天井から光が差しこみ、その下を妖精達が飛び交う様はさながら絵画のごとき麗しさだった。
「アレッタ様の届かない場所の本は、私が取って参りますよ」
「ありがとうマイム。そうね、妖精の魔力とか妖精と人間の違いについてまとめられた本はある?」
「お待ちください、探して参りますね」
マイムは水の膜を張ったような羽根をまとい、空高く飛び上がっていった。
「こちらをどうぞ」
差し出された本を確認すると、丸っこい文字がくるくると書かれていた。どうやら人間の国とは文字が違うようだ。
てっきり言葉が通じるから文字も一緒だと思っていた。
「残念、読めそうにないわ……」
「そうなんですね……あっ、それでしたら少々お待ちください」
マイムは絵本を数冊抱えてすぐに戻ってきた。
「これなら絵が描いてありますので多少わかりやすいのではないでしょうか。ちょっとアレッタ様の求めている内容とは違うかもしれませんが……よかったら私もお読みしますよ」
「ありがとうマイム、この本でいいわ。一緒に読んでもらってもいい?」
「はい」
柔らかな色味で描かれた絵本を手に取る。それは原初の妖精のお伽噺だった。
昔々、妖精界が死の荒野だった頃、天から精霊様が降りてきて光、水、火、花、風、土の原初の妖精を産みだした。
光は美しい日の光を、水は清らかな泉を、火は温かな気温を、花は柔らかな生命を、風は綺麗な大気を、土は豊かな土壌をそれぞれ造った。
後から産まれた闇の妖精はなにも造らず、他の妖精が作ったものを羨み横取りしようとした。
妖精達は力をあわせて闇の妖精を封印し、光と風、花と水、火と土の妖精は結ばれそれぞれの王国を創設した、というような内容だった。
「これは妖精界では一般的なお話なの?」
「そうですね。誰もが子どもの頃に読むお伽噺ですよ。私のおばあちゃんもこの本を読んで育ったって言っていました」
妖精の起源の話なんて人間界にいた頃は聞いた試しもなかった。やっぱり、私はまだまだ妖精についてなにも知らないままなんだね。
これから妖精になるかもしれないのならもっと妖精のことを詳しく知っておきたい。他の絵本も読んでみよう。
そう決心したアレッタが顔を上げると、なにやら周囲が騒がしい。みんなの視線の先を追うと、ユースがアレッタに向かって歩いてきているところだった。
天井から差しこむ光がさながらスポットライトのようにユースを照らしている。今日も変わらず凛々しくてかっこいい。
「ユース、どうしたの?」
「アレッタ、ここにいたのか。少し時間ができたから君に会いにきたんだ」
「そうなの? ありがとう、嬉しい」
アレッタが立ち上がると、ユースは人目もはばからずにアレッタを抱擁した。
突然のことに真っ赤になって固まるアレッタの顔を、ユースは楽しげにのぞきこんだ。
「アレッタにもし興味があれば、人間から妖精になった者の話を参考に聞いてみないか?」
えっ、そんな方がいるのね。ぜひ会ってみたい。
「聞きたい!」
「では、明日の午後中庭に降りておいで。茶会を開くからまた俺のために着飾ってくれないか?」
「うん、がんばってオシャレするね」
「ああ、期待している」
アレッタの指先にチュッと音を立ててキスをするユース。わあっと周りから歓声が上がり、なぜか拍手する者までいる。
アレッタは思わず両手で顔を隠した。ユースはそんなアレッタの腰を抱いて辺りを見回した。
「みんな、俺達を祝福してくれるんだな、ありがとう。だか俺の婚約者は恥ずかしがり屋なようだから、そっと見守っていてくれないか?」
「わかりました殿下、でもこれだけ聞かせてください! ご成婚はいつ頃のご予定ですか!?」
快活そうな若者にそう聞かれたユースは、口元に人差し指を当ててニヤリと笑う。
「まだ未定だ。俺のがんばり次第といったところだな」
「私応援してます、殿下!」
若者の隣にいた女性がキラキラとした瞳でユースを応援している。そうか、あの人達も子どもがほしいのかもしれない。
そういえば、フラウとタウもやたら私をユースの元に送りこみたそうにしてたのを思いだした。
そっか、あの子たちも恋人同士か夫婦なんだわ。それにルーチェも初対面の頃にユースが幸せになると自分も幸せになる、というような話をしていた気がする。
もしかしたらルーチェも子どもが好きだからああいう話し方をしたのかもしれない。
「嬉しいわね。ついに私にも孫が産まれるかもしれないわ」
「気が早いわよ。でもうちの子もそろそろ年頃だからねえ、殿下がご成婚なさったらきっとまた家が賑やかになるわね」
品のいいご婦人方までもが、まだ見ぬ未来の孫の話で盛り上がっている……!
