85 / 544
第2.5章 過去編 case Noel and Liese:
第83話 千切れぬ縁を
しおりを挟む
「は?」
内臓逆位、体内の臓器の位置が通常と逆になっている現象。
つまり身体のほぼ中心、やや左に寄っているはずの心臓を貫いたノエルの剣は実際には外れており、ほぼ致命傷であることに変わりはなくとも即死は免れあと一撃くらいは動けるのだった。
背後から急所を突いた完全な決まり手、それが外れ、尚且つ油断していたノエルは今この瞬間だけは無防備な状態、今度はこちらが窮地だ。
彼女の首元に迫る短剣、サラにノエルの身体は直接見えているわけではないが、密着しているこの体勢、見えていなくても全く問題ない。
この攻撃は刺さる、2人ともそう確信していた。
そう、2人は。
当事者である2人は確信していた。
2人には2人だけの世界が見えている。
だが外野はそうではない。
ピンと空気が張り詰め、ガラス玉を割ったような音が響いた。
僅かな残響の中、少し遅れて冷気が辺りに立ち込める。
氷属性系統の魔術、この属性はリーゼの得意とする分野だ。
「……やっと一撃入れました」
距離およそ100メートル、遥か向こうの地面に伏しているリーゼはそう言い残すと再び気を失った。
100メートル先に正確に魔術を発動させることも、それを実現する為に必要とされる魔力量も、一度魔力を使い切った状態から回復し、もう一度魔術を行使できるところまで持って行く技量も、どれか一つでも欠けていれば実現しなかった横槍。
サラの右手は凍り付き、短剣の鋒は尖っているものの殺傷能力を失っている。
氷はノエルに当たり、頬を冷やしたが命には届かなかった。
あと一歩の反撃もここまで、サラは敗北したのだ。
筋肉で硬直した剣をサラの身体から無理やり引き抜くと、傷口からはドバドバと血液が流れ出ていき、自らの今際の際を悟る。
「こ……こ、まで、か」
倒れたサラの側にはノエル一人、遠巻きに黒装束が見ているが、彼女を助けるそぶりもノエルに攻撃を仕掛ける様子もない。
ノエルもそれを感じ取ると、これ以上の攻撃は無いと判断したのか剣を収め、血だらけのサラの隣に座った。
服の裾がサラの血液を吸収していくが意に介さず、彼女を見つめている。
「剣聖……貴様のせいで台無しだ。私の10年間は一体……何……だったのだろうな」
「そんなこと私に聞かないでくれ。自分のことは自分が一番よくわかっているはずだ」
「そうか……確かに。だが、お前はどうだ? ……お前は、お前……の、ことを……どれくらい、知っている」
言葉の端々に割れた声が入り、息も荒い。
この女はもう長くない、それが伝わってくる。
「私は……私は私だ。剣聖のノエル・クレストだ」
「そうか。私も……私ら……しく生きてみたかった。……だが、それもここまでだ」
目から生気が失われていく。
レイテ村の近くで盗賊を皆殺しにした時とは違う、ゆっくりと死に向かって歩いて行く人間を目の前にして、ノエルは不思議と不快感を覚えることもなく、ただ命の終わりを目に焼き付けていた。
「剣聖、少しいいか」
「なんだ」
「お前……第2、段階……を、完全に……克服、したわけでは、ない、な?」
「うん」
「では、いつかまたお前が……お前でいられ……なく、なる日が……」
「ああ、多分お前の言う通り、私は剣聖の人格との戦いが始まる」
