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「ありがとうございました! これで、北の街への移動もだいぶ安全に行えるようになりました!」
「それなら良かったよ。ほら、たんまり報酬くれるんだろ?」
「ええ、もちろんです! こちら報酬になります!」

 ……おお、三万ゴールド! これなら、新しいスキルブックが買えるな。
 よくを言えばもっとお金をくれてもいいんだぞ? とは思ったがまあ十分だ。

 集めた魔石や素材を売り捌けば、四万ゴールドになるため、これならあのスキルが購入できるかもしれない。
 俺は早速、転職神殿へと向かった。

 ……ていうか、転職神殿もギルドもそうだが、二十四時間経営なのだろうか?
 かなりのブラックではあるが、勇者も二十四時間営業だったし仲間だな!



 転職神殿に移動した俺は、早速今朝見かけたシスターさんをまた見かけた。
 ……ええ、マジで? この人も二十四時間営業なのだろうか? リアルに作られているからこそ、こういうところはちょっと、な。

「シスターさん、仕事休まないのか?」
「ここが私の家ですので、気にしないでください。アットホームな職場です」
「それってブラック企業の常套句じゃ――」
「えい」

 相変わらずのビンタだぜ。
 あんまり追及するとやられるようだな。

 ビンタノルマを達成したところで石像へと向かい、早速スキルを購入しに向かう。
 探していたのは、四万ゴールドのスキル――ワープだ。

 これは一度移動したことのある街、ダンジョンへと移動できるスキルだ。
 戦闘中は使用できないため、基本的には移動専用だとは思うが、これがあれば街の移動も楽になる。

 この後、一度アンタレスに戻る予定があるので、これがあると便利だ。
 またダンジョンを超えてもいいが、毎度のようにボスモンスターと戦っても疲れるからな。

 とりあえずこれでまた懐が寒くなってきたが、ひとまずここからは金策だ。
 やることは簡単。

 モンキーナイフ程度の魔物たちを狩りまくって、ドロップした装備品をプレイヤーに売りつけるだけだ。



 武器販売スレ1

 1:名無しの異邦人
 どうも、武器売ります
 欲しい人はここにコメント書いてください
 アンタレスの街、噴水広場で売りますので声をかけてください

 2:名無しの異邦人
 武器うるってどんな武器なんだ?

 3:名無しの異邦人
 この画像を確認してください

 4:名無しの異邦人
 ふぁ!?
 なんでこんな武器あるんだよ!?

 5:名無しの異邦人
 おかしいだろ
 チーターか?

 6:名無しの異邦人
 チーターはいないって話だぞ?
 かなり運営が力入れてるらしいから、無理だって

 7:名無しの異邦人
 だったらなんでこんな強い武器があるんだよ?
 ありえなくないか?

 8:名無しの異邦人
 攻略組が余ってる武器を売ってるとか?

 9:名無しの異邦人
 だとしても性能高すぎないか?

 10:名無しの異邦人
 俺怖いから買わんわ
 なんかどっかで晒されそうだし

 11:名無しの異邦人
 俺行ってきたらこのスレ主、ユートだぞ!

 12:名無しの異邦人
 ユートってあのマイちゃんの兄貴の!?

 13:名無しの異邦人
 マイちゃんの兄貴ってマジ?

 14:名無しの異邦人
 なら、武器も本物かよ!

 15:名無しの異邦人
 ひょっとこの仮面つけてたからすぐ分かったぞw
 武器ありがとうございました、店売りのとは比較にならない性能です

 16:名無しの異邦人
 おいおい、こんな朝の五時にいきなり売り出すって……早起きしてよかったぜ

 17:名無しの異邦人
 マジで高性能の武器ばっかじゃねえか

 18:名無しの異邦人
 まだ序盤で手に入る武器は、どれも職業専用装備とかはないんだな

 19:名無しの異邦人
 自由に自分の好きな武器を使えるのは助かるな

 20:名無しの異邦人
 ていうか、ユートさんってマイちゃんにだけ装備寄付してたのかと思ってたわ

 21:名無しの異邦人
 最優先はマイです ここのは余りもんです

 22:名無しの異邦人
 草

 23:名無しの異邦人
 ユートさん、やっぱシスコンか?

 24:名無しの異邦人
 妹を思うのは誰でも共通だと思いますが

 25:名無しの異邦人
 草
 余りでもそれでもありがたいわ





 100:名無しの異邦人
 皆さんありがとうございました
 ほぼ売り終わってしまったので、今回はここで終わりです
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