ごめんなさい、私そんなにすぐに結婚するとは言えないのよ……そもそも、私とユースはいつの間に婚約者になっていたの!?
「あの、ユース……私達、婚約者になっていたの?」
「いけなかっただろうか? 俺と君が両思いで恋人同士なのだとしたら、婚約者になるのは必然だと思ったのだが」
しゅんと眉尻を下げて悲しむユースを目の当たりにしたら、アレッタにはとても嫌だとは言えなかった。
「いけないなんて、そんなことないよ!」
「そうか、ならこれからよろしく、婚約者殿」
アレッタがそう告げると、ユースは花が咲くような表情で笑み崩れた。ああっ、眩しい……!
そうしてその日から、アレッタは王子様の婚約者として宮殿の者から扱われるようになった。
舞い上がりすぎて無意識に鼻歌まで歌ってしまい、マイムにそれを聞かれてしまう始末だ。
ちなみにやたらと褒められた。恥ずかしかった。
ユースは忙しい日でも朝と夜の食事の時間はアレッタのために空けておいてくれる。
嬉しくてたまらないとでも言いたげに頬を緩め甘い瞳で見つめてくるユースに対して、アレッタはたじたじになった。
数日間もてなしを受けながら過ごして、ユースがお仕事をがんばっているのに、私はずっと宮殿のお客様扱いだなんてこれではいけないとアレッタは奮起した。
手始めにマイムに妖精界での暮らしをきいてみることにした。お茶を用意するマイムを呼び止める。
「毎日どのように過ごしているかですか? うーん、そうですねえ……朝起きてご飯を食べて、お仕事がある日はお仕事をしてって、多分人間さんとそう変わらないんじゃないでしょうか?」
「マイムにおやすみの日はあるの?」
「ありますよ。休みたくなったらいつでもおやすみできます。今のところ私はアレッタ様のお世話を楽しくさせてもらっているので、おやすみが必要だと感じたことはありませんが」
「そういう感じなのね。休みが欲しくなったら遠慮しないでとってね?」
マイムははにかみながら、アレッタに新しいお茶を用意してくれた。
「大丈夫ですよ。それにアレッタ様の側にいると、なんだか気分がよくなるし調子もいいんです」
「そうなんだね。それ、いつもいろいろな妖精さんから言われるんだけど、妖精が見える人特有の特別な体質かなにかなのかな?」
マイムはうーんと首を傾げた。
「どうなんでしょう? アレッタ様の持つ魔力が、大多数の妖精にとって心地よいものなのかも……?」
「私にも魔力があるの?」
「はい、ありますよ。アレッタ様は魔力を持っているから、私達妖精が見えるんですよね?」
「えっ、そうなんだ」
自分のことなのに今まで知らなかった。気になったので、妖精や人間の違いについてもう一度調べ直してみたいと思ったアレッタは、書庫に案内してもらうことにした。
「まあ、ここもとても立派ね」
書庫は円形をしていて、天井近くまで本棚が続いている。円形のガラスの天井から光が差しこみ、その下を妖精達が飛び交う様はさながら絵画のごとき麗しさだった。
「アレッタ様の届かない場所の本は、私が取って参りますよ」
「ありがとうマイム。そうね、妖精の魔力とか妖精と人間の違いについてまとめられた本はある?」
「お待ちください、探して参りますね」
マイムは水の膜を張ったような羽根をまとい、空高く飛び上がっていった。
「こちらをどうぞ」
差し出された本を確認すると、丸っこい文字がくるくると書かれていた。どうやら人間の国とは文字が違うようだ。
てっきり言葉が通じるから文字も一緒だと思っていた。
「残念、読めそうにないわ……」
「そうなんですね……あっ、それでしたら少々お待ちください」
マイムは絵本を数冊抱えてすぐに戻ってきた。
「これなら絵が描いてありますので多少わかりやすいのではないでしょうか。ちょっとアレッタ様の求めている内容とは違うかもしれませんが……よかったら私もお読みしますよ」
「ありがとうマイム、この本でいいわ。一緒に読んでもらってもいい?」
「はい」
柔らかな色味で描かれた絵本を手に取る。それは原初の妖精のお伽噺だった。
昔々、妖精界が死の荒野だった頃、天から精霊様が降りてきて光、水、火、花、風、土の原初の妖精を産みだした。