彼女が行った剣聖のクラス調服手順は正式なものではない。
故にこれからももう一人の人格とのせめぎあいは続くのだ。
「私から……助言だ。……縁を…………千切れぬ縁を、作れ。……出来れば沢山、あと……人を、想い……忘れるな。そうすれば……」
「そうすれば……なんだというのだ。その先が大事なんじゃないのか。なぁ、教えて…………。いや、もう眠れ」
顔を撫で、目を閉じさせる。
目を閉じたサラの表情は胸の痛みに苦しんでいたとは思えない程安らかで、この世の苦痛から解放されたことを喜んでいるようにすら見えた。
「さて」
ノエルは当たりを見渡し剣に手をかける。
黒装束たちは依然として動かない。
やろうと思えば動けるタイミングはいくらでもあった。
サラを勝たせることも出来たし、リーゼたちを殺すことも、ノエルを無力化して捕まえることも出来たはずだ。
しかしそうしなかった。
ノエルが辺りを見続けていると、やがて黒装束たちは距離を取り、そして森の中へと消えていった。
彼女が覚えているのはここまで、その後はスローモーションのようにゆっくりと地面へと近づき、意識が途絶えた。
※※※※※※※※※※※※※※※
「やれやれ、大人と言うのも楽ではないな。ここからもう一戦とは」
森の中、曲がった剣を杖代わりにして村へと向かっていたハルツは自らの限界を悟っていた。
とうに限界など超えていたが、もうこれ以上は本当に無理、そんな状態だ。
辺りには黒装束たちがずらり、先ほどまで戦っていた数よりさらに多い猟犬たち。
あんなに遺書みたいな独白をしておいて、恥ずかしながら生き残った。
だが今回は流石に…………
「ハルツ・クラーク」
「あ、はい」
「我々はこの件から手を引く。また相まみえることもあるだろう、さらばだ」
「あ……はい」
黒装束たちはハルツの横を通り抜け、そのままどこかへと歩いて行った。
……へ? これで終わり?
喜んでいいのか? 終わったということでいいのか?
それから1週間、冒険者一行はレイテ村に滞在し周辺の魔物調査や警戒任務に当たったが何も起こらず、クエストは終了した。
結果は無事に済んだとは言え、それなりに多くの失態もあった。
もう冒険者を続ける赦しは出ないだろうなと短い夢の時間を惜しんでいたノエルだったが、父親であるシャノン・クレスト公爵からは今後も励むようにとのことだった。
公爵からすれば、家に置いておくよりは安全だと考えたのだろう、あらゆる意味で。
こうしてノエルはリーゼと共に今日もクエストに勤しんでいる。
※※※※※※※※※※※※※※※
「……そう、分かったわ」
「この後の指示は?」
「そうね、貴方たちには少し休んでもらってから、フリードマン伯爵家に出向いてもらいます」
「奴の動きを探るのですか?」
「そう。彼、有能なんだけど少しオイタが過ぎるみたいなの。細かいやり方は任せるからお願いね」
「御意」
※※※※※※※※※※※※※※※
戦いの後、気を失った私が見た夢。
あれから2年以上経った今でも偶に同じ夢を見る。
――私は報酬を払った。代価は……ツケておくことにしよう。
――ツケ?
――そうだ。前借ができるならツケもできるだろう? お前は剣聖の力を自由に引き出し、本来存在する上限を無視することも出来る。
――うん、その通りだ。
――だから私はその逆、身体の実権を奪うための力を貯めておくことにする。それならフェアだろう?
