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日常
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あれから三年。
僕は完全に立ち直ってしまっていた。
四年制の大学に進学し、冴えない文系学生人生を絶賛歩み中だ。
「おーい玲矢、代わりに次の講義の出席票出しといてくれよー」
「1000円な」
この阿保は棚沢悠斗、サークルも同じでよく授業も同じになる事が多いから友達になった。
阿保といってもコイツは腹が立つ事に学はあり、授業に参加しなくとも点をとりやがる。
「ケチだなぁ、なぁお願いだよレェえもん、ひみつ道具出すより簡単だろ?ほら紙を出すだけだよ」
「じゃあ500円」
「いや、ドラえもんがのび太君に請求する所見た事ないよ?」
「…」
仕方ないから依頼されてやろうかゆう太くん。
そんなかんやで僕は授業を受けている。
「あら、ご機嫌よう。今日も今日とて死んだ目をしているのね」
「…」
彼女の名前は九条麗華。
僕の彼女である。
何というか、ツンデレだ
僕が入っているサークルで知り合った。彼女の家は名高き総合グループ「九条グループ」の社長一家でいわゆる お嬢様 だが彼女は気品があるとかそういうのではなくワガママでウルサイし名家の令嬢とは程遠い。
僕はそんな彼女と付き合っている。
まぁいいところもあるんだが
「聞いてるの?!挨拶してやったんだから返事ぐらいしなさいよ!」
「…ご機嫌よう」
サークルも終わり遊ぶ約束もないので僕はさっさと帰路についていた。
地元の大学なので、自宅へは歩いて通っているが。街というのは実に歩きづらい街だ。特に僕みたいに急いでもいないほんわかした奴にとっては、都会のせかせかした歩調は合わない。
なんでも、帰路が重いのはそれだけではない。
「…」
例の歩道橋を渡らないと行けないのだ。
ここを渡らないと相当遠回りになるし。ここを通る事自体問題ないと思うようにしている。
「にしても…今日はなんだか変な風が吹くな」
ビル風にしては寒すぎるというか。背筋をすり抜けて風が吹くような悪寒がした。
「…はよ帰ろ」
僕は少し怖くなって小走りで家へ向かった。
家に帰ると、息が上がりゼェゼェ言っている僕を母が心配した。
「あんた大丈夫?」
「っああ、大丈夫ぅ」
喉の潰れた元プロレスラーのような声で僕は返事をした。
「なんなんだ、あの足音。」
あの歩道橋を過ぎた辺りから ペタ ペタ となんだか素足で歩くかのような音が僕を追っている。
怖くなり久々に全速力で走ったが、遅くなっていた。もうワシも歳かのう…
「ねぇ…玲矢ぁ…」
耳もでささやかれた。
「母さん大丈夫だって言っただろう、もう」
だが返ってきたのは一階にいる母さんの声「わかってるわよ」だった。
僕の部屋は二階だが二階には僕しか今はいない。え?おかしくね?
だれが囁いて…
「ねぇってば」
僕は肩を揺すぶられた。
「!?」
なんだこれ悪寒しかしない。肘をぶつけてジーンとするあれとか黒板爪で擦るあれとかと同じイヤな感じ。
僕は恐る恐る背後を見ることにした。
「オイっすぅ!」
「!?」
そこには死んだはずの優花が立っていた。
僕は完全に立ち直ってしまっていた。
四年制の大学に進学し、冴えない文系学生人生を絶賛歩み中だ。
「おーい玲矢、代わりに次の講義の出席票出しといてくれよー」
「1000円な」
この阿保は棚沢悠斗、サークルも同じでよく授業も同じになる事が多いから友達になった。
阿保といってもコイツは腹が立つ事に学はあり、授業に参加しなくとも点をとりやがる。
「ケチだなぁ、なぁお願いだよレェえもん、ひみつ道具出すより簡単だろ?ほら紙を出すだけだよ」
「じゃあ500円」
「いや、ドラえもんがのび太君に請求する所見た事ないよ?」
「…」
仕方ないから依頼されてやろうかゆう太くん。
そんなかんやで僕は授業を受けている。
「あら、ご機嫌よう。今日も今日とて死んだ目をしているのね」
「…」
彼女の名前は九条麗華。
僕の彼女である。
何というか、ツンデレだ
僕が入っているサークルで知り合った。彼女の家は名高き総合グループ「九条グループ」の社長一家でいわゆる お嬢様 だが彼女は気品があるとかそういうのではなくワガママでウルサイし名家の令嬢とは程遠い。
僕はそんな彼女と付き合っている。
まぁいいところもあるんだが
「聞いてるの?!挨拶してやったんだから返事ぐらいしなさいよ!」
「…ご機嫌よう」
サークルも終わり遊ぶ約束もないので僕はさっさと帰路についていた。
地元の大学なので、自宅へは歩いて通っているが。街というのは実に歩きづらい街だ。特に僕みたいに急いでもいないほんわかした奴にとっては、都会のせかせかした歩調は合わない。
なんでも、帰路が重いのはそれだけではない。
「…」
例の歩道橋を渡らないと行けないのだ。
ここを渡らないと相当遠回りになるし。ここを通る事自体問題ないと思うようにしている。
「にしても…今日はなんだか変な風が吹くな」
ビル風にしては寒すぎるというか。背筋をすり抜けて風が吹くような悪寒がした。
「…はよ帰ろ」
僕は少し怖くなって小走りで家へ向かった。
家に帰ると、息が上がりゼェゼェ言っている僕を母が心配した。
「あんた大丈夫?」
「っああ、大丈夫ぅ」
喉の潰れた元プロレスラーのような声で僕は返事をした。
「なんなんだ、あの足音。」
あの歩道橋を過ぎた辺りから ペタ ペタ となんだか素足で歩くかのような音が僕を追っている。
怖くなり久々に全速力で走ったが、遅くなっていた。もうワシも歳かのう…
「ねぇ…玲矢ぁ…」
耳もでささやかれた。
「母さん大丈夫だって言っただろう、もう」
だが返ってきたのは一階にいる母さんの声「わかってるわよ」だった。
僕の部屋は二階だが二階には僕しか今はいない。え?おかしくね?
だれが囁いて…
「ねぇってば」
僕は肩を揺すぶられた。
「!?」
なんだこれ悪寒しかしない。肘をぶつけてジーンとするあれとか黒板爪で擦るあれとかと同じイヤな感じ。
僕は恐る恐る背後を見ることにした。
「オイっすぅ!」
「!?」
そこには死んだはずの優花が立っていた。
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