光は美しい日の光を、水は清らかな泉を、火は温かな気温を、花は柔らかな生命を、風は綺麗な大気を、土は豊かな土壌をそれぞれ造った。
後から産まれた闇の妖精はなにも造らず、他の妖精が作ったものを羨み横取りしようとした。
妖精達は力をあわせて闇の妖精を封印し、光と風、花と水、火と土の妖精は結ばれそれぞれの王国を創設した、というような内容だった。
「これは妖精界では一般的なお話なの?」
「そうですね。誰もが子どもの頃に読むお伽噺ですよ。私のおばあちゃんもこの本を読んで育ったって言っていました」
妖精の起源の話なんて人間界にいた頃は聞いた試しもなかった。やっぱり、私はまだまだ妖精についてなにも知らないままなんだね。
これから妖精になるかもしれないのならもっと妖精のことを詳しく知っておきたい。他の絵本も読んでみよう。
そう決心したアレッタが顔を上げると、なにやら周囲が騒がしい。みんなの視線の先を追うと、ユースがアレッタに向かって歩いてきているところだった。
天井から差しこむ光がさながらスポットライトのようにユースを照らしている。今日も変わらず凛々しくてかっこいい。
「ユース、どうしたの?」
「アレッタ、ここにいたのか。少し時間ができたから君に会いにきたんだ」
「そうなの? ありがとう、嬉しい」
アレッタが立ち上がると、ユースは人目もはばからずにアレッタを抱擁した。
突然のことに真っ赤になって固まるアレッタの顔を、ユースは楽しげにのぞきこんだ。
「アレッタにもし興味があれば、人間から妖精になった者の話を参考に聞いてみないか?」
えっ、そんな方がいるのね。ぜひ会ってみたい。
「聞きたい!」
「では、明日の午後中庭に降りておいで。茶会を開くからまた俺のために着飾ってくれないか?」
「うん、がんばってオシャレするね」
「ああ、期待している」
アレッタの指先にチュッと音を立ててキスをするユース。わあっと周りから歓声が上がり、なぜか拍手する者までいる。
アレッタは思わず両手で顔を隠した。ユースはそんなアレッタの腰を抱いて辺りを見回した。
「みんな、俺達を祝福してくれるんだな、ありがとう。だか俺の婚約者は恥ずかしがり屋なようだから、そっと見守っていてくれないか?」
「わかりました殿下、でもこれだけ聞かせてください! ご成婚はいつ頃のご予定ですか!?」
快活そうな若者にそう聞かれたユースは、口元に人差し指を当ててニヤリと笑う。
「まだ未定だ。俺のがんばり次第といったところだな」
「私応援してます、殿下!」
若者の隣にいた女性がキラキラとした瞳でユースを応援している。そうか、あの人達も子どもがほしいのかもしれない。
そういえば、フラウとタウもやたら私をユースの元に送りこみたそうにしてたのを思いだした。
そっか、あの子たちも恋人同士か夫婦なんだわ。それにルーチェも初対面の頃にユースが幸せになると自分も幸せになる、というような話をしていた気がする。
もしかしたらルーチェも子どもが好きだからああいう話し方をしたのかもしれない。
「嬉しいわね。ついに私にも孫が産まれるかもしれないわ」
「気が早いわよ。でもうちの子もそろそろ年頃だからねえ、殿下がご成婚なさったらきっとまた家が賑やかになるわね」
品のいいご婦人方までもが、まだ見ぬ未来の孫の話で盛り上がっている……!
ごめんなさい、私そんなにすぐに結婚するとは言えないのよ……そもそも、私とユースはいつの間に婚約者になっていたの!?
「あの、ユース……私達、婚約者になっていたの?」
「いけなかっただろうか? 俺と君が両思いで恋人同士なのだとしたら、婚約者になるのは必然だと思ったのだが」
しゅんと眉尻を下げて悲しむユースを目の当たりにしたら、アレッタにはとても嫌だとは言えなかった。
「いけないなんて、そんなことないよ!」
「そうか、ならこれからよろしく、婚約者殿」
アレッタがそう告げると、ユースは花が咲くような表情で笑み崩れた。ああっ、眩しい……!
そうしてその日から、アレッタは王子様の婚約者として宮殿の者から扱われるようになった。
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