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5章
裁判
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裁判の日を迎え、私は喪服でクリスティーナの部屋にいた。
「いよいよね。わたくしは傍聴席で健闘を祈ることしかできないけれど、アイリーンは何も悪くないのだから自信を持って」
「はい……」
時間になったらヒュー皇子殿下が呼びにきてくれることになっている。
お城にある裁判所で、一般の人を入れない形で両親と対峙することになった。
皇子殿下が裁判長を務めてくれるし、皇室の弁護士が何度も家に来て相談に乗ってくれて、これ以上ないほど恵まれているのに……両親が相手だと思うと不安が消えない。
――私は、あの人たちに言い返すことができるだろうか。
裁判所なんて、人生で一度も行ったことがない。
訴えたのは私だけれど、醜い言い合いをしなくてはならないのかもしれない。
「アイリーン、時間だ」
皇子殿下が側近のオルウィン侯爵と共に私とクリスティーナを呼びに来た。
赤に金の刺繡が入った派手なローブを身に付けている。どうやらこれが裁判長の正装らしい。
クリスティーナと小さくうなずき合って、部屋を出る。
実家にいた時の私は親に反抗することなどできなかったけれど、今はもう、両親に全てを握られてはいない。
人狼のみんなやユリシーズのためにも、私は絶対に勝たなくちゃ――。
***
お城の中にある裁判所は、オルブライト家の食堂が3つ分くらい入る大きさがある。
2階建てで、2階には1列に10人ほど座れそうな席が2列、傍聴席として設けられていた。原告と被告が座る席は1階だから、傍聴席からは全てが見渡せるようになっている。
クリスティーナは2階に向かって歩いて行き、私は原告と被告が座る席である一番前の列に向かう。訴える側が訴えられる側と横並びで座るのか、と両親の姿を捉えながら思った。
両親は、こちらをチラリと見ただけで表情も動かさずに前を向く。
私の座る席の後ろが弁護士の席だ。
弁護を務めてくれるのはバートレットで、バートレットの補佐兼証人としてシンシアと皇室の弁護士が横に座っていた。
弁護士を探さなくちゃとバートレットに伝えた時、「ではわたくしめが」と名乗り出た時には大層驚いたのだけれど、バートレットはもともとオルブライト家の法務を担当するためユリシーズのお父様の援助で法律を勉強し、弁護士の資格を持っているのだという。
なんだかバートレットの底が知れない。
つくづく有能な人ね、といつも通りのポーカーフェイスを見て勇気が湧く。
バートレットが座る弁護士席の前の列、原告の席に着くと、後ろから「奥様、右と左にひとつずつ見えている演説台ような場所が、それぞれ原告側と被告側の証言台です」と小声が聞こえる。
バートレットの方を振り向き、「じゃあ、私たちは向かって左側の証言台を使って主張をするの?」と尋ねた。
「さようでございます。弁護人が最初に証言台に向かい、弁護人同士で訴状の確認と主張をします。その後、それぞれの主張に合わせて裁判官が被告や原告を呼びますので、呼ばれた者が証言台に立って話します。どなたかの主張が途中でも、弁護人は弁護する内容があれば席からでも口を挟むことができますので、ところどころで助け船は出せるかと」
「えっ? バートレット、そんなに話せるの? 大丈夫??」
「……まさかそんなことを心配されるとは思いませんでした」
バートレットが私の方を見ながら頭が痛そうにしている。
だって、バートレットって積極的に喋る印象がない。
カン! と小槌の音が裁判所に響いた。
「静粛に。これから裁判を始めます。原告代理人と被告代理人は証言台へ進んでください」
小槌で音を立てたのは皇子殿下で、声を上げたのはヒュー皇子の隣に座っている人だった。
私たちの席からは後ろ側に当たる檀上に裁判官の席があり、中央は裁判長を務めるヒュー皇子の席。
裁判官たちは全員黒いローブを羽織っている。中央に座るヒュー皇子だけが赤いローブ姿だ。
バートレットとお父様の弁護士が席を立ち、それぞれの証言台に立つ。
証言台は向かい合っていて、お互いを見ながら発言するような作りだ。
「それでは、原告側より訴状を読み上げてください」
バートレットが手元の書類を腰辺りに掲げた。
「訴状――原告、アイリーン・オルブライトは、クライトン子爵と子爵夫人に対し親権放棄を申し立て、今後の接触を絶っていただくように望みます」
バートレットの低く澄んだ声が響く。
「それでは、被告側は答弁書を読み上げてください」
裁判官がバートレットの発言を受けて、お父様側の弁護士を促した。
「答弁書――アイリーン・オルブライトは、成人になるまでクライトン子爵家で育ち、オルブライト伯爵家に婚姻という形で入りました。これはクライトン家が皇帝陛下から命を受けたためです。クライトン家なくして現在のアイリーン・オルブライトはあり得ません。申し立ては生み育てた親として受け入れがたいものです」
まあ、想像していた通りの主張ね。バートレットも全く動揺していない。
「それぞれの主張が合意に至らないようですので、原告から訴状の背景を述べてください」
「はい。アイリーン・オルブライトはクライトン家から政略結婚という形で婚姻に至ったように思われますが、その際にクライトン子爵と皇帝陛下の間で人身売買に近い契約が交わされています。帝国法の中では違法には当たりませんが、契約書通りであればクライトン子爵家は親権を放棄したと解釈ができるはずです」
バートレットが契約書の存在を口に出すと、裁判官が「証拠品を確認します」と声を上げた。
裁判官の助手らしい方がバートレットから契約書を受け取り、裁判官の席に持っていく。皇子殿下が最初に契約書に目を通して、隣に渡した。
「この内容の通りであれば、クライトン子爵家はアイリーン・オルブライトの身柄を売り、皇帝の意思でオルブライト家との縁組が成立したことになる。ところで、この契約書はどこから借りたものだ?」
ヒュー王子殿下の質問に、バートレットが「はい、皇帝陛下でございます」と答えた。
お父様側の弁護士が顔を歪ませる。私が皇帝陛下から書類の元本を借りてくるとは思わなかったのだろう。
「確かに皇帝の証明がある。この契約書が捏造であった場合、原告は詐称の罪に問われるが、その様なことはないと誓えるか?」
「誓います。皇帝陛下に書類の貸与を請求した書面がどこかに保管されているはずですので、記録は辿っていただけるかと」
バートレットのハッキリとした物言いに、皇子殿下は「うむ」とうなずく。
「では、この事実に対して被告側の意見をうかがいます」
裁判官がお父様の弁護士に尋ねると、被告側の席でお父様が挙手をした。
「被告の発言を認めます」
裁判官の許可を得て弁護士が席に戻り、杖をつきながら歩くお父様が証言台に立つ。
「その書面にあることは事実ですが、いくら親権を渡したとしても私とアイリーンは実の親子、会いたい時に会うことの何が問題なのでしょうか? 契約には、接触を禁止する事項などございません」
お父様が、裁判官の方を見て訴えるように言った。
民事裁判は、最終的に裁判官の意見で原告側と被告側の主張の優位が決まり、そこから裁判長の判断で判決が下る。
お父様は、親子の血のつながりという部分で感情に訴えかけ、裁判官を取り込もうということらしい。
ヒュー皇子殿下は、心配そうに私を見た。そういう顔は不安になるからやめて欲しい。
「いよいよね。わたくしは傍聴席で健闘を祈ることしかできないけれど、アイリーンは何も悪くないのだから自信を持って」
「はい……」
時間になったらヒュー皇子殿下が呼びにきてくれることになっている。
お城にある裁判所で、一般の人を入れない形で両親と対峙することになった。
皇子殿下が裁判長を務めてくれるし、皇室の弁護士が何度も家に来て相談に乗ってくれて、これ以上ないほど恵まれているのに……両親が相手だと思うと不安が消えない。
――私は、あの人たちに言い返すことができるだろうか。
裁判所なんて、人生で一度も行ったことがない。
訴えたのは私だけれど、醜い言い合いをしなくてはならないのかもしれない。
「アイリーン、時間だ」
皇子殿下が側近のオルウィン侯爵と共に私とクリスティーナを呼びに来た。
赤に金の刺繡が入った派手なローブを身に付けている。どうやらこれが裁判長の正装らしい。
クリスティーナと小さくうなずき合って、部屋を出る。
実家にいた時の私は親に反抗することなどできなかったけれど、今はもう、両親に全てを握られてはいない。
人狼のみんなやユリシーズのためにも、私は絶対に勝たなくちゃ――。
***
お城の中にある裁判所は、オルブライト家の食堂が3つ分くらい入る大きさがある。
2階建てで、2階には1列に10人ほど座れそうな席が2列、傍聴席として設けられていた。原告と被告が座る席は1階だから、傍聴席からは全てが見渡せるようになっている。
クリスティーナは2階に向かって歩いて行き、私は原告と被告が座る席である一番前の列に向かう。訴える側が訴えられる側と横並びで座るのか、と両親の姿を捉えながら思った。
両親は、こちらをチラリと見ただけで表情も動かさずに前を向く。
私の座る席の後ろが弁護士の席だ。
弁護を務めてくれるのはバートレットで、バートレットの補佐兼証人としてシンシアと皇室の弁護士が横に座っていた。
弁護士を探さなくちゃとバートレットに伝えた時、「ではわたくしめが」と名乗り出た時には大層驚いたのだけれど、バートレットはもともとオルブライト家の法務を担当するためユリシーズのお父様の援助で法律を勉強し、弁護士の資格を持っているのだという。
なんだかバートレットの底が知れない。
つくづく有能な人ね、といつも通りのポーカーフェイスを見て勇気が湧く。
バートレットが座る弁護士席の前の列、原告の席に着くと、後ろから「奥様、右と左にひとつずつ見えている演説台ような場所が、それぞれ原告側と被告側の証言台です」と小声が聞こえる。
バートレットの方を振り向き、「じゃあ、私たちは向かって左側の証言台を使って主張をするの?」と尋ねた。
「さようでございます。弁護人が最初に証言台に向かい、弁護人同士で訴状の確認と主張をします。その後、それぞれの主張に合わせて裁判官が被告や原告を呼びますので、呼ばれた者が証言台に立って話します。どなたかの主張が途中でも、弁護人は弁護する内容があれば席からでも口を挟むことができますので、ところどころで助け船は出せるかと」
「えっ? バートレット、そんなに話せるの? 大丈夫??」
「……まさかそんなことを心配されるとは思いませんでした」
バートレットが私の方を見ながら頭が痛そうにしている。
だって、バートレットって積極的に喋る印象がない。
カン! と小槌の音が裁判所に響いた。
「静粛に。これから裁判を始めます。原告代理人と被告代理人は証言台へ進んでください」
小槌で音を立てたのは皇子殿下で、声を上げたのはヒュー皇子の隣に座っている人だった。
私たちの席からは後ろ側に当たる檀上に裁判官の席があり、中央は裁判長を務めるヒュー皇子の席。
裁判官たちは全員黒いローブを羽織っている。中央に座るヒュー皇子だけが赤いローブ姿だ。
バートレットとお父様の弁護士が席を立ち、それぞれの証言台に立つ。
証言台は向かい合っていて、お互いを見ながら発言するような作りだ。
「それでは、原告側より訴状を読み上げてください」
バートレットが手元の書類を腰辺りに掲げた。
「訴状――原告、アイリーン・オルブライトは、クライトン子爵と子爵夫人に対し親権放棄を申し立て、今後の接触を絶っていただくように望みます」
バートレットの低く澄んだ声が響く。
「それでは、被告側は答弁書を読み上げてください」
裁判官がバートレットの発言を受けて、お父様側の弁護士を促した。
「答弁書――アイリーン・オルブライトは、成人になるまでクライトン子爵家で育ち、オルブライト伯爵家に婚姻という形で入りました。これはクライトン家が皇帝陛下から命を受けたためです。クライトン家なくして現在のアイリーン・オルブライトはあり得ません。申し立ては生み育てた親として受け入れがたいものです」
まあ、想像していた通りの主張ね。バートレットも全く動揺していない。
「それぞれの主張が合意に至らないようですので、原告から訴状の背景を述べてください」
「はい。アイリーン・オルブライトはクライトン家から政略結婚という形で婚姻に至ったように思われますが、その際にクライトン子爵と皇帝陛下の間で人身売買に近い契約が交わされています。帝国法の中では違法には当たりませんが、契約書通りであればクライトン子爵家は親権を放棄したと解釈ができるはずです」
バートレットが契約書の存在を口に出すと、裁判官が「証拠品を確認します」と声を上げた。
裁判官の助手らしい方がバートレットから契約書を受け取り、裁判官の席に持っていく。皇子殿下が最初に契約書に目を通して、隣に渡した。
「この内容の通りであれば、クライトン子爵家はアイリーン・オルブライトの身柄を売り、皇帝の意思でオルブライト家との縁組が成立したことになる。ところで、この契約書はどこから借りたものだ?」
ヒュー王子殿下の質問に、バートレットが「はい、皇帝陛下でございます」と答えた。
お父様側の弁護士が顔を歪ませる。私が皇帝陛下から書類の元本を借りてくるとは思わなかったのだろう。
「確かに皇帝の証明がある。この契約書が捏造であった場合、原告は詐称の罪に問われるが、その様なことはないと誓えるか?」
「誓います。皇帝陛下に書類の貸与を請求した書面がどこかに保管されているはずですので、記録は辿っていただけるかと」
バートレットのハッキリとした物言いに、皇子殿下は「うむ」とうなずく。
「では、この事実に対して被告側の意見をうかがいます」
裁判官がお父様の弁護士に尋ねると、被告側の席でお父様が挙手をした。
「被告の発言を認めます」
裁判官の許可を得て弁護士が席に戻り、杖をつきながら歩くお父様が証言台に立つ。
「その書面にあることは事実ですが、いくら親権を渡したとしても私とアイリーンは実の親子、会いたい時に会うことの何が問題なのでしょうか? 契約には、接触を禁止する事項などございません」
お父様が、裁判官の方を見て訴えるように言った。
民事裁判は、最終的に裁判官の意見で原告側と被告側の主張の優位が決まり、そこから裁判長の判断で判決が下る。
お父様は、親子の血のつながりという部分で感情に訴えかけ、裁判官を取り込もうということらしい。
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