その宝石の名前はフレラルート

kio

文字の大きさ
上 下
16 / 17

幕間『乙女ゲームの悪役令嬢』

しおりを挟む
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私をもう愛していないなら。

水垣するめ
恋愛
 その衝撃的な場面を見たのは、何気ない日の夕方だった。  空は赤く染まって、街の建物を照らしていた。  私は実家の伯爵家からの呼び出しを受けて、その帰路についている時だった。  街中を、私の夫であるアイクが歩いていた。  見知った女性と一緒に。  私の友人である、男爵家ジェーン・バーカーと。 「え?」  思わず私は声をあげた。  なぜ二人が一緒に歩いているのだろう。  二人に接点は無いはずだ。  会ったのだって、私がジェーンをお茶会で家に呼んだ時に、一度顔を合わせただけだ。  それが、何故?  ジェーンと歩くアイクは、どこかいつもよりも楽しげな表情を浮かべてながら、ジェーンと言葉を交わしていた。  結婚してから一年経って、次第に見なくなった顔だ。  私の胸の内に不安が湧いてくる。 (駄目よ。簡単に夫を疑うなんて。きっと二人はいつの間にか友人になっただけ──)  その瞬間。  二人は手を繋いで。  キスをした。 「──」  言葉にならない声が漏れた。  胸の中の不安は確かな形となって、目の前に現れた。  ──アイクは浮気していた。

銀の鬼神とかわいいお嫁さん

鐘ケ江 しのぶ
恋愛
 タイトル変えました。  気がついたら、結婚式直前の支度の真っ最中。  自分は三十で、相手はなんと齢十歳の少女。  結婚式待ったなしの状況で、必死に思い出す。  自分は若くして辺境伯に着いたバルド・フォン。統治者としてはまあまあ妥協点、戦闘力に関しては国一、他人や自分にすら興味を持てないめんどくさがり屋。周りが結婚結婚結婚と煩くて、適当に山の釣書から適当に引き当てたのが、ベルド伯爵家長女エミリアだった。  記憶の断片が脳裏に浮かぶ。  ああ、そうかこれは、前回の記憶。  このままいけば、エミリアは悲惨な末路を迎える。そして自分がいずれ犯す大罪も、それにより嘆き悲しむ大切な人達、不幸になる関係のない人達。  そんなこと、させてたまるか。  エミリアを幸せにして、凄惨な未来を回避してみせる、とバルド・フォンは誓い、行動する。  恋愛第二弾。  見切り発車の思い付きです。  もろもろ誤字は優しくスルーしてください。  

【完結】要らないと言っていたのに今更好きだったなんて言うんですか?

星野真弓
恋愛
 十五歳で第一王子のフロイデンと婚約した公爵令嬢のイルメラは、彼のためなら何でもするつもりで生活して来た。  だが三年が経った今では冷たい態度ばかり取るフロイデンに対する恋心はほとんど冷めてしまっていた。  そんなある日、フロイデンが「イルメラなんて要らない」と男友達と話しているところを目撃してしまい、彼女の中に残っていた恋心は消え失せ、とっとと別れることに決める。  しかし、どういうわけかフロイデンは慌てた様子で引き留め始めて――

【完結】会いたいあなたはどこにもいない

野村にれ
恋愛
私の家族は反乱で殺され、私も処刑された。 そして私は家族の罪を暴いた貴族の娘として再び生まれた。 これは足りない罪を償えという意味なのか。 私の会いたいあなたはもうどこにもいないのに。 それでも償いのために生きている。

平凡令嬢は婚約者を完璧な妹に譲ることにした

カレイ
恋愛
 「平凡なお前ではなくカレンが姉だったらどんなに良かったか」  それが両親の口癖でした。  ええ、ええ、確かに私は容姿も学力も裁縫もダンスも全て人並み程度のただの凡人です。体は弱いが何でも器用にこなす美しい妹と比べるとその差は歴然。  ただ少しばかり先に生まれただけなのに、王太子の婚約者にもなってしまうし。彼も妹の方が良かったといつも嘆いております。  ですから私決めました!  王太子の婚約者という席を妹に譲ることを。  

あなたの婚約者は妹ではありませんよ

hana
恋愛
「エリー、君のことを愛している」 パーティー会場でそう愛を告げた私の婚約者。 しかし彼の前には私ではなく、妹アクアの姿が。 あなたの婚約者は妹ではありませんよ。

悪役令嬢の残した毒が回る時

水月 潮
恋愛
その日、一人の公爵令嬢が処刑された。 処刑されたのはエレオノール・ブロワ公爵令嬢。 彼女はシモン王太子殿下の婚約者だ。 エレオノールの処刑後、様々なものが動き出す。 ※設定は緩いです。物語として見て下さい ※ストーリー上、処刑が出てくるので苦手な方は閲覧注意 (血飛沫や身体切断などの残虐な描写は一切なしです) ※ストーリーの矛盾点が発生するかもしれませんが、多めに見て下さい *HOTランキング4位(2021.9.13) 読んで下さった方ありがとうございます(*´ ˘ `*)♡

5度目の求婚は心の赴くままに

しゃーりん
恋愛
侯爵令息パトリックは過去4回、公爵令嬢ミルフィーナに求婚して断られた。しかも『また来年、求婚してね』と言われ続けて。 そして5度目。18歳になる彼女は求婚を受けるだろう。彼女の中ではそういう筋書きで今まで断ってきたのだから。 しかし、パトリックは年々疑問に感じていた。どうして断られるのに求婚させられるのか、と。 彼女のことを知ろうと毎月誘っても、半分以上は彼女の妹とお茶を飲んで過ごしていた。 悩んだパトリックは5度目の求婚当日、彼女の顔を見て決意をする、というお話です。

処理中です...