38 / 134
2章
奉仕
しおりを挟む
執事のバートレットが突然ユリシーズの部屋に現れた。
私がクリスティーナ姫とは別人だというニュアンスのことを言ってくれるから、周りにいる人狼の使用人に聞かれるのではないかしらと戸惑うばかり。
部屋の中の会話であっても、人狼は耳が良いから他の場所から聞き取ることができるらしい。
気軽に会話もできやしないわ。
「変なことを言わないで。誰かに聞かれたらどうするのよ?!」
思わず大きな声が出てしまう。ユリシーズは「まあまあ」と私を落ち着かせようとした。
一体あなたはどっちの味方なの?
「この屋敷の使用人は、皆とっくに気付いておりますよ」
当然のように執事に言われ、耳を疑う。
「え?」
「どうしてご主人様にあっさり見破られたのに、他の人狼にはバレないと思えるのですか?」
「だって、面識が……」
「奥様に公爵家らしい高貴な匂いがしないことくらい、すぐに分かります」
そうだった、そういえばノクスに初めて会ったときにそんなニュアンスのことを言われた。
安い飯しか食ってない匂いがするって……。
「えっ?! みんな匂いで気付いてたってこと?」
「気付かない方がおかしいのではないでしょうか? さらに言うと、身体に異様な古傷をお持ちなことも分かります……」
執事にさらりと言われ、そんなことまで把握されていたの? と恥ずかしくなる。
出自が公爵家でないばかりか、私は親にも愛されず身体には古い虐待の痕がいくつか残っていた。
そんな匂いって何? ……私ですら、すっかり傷痕のことなんか忘れていたのに。
「クリスティーナ姫のふりをしていて……ごめんなさい」
「気になさらないでください。クリスティーナ様だろうがアイリーン様だろうが、奥様は奥様、最初からなんら変わっておりません」
「ありがとう……」
私に対して割と失礼な執事が、いつもよりなんだか優しい。
本当は、意外といい人なのかしら。
「おい、そんな風に馴れ馴れしく話すな」
突然、ユリシーズからぶっきらぼうな声が聞こえてはっとした。
ふさふさの耳と尻尾が生えた姿になっていて、どう見てもこれはノクス……。陽が沈んだのね……。
「申し訳ございません」
頭に耳が生えた執事は普段見てきた姿に比べてずっと腰が低くなっている。
この人が、こんな風にユリシーズに服従するところを初めて見た。
「アイリーンは俺の女だ。軽々しく扱うつもりなら容赦しない。俺を軽く見ているということだからな」
「はっ」
明確なヒエラルキー。これが群れのリーダー、ユリシーズ……。
ディエスが以前、ノクスの力は圧倒的だと言っていた。ノクスのお陰で一族がまとまっているようなことを……。
「今度の満月前は、猪にしろ。生き血はともかく、アイリーンに食わせてやりたい。ちゃんと生け捕りにするんだぞ。家で数日飼うんだ」
「かしこまりました」
「苦戦したら俺に報告しろ。すぐに捕まえてきてやる」
「そうならないよう、善処します」
「ふん」
なによ、ノクスったら。普段あんなに甘えん坊なくせして、やたら偉そうじゃない。
もっとかわいげがある言い方はできないの?
「アイリーンはこれから俺の部屋で一緒に過ごすんだったな」
「そうだったかしら?」
「照れてるのか? 宿でもずっと一緒だっただろ」
執事の前で、ノクスは私に抱きついて強めの頬ずりをする。
ちょっとちょっと、痛いんですけど。
「あなたって、随分偉そうね?」
「偉そう、じゃなくて実際に偉いんだ」
「オルブライト家の当主だから?」
「人狼族で一番強い。族長だからな」
「当主と族長は違うの?」
「当主は伯爵家の血統で決まるが、族長は力がなければなれない。当主と族長を同時に務めたのは、俺で史上二人目だ」
そんな風に得意げに言って執事に「しっ」と手で退室を促すと、執事はあっという間に部屋を出て行ってしまった。
ああ、あの灰色の尻尾に触りたい。いいえ、今はユリシーズの黒いふさふさ尻尾が近くに……。
「んああああっ?!」
大きな尻尾を付け根から軽く握って手を滑らせたら、叫び声みたいなものが上がった。
そっかあ、ユリシーズも尻尾は敏感かあ。犬と一緒なのね。
「アイリーン?!」
「ごめんなさい、尻尾がふさふさしててかわいかったから、つい」
「できれば事前に声がけをしてくれないか……心臓に悪い」
「心の準備がいるのね」
「尻尾だぞ?」
そんなこと言われても。人狼の尻尾がどんな刺激なのかなんて分からないし。
「分かった。これからは触りたくなったら事前に言うわ」
「触りたくなるのか……まあ、アイリーンがそこまで言うなら触らせてやってもいい」
「じゃあ、もう一度触らせて?」
「しょ、しょうがねえな……」
ユリシーズは尻尾を自由に動かせるのか、ぶん、と振って身体の前に持ってくる。私の前に差し出してくれたらしい。
そっと両手で掴むと、ふわふわとした毛の中に指が埋まる。
「やあーん、ふっかふかじゃないの-」
「言っておくが、尻尾は誰にも触らせたことないんだからな?」
「ふふ、分かったわ。夫婦だから特別ね?」
「まあ、そうだな、夫婦だからな」
いちいち照れてくれるノクス。ほんと、かわいいところあるのよね。
よく見ると眉がピクピクしている。私が尻尾をふかふかしているから?
「どうして尻尾を触られるのがあんまり得意じゃないの?」
「むずむずするんだよ。くすぐったいのとはまた違って」
ふーん、眉がピクピクしているのはむずむずしているってことなのかしら。
「って話を俺がしても触り続けるのか?」
「だって、気持ちいいんだもの」
「……俺はアイリーンの愛玩動物になったつもりはない」
「撫でてあげる?」
「寝かしつけるのもやめろ」
はあ、とノクスは横を向いて息を吐いた。
ため息? そんなに嫌?
じっと観察していると「ここまで言うことをきいたんだから、俺にも権利はあるはずだ」と聞き捨てならない独り言を聞こえるように言ってくる。
咄嗟に尻尾を握る手を離して作り笑いを浮かべた。
目の前にいるノクス、ここは彼の部屋、尻尾を握らせてもらうことで我慢させてしまった私……。
まずい。
「じゃあ、もうやめるわね」
「いや、そういう問題じゃない」
私はノクスと距離を取ろうと後ずさりをする。どうしよう、ノクスの目がなんだか本気で獲物を見るような目をしている。
ノクスはジリジリと私を追い詰め、私が壁際まで追い込まれると嬉しそうにニヤリと笑みを浮かべる。
「なんで逃げる? 俺がアイリーンを傷つけるとでも?」
「怒らせるつもりは無かったの。冷静になって欲しいっていうか」
「冷静だ。ただ、そろそろ俺のターンだろ?」
私の顔の横にある壁に肘を当てたユリシーズ。
身体が密着して逃げられない状態になった。
「俺は、尻尾を触らせたんだ」
目の前で舌なめずりをされ、鋭い犬歯がこっちを向いている。緊張で身体が動かない。
「アイリーン、夫に対して奉仕が足りないんじゃないか?」
「奉仕……」
「俺はアイリーンを喜ばせただろう。アイリーンは、どうする?」
え? ユリシーズを喜ばせること?
確かに、撫でてあげれば喜ぶのかと思いきや、寝ちゃうからダメだって言われているし……。
どうしよう、どうしたらこの飢えた様子のノクスを止められるのかしら。
私がクリスティーナ姫とは別人だというニュアンスのことを言ってくれるから、周りにいる人狼の使用人に聞かれるのではないかしらと戸惑うばかり。
部屋の中の会話であっても、人狼は耳が良いから他の場所から聞き取ることができるらしい。
気軽に会話もできやしないわ。
「変なことを言わないで。誰かに聞かれたらどうするのよ?!」
思わず大きな声が出てしまう。ユリシーズは「まあまあ」と私を落ち着かせようとした。
一体あなたはどっちの味方なの?
「この屋敷の使用人は、皆とっくに気付いておりますよ」
当然のように執事に言われ、耳を疑う。
「え?」
「どうしてご主人様にあっさり見破られたのに、他の人狼にはバレないと思えるのですか?」
「だって、面識が……」
「奥様に公爵家らしい高貴な匂いがしないことくらい、すぐに分かります」
そうだった、そういえばノクスに初めて会ったときにそんなニュアンスのことを言われた。
安い飯しか食ってない匂いがするって……。
「えっ?! みんな匂いで気付いてたってこと?」
「気付かない方がおかしいのではないでしょうか? さらに言うと、身体に異様な古傷をお持ちなことも分かります……」
執事にさらりと言われ、そんなことまで把握されていたの? と恥ずかしくなる。
出自が公爵家でないばかりか、私は親にも愛されず身体には古い虐待の痕がいくつか残っていた。
そんな匂いって何? ……私ですら、すっかり傷痕のことなんか忘れていたのに。
「クリスティーナ姫のふりをしていて……ごめんなさい」
「気になさらないでください。クリスティーナ様だろうがアイリーン様だろうが、奥様は奥様、最初からなんら変わっておりません」
「ありがとう……」
私に対して割と失礼な執事が、いつもよりなんだか優しい。
本当は、意外といい人なのかしら。
「おい、そんな風に馴れ馴れしく話すな」
突然、ユリシーズからぶっきらぼうな声が聞こえてはっとした。
ふさふさの耳と尻尾が生えた姿になっていて、どう見てもこれはノクス……。陽が沈んだのね……。
「申し訳ございません」
頭に耳が生えた執事は普段見てきた姿に比べてずっと腰が低くなっている。
この人が、こんな風にユリシーズに服従するところを初めて見た。
「アイリーンは俺の女だ。軽々しく扱うつもりなら容赦しない。俺を軽く見ているということだからな」
「はっ」
明確なヒエラルキー。これが群れのリーダー、ユリシーズ……。
ディエスが以前、ノクスの力は圧倒的だと言っていた。ノクスのお陰で一族がまとまっているようなことを……。
「今度の満月前は、猪にしろ。生き血はともかく、アイリーンに食わせてやりたい。ちゃんと生け捕りにするんだぞ。家で数日飼うんだ」
「かしこまりました」
「苦戦したら俺に報告しろ。すぐに捕まえてきてやる」
「そうならないよう、善処します」
「ふん」
なによ、ノクスったら。普段あんなに甘えん坊なくせして、やたら偉そうじゃない。
もっとかわいげがある言い方はできないの?
「アイリーンはこれから俺の部屋で一緒に過ごすんだったな」
「そうだったかしら?」
「照れてるのか? 宿でもずっと一緒だっただろ」
執事の前で、ノクスは私に抱きついて強めの頬ずりをする。
ちょっとちょっと、痛いんですけど。
「あなたって、随分偉そうね?」
「偉そう、じゃなくて実際に偉いんだ」
「オルブライト家の当主だから?」
「人狼族で一番強い。族長だからな」
「当主と族長は違うの?」
「当主は伯爵家の血統で決まるが、族長は力がなければなれない。当主と族長を同時に務めたのは、俺で史上二人目だ」
そんな風に得意げに言って執事に「しっ」と手で退室を促すと、執事はあっという間に部屋を出て行ってしまった。
ああ、あの灰色の尻尾に触りたい。いいえ、今はユリシーズの黒いふさふさ尻尾が近くに……。
「んああああっ?!」
大きな尻尾を付け根から軽く握って手を滑らせたら、叫び声みたいなものが上がった。
そっかあ、ユリシーズも尻尾は敏感かあ。犬と一緒なのね。
「アイリーン?!」
「ごめんなさい、尻尾がふさふさしててかわいかったから、つい」
「できれば事前に声がけをしてくれないか……心臓に悪い」
「心の準備がいるのね」
「尻尾だぞ?」
そんなこと言われても。人狼の尻尾がどんな刺激なのかなんて分からないし。
「分かった。これからは触りたくなったら事前に言うわ」
「触りたくなるのか……まあ、アイリーンがそこまで言うなら触らせてやってもいい」
「じゃあ、もう一度触らせて?」
「しょ、しょうがねえな……」
ユリシーズは尻尾を自由に動かせるのか、ぶん、と振って身体の前に持ってくる。私の前に差し出してくれたらしい。
そっと両手で掴むと、ふわふわとした毛の中に指が埋まる。
「やあーん、ふっかふかじゃないの-」
「言っておくが、尻尾は誰にも触らせたことないんだからな?」
「ふふ、分かったわ。夫婦だから特別ね?」
「まあ、そうだな、夫婦だからな」
いちいち照れてくれるノクス。ほんと、かわいいところあるのよね。
よく見ると眉がピクピクしている。私が尻尾をふかふかしているから?
「どうして尻尾を触られるのがあんまり得意じゃないの?」
「むずむずするんだよ。くすぐったいのとはまた違って」
ふーん、眉がピクピクしているのはむずむずしているってことなのかしら。
「って話を俺がしても触り続けるのか?」
「だって、気持ちいいんだもの」
「……俺はアイリーンの愛玩動物になったつもりはない」
「撫でてあげる?」
「寝かしつけるのもやめろ」
はあ、とノクスは横を向いて息を吐いた。
ため息? そんなに嫌?
じっと観察していると「ここまで言うことをきいたんだから、俺にも権利はあるはずだ」と聞き捨てならない独り言を聞こえるように言ってくる。
咄嗟に尻尾を握る手を離して作り笑いを浮かべた。
目の前にいるノクス、ここは彼の部屋、尻尾を握らせてもらうことで我慢させてしまった私……。
まずい。
「じゃあ、もうやめるわね」
「いや、そういう問題じゃない」
私はノクスと距離を取ろうと後ずさりをする。どうしよう、ノクスの目がなんだか本気で獲物を見るような目をしている。
ノクスはジリジリと私を追い詰め、私が壁際まで追い込まれると嬉しそうにニヤリと笑みを浮かべる。
「なんで逃げる? 俺がアイリーンを傷つけるとでも?」
「怒らせるつもりは無かったの。冷静になって欲しいっていうか」
「冷静だ。ただ、そろそろ俺のターンだろ?」
私の顔の横にある壁に肘を当てたユリシーズ。
身体が密着して逃げられない状態になった。
「俺は、尻尾を触らせたんだ」
目の前で舌なめずりをされ、鋭い犬歯がこっちを向いている。緊張で身体が動かない。
「アイリーン、夫に対して奉仕が足りないんじゃないか?」
「奉仕……」
「俺はアイリーンを喜ばせただろう。アイリーンは、どうする?」
え? ユリシーズを喜ばせること?
確かに、撫でてあげれば喜ぶのかと思いきや、寝ちゃうからダメだって言われているし……。
どうしよう、どうしたらこの飢えた様子のノクスを止められるのかしら。
0
お気に入りに追加
102
あなたにおすすめの小説
会うたびに、貴方が嫌いになる
黒猫子猫(猫子猫)
恋愛
長身の王女レオーネは、侯爵家令息のアリエスに会うたびに惹かれた。だが、守り役に徹している彼が応えてくれたことはない。彼女が聖獣の力を持つために発情期を迎えた時も、身体を差し出して鎮めてくれこそしたが、その後も変わらず塩対応だ。悩むレオーネは、彼が自分とは正反対の可愛らしい令嬢と親しくしているのを目撃してしまう。優しく笑いかけ、「小さい方が良い」と褒めているのも聞いた。失恋という現実を受け入れるしかなかったレオーネは、二人の妨げになるまいと決意した。
アリエスは嫌そうに自分を遠ざけ始めたレオーネに、動揺を隠せなくなった。彼女が演技などではなく、本気でそう思っていると分かったからだ。
貴妃エレーナ
無味無臭(不定期更新)
恋愛
「君は、私のことを恨んでいるか?」
後宮で暮らして数十年の月日が流れたある日のこと。国王ローレンスから突然そう聞かれた貴妃エレーナは戸惑ったように答えた。
「急に、どうされたのですか?」
「…分かるだろう、はぐらかさないでくれ。」
「恨んでなどいませんよ。あれは遠い昔のことですから。」
そう言われて、私は今まで蓋をしていた記憶を辿った。
どうやら彼は、若かりし頃に私とあの人の仲を引き裂いてしまったことを今も悔やんでいるらしい。
けれど、もう安心してほしい。
私は既に、今世ではあの人と縁がなかったんだと諦めている。
だから…
「陛下…!大変です、内乱が…」
え…?
ーーーーーーーーーーーーー
ここは、どこ?
さっきまで内乱が…
「エレーナ?」
陛下…?
でも若いわ。
バッと自分の顔を触る。
するとそこにはハリもあってモチモチとした、まるで若い頃の私の肌があった。
懐かしい空間と若い肌…まさか私、昔の時代に戻ったの?!
想い合っている? そうですか、ではお幸せに
四季
恋愛
コルネリア・フレンツェはある日突然訪問者の女性から告げられた。
「実は、私のお腹には彼との子がいるんです」
婚約者の相応しくない振る舞いが判明し、嵐が訪れる。
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
傲慢令嬢は、猫かぶりをやめてみた。お好きなように呼んでくださいませ。愛しいひとが私のことをわかってくださるなら、それで十分ですもの。
石河 翠
恋愛
高飛車で傲慢な令嬢として有名だった侯爵令嬢のダイアナは、婚約者から婚約を破棄される直前、階段から落ちて頭を打ち、記憶喪失になった上、体が不自由になってしまう。
そのまま修道院に身を寄せることになったダイアナだが、彼女はその暮らしを嬉々として受け入れる。妾の子であり、貴族暮らしに馴染めなかったダイアナには、修道院での暮らしこそ理想だったのだ。
新しい婚約者とうまくいかない元婚約者がダイアナに接触してくるが、彼女は突き放す。身勝手な言い分の元婚約者に対し、彼女は怒りを露にし……。
初恋のひとのために貴族教育を頑張っていたヒロインと、健気なヒロインを見守ってきたヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、別サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる