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第23話
しおりを挟む「というわけで、あたしたちはEランク迷宮に挑戦することになったわ」
「え? Eランク迷宮ですか……? いきなりで、大丈夫ですかね……?」
アンナは不安そうにしていた。俺としても、アンナと同じような気持ちもあったのだが、リアは首を横に振った。
「大丈夫だと思うわよ。ていうか、あたし達の場合ハンドガンが通用するランクの魔物までなら、問題なく戦えると思うわ。あたし的には、Eランクの魔物くらいまでならどうにかなると思ったのよ」
リアも何も考えずにEランク迷宮に挑戦しようとしているわけではないだろう。
彼女の意見に俺もアンナも納得だ。
ナーフィは、特にどこでも気にはしないようだ。
俺たちはウッドン迷宮へ向かうため、東門へと向かう。東門を出てすぐのところに、小山のようなものが見えた。
「あれが、迷宮か?」
「ええ、そうよ」
一番近くに一つ、さらに奥にもう一つある。簡素な作りの看板も置かれており、手前側がウッドン迷宮で間違いないようだ。
門の外に出たところで、武器の確認をしておく。全員、ちゃんとハンドガンにマガジンが入っているのを確認してから、アイテムボックスに戻した。
「迷宮っていうのはどんな感じなんだ?」
「どんな感じって……何が聞きたいの?」
「中の雰囲気とか……あとは、ここの階段を降りていくんだよな?」
小山のような入り口から、地下へと階段が繋がっている。
「……実を言うと、迷宮に関しては分かっていないことが多いのよ。迷宮は地下へと伸びてるけど、例えばこの入り口の下を掘っても何もないのよ」
「つまり、異空間に繋がっているってことか」
「そうね。内部はその迷宮によって様々だけど、基本的には大きな空間が広がってるのよ。魔物たちは迷宮の地面や壁から出てきて、中に入った人を追い返すように攻撃してくるわ。だから、迷宮自体が生き物で、邪魔者を排除しようとしているのではないかとは言われてるわね」
「……なるほどな」
「でもまあ、結局のところそれらも全部研究者の推測でしかないのよ。迷宮を作った張本人を呼び出して聞かない限り、真実は分からないわね」
謎は多いが、経験値や素材が手に入るし、冒険者としては行かない手はない、という感じなんだろうな。
それに、異空間ということはもしかしたら元の世界に戻るためのきっかけが見つかるかもしれない。
準備を終えた俺たちは、迷宮の入り口から見える階段をゆっくりと下りていった。
ウッドン迷宮へと下りた俺たちは第一階層へと着いた。
平原のような空間に、ところどころ森や大きな岩などがある。
広々とした空間は遠くまで見通せるが、それはつまり敵からしてもそうだというこだよな。
「思ったよりも、戦いやすそうな迷宮ですね……」
ほっと息を吐いたアンナに問いかける。
「もっと面倒な迷宮もあるのか?」
「は、はい。遺跡みたいな迷宮もあれば、すべてのエリアが海の迷宮などもあるようです」
「……海、それは面倒そうだな」
「はい。人は浮きませんからね」
「……いや、浮きはするだろ?」
「……」
アンナは笑顔を浮かべ、誤魔化している。どうやら、アンナはカナヅチのようだ。
「木の多い場所とか、岩の付近だと視界が悪そうだな」
「……木の中から奇襲される可能性もありますので、油断はしないほうがいいと思います」
「……冒険者の姿はないけど、不人気の迷宮なんかね?」
「ど、どうでしょうか……? もしかしたら、別の階層にいるのかもしれませんね」
「迷宮っていくつか階層があるのか?」
「あります。Gランク迷宮は一階層とボス階層がありますね」
「……ボス階層は別で数えるんだな」
「はい。それからは、ランクが上がるごとに階層が一つずつ増えます」
「ということは、Eランク迷宮は三階層まであるのか。魔物の強さは奥の階層の方がやっぱ強いのか」
一階層と三階層で出現する魔物に違いがあるのなら、一階層にいたほうがいいだろう。
「多くの場合がそうですね。出現する魔物は一緒ですが、魔物のレベルが高いので同じように戦うと危険ではありますよ」
「……なるほどな。それじゃあ、とりあえずは一階層で戦闘でもしていくか」
「はい」
アンナも、迷宮に関しての知識はそれなりに持っているようだ。
……まあ、リアもアンナも恐らくだが冒険者として活動するようなことも考えていたはずだ。
その時にでも調べたんじゃないだろうか。
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【注】
作者は豆腐メンタルなので、誹謗中傷はおやめ下さい。
誤字脱字等の間違いは多いと思います。指摘してくださるとありがたいです。
感想への返信は遅くなると思います。
突発的に思いついた話なので、設定はゆるゆるです。
誤字脱字等をご指摘いただいたみなさん、ありがとうございました。
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