――うん。
――よし、契約成立だ。では人格の奪い合いを再開するその日まで、仮初の日常を楽しんでおけ。あぁ後、今事情を把握している人間を除いて、剣聖に関して詳細な説明をすることを禁止する。私たちの行動に制限がかかるかもしれないからな。
――分かった。
……………………
「ノエル、何しているんですか。そろそろ馬車が出ますよ」
「ん。ああ、今行く!」
これから私たちは魔物の討伐任務に行く。
現地には2年前のことをもう忘れたのか盗賊もいるらしい。
レイテ村に行くのは久しぶりだ、エイダンやカーター殿は元気にしているだろうか。
私とリーゼはCランクになった。
冒険者として一角の人間になったという自覚はある、3日後、お前に会いに行くよ、サラ。
貴族令嬢は冒険者を夢見た。
その願いは現実のものとなり、クラスが発現してから2年、今年で17歳の少女はお目付け役の聖騎士と共に冒険者稼業を続けている。
この先、多くの困難と多くの試練が彼女たちを待ち受けているだろう。
だが、彼女はこの2年で多くの縁に恵まれた。
努力もした、才能もあった、運も、巡りあわせにも恵まれた。
サラの言う通り、多くの縁が彼女を助け、あるべき方向へ、ありたい姿へと導いてくれることだろう。
剣聖の少女は今日も元気だ。
「リーゼ、クエスト頑張ろう!」
「そうですね! 私たちもまだまだこれからですから!」
※※※※※※※※※※※※※※※
第2.5章 過去編 case Noel and Lise: 完
次章 第3章 大公選編 明日以降毎日更新予定
内臓逆位、体内の臓器の位置が通常と逆になっている現象。
つまり身体のほぼ中心、やや左に寄っているはずの心臓を貫いたノエルの剣は実際には外れており、ほぼ致命傷であることに変わりはなくとも即死は免れあと一撃くらいは動けるのだった。
背後から急所を突いた完全な決まり手、それが外れ、尚且つ油断していたノエルは今この瞬間だけは無防備な状態、今度はこちらが窮地だ。
彼女の首元に迫る短剣、サラにノエルの身体は直接見えているわけではないが、密着しているこの体勢、見えていなくても全く問題ない。
この攻撃は刺さる、2人ともそう確信していた。
そう、2人は。
当事者である2人は確信していた。
2人には2人だけの世界が見えている。
だが外野はそうではない。
ピンと空気が張り詰め、ガラス玉を割ったような音が響いた。
僅かな残響の中、少し遅れて冷気が辺りに立ち込める。
氷属性系統の魔術、この属性はリーゼの得意とする分野だ。
「……やっと一撃入れました」
距離およそ100メートル、遥か向こうの地面に伏しているリーゼはそう言い残すと再び気を失った。
100メートル先に正確に魔術を発動させることも、それを実現する為に必要とされる魔力量も、一度魔力を使い切った状態から回復し、もう一度魔術を行使できるところまで持って行く技量も、どれか一つでも欠けていれば実現しなかった横槍。
サラの右手は凍り付き、短剣の鋒は尖っているものの殺傷能力を失っている。
氷はノエルに当たり、頬を冷やしたが命には届かなかった。
あと一歩の反撃もここまで、サラは敗北したのだ。
筋肉で硬直した剣をサラの身体から無理やり引き抜くと、傷口からはドバドバと血液が流れ出ていき、自らの今際の際を悟る。
「こ……こ、まで、か」
倒れたサラの側にはノエル一人、遠巻きに黒装束が見ているが、彼女を助けるそぶりもノエルに攻撃を仕掛ける様子もない。
ノエルもそれを感じ取ると、これ以上の攻撃は無いと判断したのか剣を収め、血だらけのサラの隣に座った。
服の裾がサラの血液を吸収していくが意に介さず、彼女を見つめている。
「剣聖……貴様のせいで台無しだ。私の10年間は一体……何……だったのだろうな」
「そんなこと私に聞かないでくれ。自分のことは自分が一番よくわかっているはずだ」
「そうか……確かに。だが、お前はどうだ? ……お前は、お前……の、ことを……どれくらい、知っている」
言葉の端々に割れた声が入り、息も荒い。
この女はもう長くない、それが伝わってくる。
