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しおりを挟む「活躍って……もしかして『アサシンブレイク』とかの話か?」
「そう! あたしの配信でもめちゃくちゃ感謝のコメントをしてる人たちがいてね、なんだか助けまくってるんだよね?」
「まあな……初心者の人たちが楽しめなかったらと思うと心が痛くてな」
「兄貴……さすがだよ!」
キラキラとした眼差しを向けてくる舞。
まあ、助けて回っていた理由の大部分は別なんだが、舞に尊敬されたしいっか!
「なんだか、すごいゲーム盛り上がってるみたいねー。舞は配信とかもしてるのよね?」
義母の声に、舞が笑顔で頷いた。
「うん! 今日もすごい見てもらえてねっ! あっ、兄貴も動画投稿始めたんだよ!」
「え? そうなの悠斗?」
「まあ、せっかくだしお小遣い稼ぎくらいにはなると思ってな」
「へぇ……今の時代っていいわよねぇ」
嬉しそうな義母の様子を見るに、結構俺のことを心配してくれていたんだろうな……。
そう思うたび、女神ちゃんとしろやボケぇ! と思ってしまう。
今後は、心配かけさせないように異世界で手に入れた力を全力で活用して俺の元気な姿を見せていかないとな。
「そういえば兄貴。さっき全員の武器送ってくれてたよね?」
「ちょうど四人の使ってる武器がドロップしたからな。そういえば、もしかして転職して使ってる武器変わったとかあるか?」
「ううん。転職はしたけど、武器は変わってないんだ。ちなみにあたし【バーサーカー】に転職したんだよ!」
【バーサーカー】か。他のゲームで言えば、攻撃特化の職業だろうか?
「かなり火力ありそうな職業だな」
「今スキルブック見た感じ、かなり強そうだったよ? たぶん解放条件が斧を使って敵を倒した回数みたいなんだよね。スキルブックでも、斧攻撃を強化するのが多いし」
「……なるほどな。そういえば、金はあるのか? スキルブック買うお金結構かかるんじゃないか? あげるぞ?」
「一応、職業スキルは変えたから大丈夫! 【ワープ】は一人だけしか買えてないけど、今はパーティーを組んでるからそれでも十分だしね!」
「それなら別にいいけど、困ったら言ってくれよ? いくらでもお金準備するからな?」
「大丈夫。もういっぱい助けてもらってるしね」
まあ、そういうなら……いいか。
あんまり押しても舞が困ってしまうしな。
俺は小さく息を吐いてから、貢ぎたい気持ちをぐっと抑えた。
次の日。
昨日の夜はひたすらレベル上げをしていた。リザードマンを狩りまくっていたのだが、武器のドロップはちょこちょこあったのだが、短剣はまだない。
短剣を持ったリザードマンがドロップするんだろうとは思っているのだが、今のところその様子はない。
まあ、武器に関してはまた後で狙うとして、今は『アサシンブレイク』だな。
『アサシンブレイク』が動き出したようで、目撃情報が増えている。
またあちこちでPKが起きているようでネットでは、メンテ前の最後に稼いで起きたいのでは? という意見が多いのだが、それは違うのではないかと思う。
ネットに転がっていた『リトル・ブレイブ・オンライン』のアンタレス周辺地図に目撃情報を書き込んでいったのだが、どれもそう遠くない距離だ。
露骨なんだよな。
明らかに誰かを誘い出すかのように、彼らはPKを行っている。
まあ、誰かというか、俺なんだろうな。すでに俺をPKするための準備ができたからこそ、彼らはPKを行い、俺を誘い出している。
なんなら、ここは匿名掲示板だ。もしかしたら、この目撃情報ももしかしたら嘘も混じっている可能性がある。
ここで動かないとなれば、今度は誰も助けてくれなかった、とか書き込んで俺を誘き出すためかもしれないな。
「お兄様、どうするんですか?」
「予定通り、『アサシンブレイク』と戦うつもりだぞ」
「……だ、大丈夫なんですか? ほら、あの他の冒険者さんに協力を申し出るとか」
「そんなことしたら楽しくないじゃん。ほら、早速配信開始するから、ルルラ頼むな」
「……や、やっぱり私がするんですか!?」
「内気を治したいんだろ? 司会進行解説頼むな」
「ほ、ほぼ全部じゃないですかぁ!?」
ルルラが瞳を戸惑いで揺らしながら叫ぶなか、俺は配信の準備を進める。
タイトルに『アサシンブレイク』や『リトル・ブレイブ・オンライン』という単語を使い、PKKなどの用語もあわせておく。
あと、サムネイルの画像は準備していたものがある。ルルラと俺が一緒に映っているものだ。
配信の準備が完了したので、早速配信を開始する。事前に枠自体は確保していたので、わずかだが待機していた人たちがいるようだ。
俺はすぐに分身にTwotterで配信開始を告げる呟きをしてもらう。あとは、細かいことは分身に管理させるつもりだ。
俺が配信を始めると、すぐにいくつかのコメントがついていた。
分身を通して内容は理解できるので、別に画面を見る必要はないのだが、ルルラにコメントが見えるように俺の眼前に表示する。
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