「私は……私は私だ。剣聖のノエル・クレストだ」
「そうか。私も……私ら……しく生きてみたかった。……だが、それもここまでだ」
目から生気が失われていく。
レイテ村の近くで盗賊を皆殺しにした時とは違う、ゆっくりと死に向かって歩いて行く人間を目の前にして、ノエルは不思議と不快感を覚えることもなく、ただ命の終わりを目に焼き付けていた。
「剣聖、少しいいか」
「なんだ」
「お前……第2、段階……を、完全に……克服、したわけでは、ない、な?」
「うん」
「では、いつかまたお前が……お前でいられ……なく、なる日が……」
「ああ、多分お前の言う通り、私は剣聖の人格との戦いが始まる」
彼女が行った剣聖のクラス調服手順は正式なものではない。
故にこれからももう一人の人格とのせめぎあいは続くのだ。
「私から……助言だ。……縁を…………千切れぬ縁を、作れ。……出来れば沢山、あと……人を、想い……忘れるな。そうすれば……」
「そうすれば……なんだというのだ。その先が大事なんじゃないのか。なぁ、教えて…………。いや、もう眠れ」
顔を撫で、目を閉じさせる。
目を閉じたサラの表情は胸の痛みに苦しんでいたとは思えない程安らかで、この世の苦痛から解放されたことを喜んでいるようにすら見えた。
「さて」
ノエルは当たりを見渡し剣に手をかける。
黒装束たちは依然として動かない。
やろうと思えば動けるタイミングはいくらでもあった。
サラを勝たせることも出来たし、リーゼたちを殺すことも、ノエルを無力化して捕まえることも出来たはずだ。
しかしそうしなかった。
ノエルが辺りを見続けていると、やがて黒装束たちは距離を取り、そして森の中へと消えていった。
彼女が覚えているのはここまで、その後はスローモーションのようにゆっくりと地面へと近づき、意識が途絶えた。
※※※※※※※※※※※※※※※
「やれやれ、大人と言うのも楽ではないな。ここからもう一戦とは」
森の中、曲がった剣を杖代わりにして村へと向かっていたハルツは自らの限界を悟っていた。
とうに限界など超えていたが、もうこれ以上は本当に無理、そんな状態だ。
辺りには黒装束たちがずらり、先ほどまで戦っていた数よりさらに多い猟犬たち。
あんなに遺書みたいな独白をしておいて、恥ずかしながら生き残った。
だが今回は流石に…………
「ハルツ・クラーク」
「あ、はい」
「我々はこの件から手を引く。また相まみえることもあるだろう、さらばだ」
「あ……はい」
黒装束たちはハルツの横を通り抜け、そのままどこかへと歩いて行った。
……へ? これで終わり?
喜んでいいのか? 終わったということでいいのか?
それから1週間、冒険者一行はレイテ村に滞在し周辺の魔物調査や警戒任務に当たったが何も起こらず、クエストは終了した。
結果は無事に済んだとは言え、それなりに多くの失態もあった。
もう冒険者を続ける赦しは出ないだろうなと短い夢の時間を惜しんでいたノエルだったが、父親であるシャノン・クレスト公爵からは今後も励むようにとのことだった。
公爵からすれば、家に置いておくよりは安全だと考えたのだろう、あらゆる意味で。
こうしてノエルはリーゼと共に今日もクエストに勤しんでいる。
※※※※※※※※※※※※※※※
「……そう、分かったわ」
「この後の指示は?」
「そうね、貴方たちには少し休んでもらってから、フリードマン伯爵家に出向いてもらいます」
「奴の動きを探るのですか?」
「そう。彼、有能なんだけど少しオイタが過ぎるみたいなの。細かいやり方は任せるからお願いね」
「御意」
※※※※※※※※※※※※※※※
戦いの後、気を失った私が見た夢。
あれから2年以上経った今でも偶に同じ夢を見る。
――私は報酬を払った。代価は……ツケておくことにしよう。
――ツケ?
――そうだ。前借ができるならツケもできるだろう? お前は剣聖の力を自由に引き出し、本来存在する上限を無視することも出来る。
――うん、その通りだ。
――だから私はその逆、身体の実権を奪うための力を貯めておくことにする。それならフェアだろう?
――うん。
――よし、契約成立だ。では人格の奪い合いを再開するその日まで、仮初の日常を楽しんでおけ。あぁ後、今事情を把握している人間を除いて、剣聖に関して詳細な説明をすることを禁止する。私たちの行動に制限がかかるかもしれないからな。
――分かった。
……………………
「ノエル、何しているんですか。そろそろ馬車が出ますよ」
「ん。ああ、今行く!」
これから私たちは魔物の討伐任務に行く。
現地には2年前のことをもう忘れたのか盗賊もいるらしい。
レイテ村に行くのは久しぶりだ、エイダンやカーター殿は元気にしているだろうか。
私とリーゼはCランクになった。
冒険者として一角の人間になったという自覚はある、3日後、お前に会いに行くよ、サラ。
貴族令嬢は冒険者を夢見た。
その願いは現実のものとなり、クラスが発現してから2年、今年で17歳の少女はお目付け役の聖騎士と共に冒険者稼業を続けている。
この先、多くの困難と多くの試練が彼女たちを待ち受けているだろう。
だが、彼女はこの2年で多くの縁に恵まれた。
努力もした、才能もあった、運も、巡りあわせにも恵まれた。
サラの言う通り、多くの縁が彼女を助け、あるべき方向へ、ありたい姿へと導いてくれることだろう。
剣聖の少女は今日も元気だ。
「リーゼ、クエスト頑張ろう!」
「そうですね! 私たちもまだまだこれからですから!」
※※※※※※※※※※※※※※※
第2.5章 過去編 case Noel and Lise: 完
次章 第3章 大公選編 明日以降毎日更新予定
0
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説
裏庭が裏ダンジョンでした@完結
まっど↑きみはる
ファンタジー
結界で隔離されたど田舎に住んでいる『ムツヤ』。彼は裏庭の塔が裏ダンジョンだと知らずに子供の頃から遊び場にしていた。
裏ダンジョンで鍛えた力とチート級のアイテムと、アホのムツヤは夢を見て外の世界へと飛び立つが、早速オークに捕らえれてしまう。
そこで知る憧れの世界の厳しく、残酷な現実とは……?
挿絵結構あります
引きこもり転生エルフ、仕方なく旅に出る
Greis
ファンタジー
旧題:引きこもり転生エルフ、強制的に旅に出される
・2021/10/29 第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞 こちらの賞をアルファポリス様から頂く事が出来ました。
実家暮らし、25歳のぽっちゃり会社員の俺は、日ごろの不摂生がたたり、読書中に死亡。転生先は、剣と魔法の世界の一種族、エルフだ。一分一秒も無駄にできない前世に比べると、だいぶのんびりしている今世の生活の方が、自分に合っていた。次第に、兄や姉、友人などが、見分のために外に出ていくのを見送る俺を、心配しだす両親や師匠たち。そしてついに、(強制的に)旅に出ることになりました。
※のんびり進むので、戦闘に関しては、話数が進んでからになりますので、ご注意ください。
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
ペット(老猫)と異世界転生
童貞騎士
ファンタジー
老いた飼猫と暮らす独りの会社員が神の手違いで…なんて事はなく災害に巻き込まれてこの世を去る。そして天界で神様と会い、世知辛い神様事情を聞かされて、なんとなく飼猫と共に異世界転生。使命もなく、ノルマの無い異世界転生に平凡を望む彼はほのぼののんびりと異世界を飼猫と共に楽しんでいく。なお、ペットの猫が龍とタメ張れる程のバケモノになっていることは知らない模様。
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
攫われた転生王子は下町でスローライフを満喫中!?
伽羅
ファンタジー
転生したのに、どうやら捨てられたらしい。しかも気がついたら籠に入れられ川に流されている。
このままじゃ死んじゃう!っと思ったら運良く拾われて下町でスローライフを満喫中。
自分が王子と知らないまま、色々ともの作りをしながら新しい人生を楽しく生きている…。
そんな主人公や王宮を取り巻く不穏な空気とは…。
このまま下町でスローライフを送れるのか?
悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!
えながゆうき
ファンタジー
妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!
剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる