18 / 134
1章
ルーツ 2
しおりを挟む
「どうされたのですか? クリスティーナ様」
「あ、いえ……わたくし、ユリシーズの両親について何も知らないわ」
「ああ、そうですね。興味を持ってくださったのですか?」
「はい」
もしも私が両親について聞かれたら、クリスティーナ姫と打ち合わせをした簡単な内容のものを答える。
公爵様と奥様については手放しで褒めなければならないけれど。
アイリーンという子爵令嬢が両親にどんな扱いを受けていたのかなんて伯爵家のユリシーズが知るはずがない。私が親に愛されずに生きてきたなんて、ユリシーズには理解できないだろう。
「では、馬での旅はもう少し続きますから、私の両親の話をしましょうか」
ユリシーズはそう言って両親の話を始めた。
初めて聞く人狼の話は、どこかのおとぎ話のようだった。
ユリシーズのお母様は人狼の一族では狩りが一番上手い女性だったそうで、夜に人狼の姿になると獣を狩りに行くような方だったらしい。
お父様はそんな強さに惹かれたのか、お母様の狩りを協力するために同行して二人は伴侶になり、ユリシーズが生まれた。
オルブライト伯爵家は、人狼であることを秘密にしている。
人狼は数が少なく、外戚が入ったため血も薄くなり、昼間はすっかり人間らしい生活を送れるようになっているのだとか。
「ユリシーズのご先祖様は、昼間も人狼化していたの?」
「昼間は人間の姿と変わりませんが、社会になじめなかったのだと言われています」
「それでも生き残ってきたのだから、順応できたのかしら」
「人間の伴侶を迎える者が多かったのです。人間と暮らすうちに習慣を覚えて行ったのでしょう」
まあ、話は分かる。
でも、そんな一族がこの帝国内にいるなんて知らなかった。
「それで、ご両親は?」
「……先の戦争で、帝国が攻められたときに父は戦死しました。母は父の死を知り、その後を追うようにして亡くなっています」
「そうですか……」
「人狼というのは狼と同じで、一夫一妻制を生涯貫きます。伴侶が亡くなると飲食ができなくなり、やがて息絶えます」
「……」
夜、初めてノクスに出会った時に私を伴侶に決めたと言っていたけれど、それって人生にとって相当重要なことだったんだろうと思う。
「あなたも、その覚悟でわたくしを迎えたの?」
「……覚悟というか、一生に一人の異性しか愛せない生き物なのです」
つまり、ユリシーズはクリスティーナ姫を見て、生涯にひとりの伴侶に望んでしまったのね。
まさか代わりに私が来るとも知らず、皇帝陛下に直訴までして……。
「そんな風に伴侶を決めたら苦労しそう」
「どうでしょうか。ただ不器用な生き物だと笑っていただいていいのですが」
ユリシーズはどこか晴れやかな声をしていた。
伴侶を変えられず、一人の相手としか生きられない宿命でも、自分の思い通りの伴侶が手に入って幸せだと言いたいのかもしれないけれど。
こんな事情を知ってしまったら、昼のあなたに私がアイリーンである事実を伝えるのは無理だ。
皮肉なもので、夜のノクスは私が一生に一度の出会いになった。
昼のディエスはクリスティーナ姫しか愛せない。
つまり私は、昼と夜でクリスティーナ姫とアイリーンを使い分けなければユリシーズのそばにはいられない。
「ねえ、ディエス」
「その名で呼ばれるのは珍しいですね」
「もしもノクスと愛する相手が異なったら、伴侶はどう決まるのですか?」
ディエスは、ノクスがクリスティーナ姫を嫌っていたのを知っていたはずだ。
私は馬の上でディエスの答えを待つ。
足元では蹄の音が軽快に鳴っているのに、審判を待つカウントダウンをされている気持ちになっていた。
「実は、ノクスがクリスティーナ様を嫌っているのは分かっていました」
ごくりと喉が鳴ってしまう。
もう一人の自分が嫌う伴侶を選ぶって、どんな気持ちなのかしら。
「それでも私は自分に抗えない。ですから、ノクスはノクスで伴侶を探すかもしれないという懸念はありました」
「……それはどうするつもりだったのですか?」
「それぞれで愛する者を一人ずつ持つ可能性もあったということです」
「……」
つまり、ノクスが別の伴侶を見つけてしまった場合、二人の妻を持つ伯爵という体にするのか、ノクスの伴侶を妾に囲うのか……。
ディエスとノクスにとっては一夫一妻制を貫いていながら、外からの見え方はそうではないという体裁になるのね。
「結果的にはノクスがクリスティーナ様を受け入れたので、その可能性はなくなりましたが」
「ユリシーズのご両親には、昼と夜で違うパートナーがいたの?」
「いえ、元々夜に出会った二人は人狼の部分で惹かれ合っていたので。婚姻して朝になっても普通に伴侶でした。私の両親は、昼と夜で性格も変わらなかったようです」
「そう」
「最近はペトラのように、昼と夜でも姿しか変わらない者も多いのです。人間の血が濃くなった証拠でしょう」
ディエスは人狼同士から生まれているし、人間の血が濃いとは言えない。
本物のクリスティーナ姫と会ったら本能的に分かってしまうのかも。
そしてそれは、私がパートナーになっているのが誤りだったと気付くということ。
相手が手に入るような人物であれば、昼と夜で別のパートナーを求めるのかもしれないけれど。クリスティーナ姫は皇族になってしまうから望むのは不可能に近い。
皇族入りをするクリスティーナ姫と、この先出会ったりはしないのかしら。
「ショックを与えてしまいましたか?」
ユリシーズの声で我に返る。
「あっ……。ごめんなさい」
皇帝と公爵家はクリスティーナ姫をユリシーズの前に出そうとはしないだろう。
でも……クリスティーナ姫がアイリーンとして存在感を現し始めたら?
「私もノクスも、あなたを伴侶に決めたのです。覆ることはありません」
「……そうですよね」
ディエスは私をクリスティーナ姫だと思っているのだから。
誤解し続けてくれれば、誰も不幸にならない。
私は、クリスティーナ姫が言っていた『女の戦い』というものが怖くなっていた。
クリスティーナ姫がアイリーンとして、帝国を盛り立ててくださればと願っていたのに。
私と同じ顔をしたアイリーンが存在感を増せば、ユリシーズが知ってしまう可能性だって充分考えられる。
「最低だ、私」
ユリシーズに聞こえないよう、声を出さずに呟く。
こんなに自分のことばかりを心配してしまうなんて。
「あ、いえ……わたくし、ユリシーズの両親について何も知らないわ」
「ああ、そうですね。興味を持ってくださったのですか?」
「はい」
もしも私が両親について聞かれたら、クリスティーナ姫と打ち合わせをした簡単な内容のものを答える。
公爵様と奥様については手放しで褒めなければならないけれど。
アイリーンという子爵令嬢が両親にどんな扱いを受けていたのかなんて伯爵家のユリシーズが知るはずがない。私が親に愛されずに生きてきたなんて、ユリシーズには理解できないだろう。
「では、馬での旅はもう少し続きますから、私の両親の話をしましょうか」
ユリシーズはそう言って両親の話を始めた。
初めて聞く人狼の話は、どこかのおとぎ話のようだった。
ユリシーズのお母様は人狼の一族では狩りが一番上手い女性だったそうで、夜に人狼の姿になると獣を狩りに行くような方だったらしい。
お父様はそんな強さに惹かれたのか、お母様の狩りを協力するために同行して二人は伴侶になり、ユリシーズが生まれた。
オルブライト伯爵家は、人狼であることを秘密にしている。
人狼は数が少なく、外戚が入ったため血も薄くなり、昼間はすっかり人間らしい生活を送れるようになっているのだとか。
「ユリシーズのご先祖様は、昼間も人狼化していたの?」
「昼間は人間の姿と変わりませんが、社会になじめなかったのだと言われています」
「それでも生き残ってきたのだから、順応できたのかしら」
「人間の伴侶を迎える者が多かったのです。人間と暮らすうちに習慣を覚えて行ったのでしょう」
まあ、話は分かる。
でも、そんな一族がこの帝国内にいるなんて知らなかった。
「それで、ご両親は?」
「……先の戦争で、帝国が攻められたときに父は戦死しました。母は父の死を知り、その後を追うようにして亡くなっています」
「そうですか……」
「人狼というのは狼と同じで、一夫一妻制を生涯貫きます。伴侶が亡くなると飲食ができなくなり、やがて息絶えます」
「……」
夜、初めてノクスに出会った時に私を伴侶に決めたと言っていたけれど、それって人生にとって相当重要なことだったんだろうと思う。
「あなたも、その覚悟でわたくしを迎えたの?」
「……覚悟というか、一生に一人の異性しか愛せない生き物なのです」
つまり、ユリシーズはクリスティーナ姫を見て、生涯にひとりの伴侶に望んでしまったのね。
まさか代わりに私が来るとも知らず、皇帝陛下に直訴までして……。
「そんな風に伴侶を決めたら苦労しそう」
「どうでしょうか。ただ不器用な生き物だと笑っていただいていいのですが」
ユリシーズはどこか晴れやかな声をしていた。
伴侶を変えられず、一人の相手としか生きられない宿命でも、自分の思い通りの伴侶が手に入って幸せだと言いたいのかもしれないけれど。
こんな事情を知ってしまったら、昼のあなたに私がアイリーンである事実を伝えるのは無理だ。
皮肉なもので、夜のノクスは私が一生に一度の出会いになった。
昼のディエスはクリスティーナ姫しか愛せない。
つまり私は、昼と夜でクリスティーナ姫とアイリーンを使い分けなければユリシーズのそばにはいられない。
「ねえ、ディエス」
「その名で呼ばれるのは珍しいですね」
「もしもノクスと愛する相手が異なったら、伴侶はどう決まるのですか?」
ディエスは、ノクスがクリスティーナ姫を嫌っていたのを知っていたはずだ。
私は馬の上でディエスの答えを待つ。
足元では蹄の音が軽快に鳴っているのに、審判を待つカウントダウンをされている気持ちになっていた。
「実は、ノクスがクリスティーナ様を嫌っているのは分かっていました」
ごくりと喉が鳴ってしまう。
もう一人の自分が嫌う伴侶を選ぶって、どんな気持ちなのかしら。
「それでも私は自分に抗えない。ですから、ノクスはノクスで伴侶を探すかもしれないという懸念はありました」
「……それはどうするつもりだったのですか?」
「それぞれで愛する者を一人ずつ持つ可能性もあったということです」
「……」
つまり、ノクスが別の伴侶を見つけてしまった場合、二人の妻を持つ伯爵という体にするのか、ノクスの伴侶を妾に囲うのか……。
ディエスとノクスにとっては一夫一妻制を貫いていながら、外からの見え方はそうではないという体裁になるのね。
「結果的にはノクスがクリスティーナ様を受け入れたので、その可能性はなくなりましたが」
「ユリシーズのご両親には、昼と夜で違うパートナーがいたの?」
「いえ、元々夜に出会った二人は人狼の部分で惹かれ合っていたので。婚姻して朝になっても普通に伴侶でした。私の両親は、昼と夜で性格も変わらなかったようです」
「そう」
「最近はペトラのように、昼と夜でも姿しか変わらない者も多いのです。人間の血が濃くなった証拠でしょう」
ディエスは人狼同士から生まれているし、人間の血が濃いとは言えない。
本物のクリスティーナ姫と会ったら本能的に分かってしまうのかも。
そしてそれは、私がパートナーになっているのが誤りだったと気付くということ。
相手が手に入るような人物であれば、昼と夜で別のパートナーを求めるのかもしれないけれど。クリスティーナ姫は皇族になってしまうから望むのは不可能に近い。
皇族入りをするクリスティーナ姫と、この先出会ったりはしないのかしら。
「ショックを与えてしまいましたか?」
ユリシーズの声で我に返る。
「あっ……。ごめんなさい」
皇帝と公爵家はクリスティーナ姫をユリシーズの前に出そうとはしないだろう。
でも……クリスティーナ姫がアイリーンとして存在感を現し始めたら?
「私もノクスも、あなたを伴侶に決めたのです。覆ることはありません」
「……そうですよね」
ディエスは私をクリスティーナ姫だと思っているのだから。
誤解し続けてくれれば、誰も不幸にならない。
私は、クリスティーナ姫が言っていた『女の戦い』というものが怖くなっていた。
クリスティーナ姫がアイリーンとして、帝国を盛り立ててくださればと願っていたのに。
私と同じ顔をしたアイリーンが存在感を増せば、ユリシーズが知ってしまう可能性だって充分考えられる。
「最低だ、私」
ユリシーズに聞こえないよう、声を出さずに呟く。
こんなに自分のことばかりを心配してしまうなんて。
0
お気に入りに追加
102
あなたにおすすめの小説
会うたびに、貴方が嫌いになる
黒猫子猫(猫子猫)
恋愛
長身の王女レオーネは、侯爵家令息のアリエスに会うたびに惹かれた。だが、守り役に徹している彼が応えてくれたことはない。彼女が聖獣の力を持つために発情期を迎えた時も、身体を差し出して鎮めてくれこそしたが、その後も変わらず塩対応だ。悩むレオーネは、彼が自分とは正反対の可愛らしい令嬢と親しくしているのを目撃してしまう。優しく笑いかけ、「小さい方が良い」と褒めているのも聞いた。失恋という現実を受け入れるしかなかったレオーネは、二人の妨げになるまいと決意した。
アリエスは嫌そうに自分を遠ざけ始めたレオーネに、動揺を隠せなくなった。彼女が演技などではなく、本気でそう思っていると分かったからだ。
貴妃エレーナ
無味無臭(不定期更新)
恋愛
「君は、私のことを恨んでいるか?」
後宮で暮らして数十年の月日が流れたある日のこと。国王ローレンスから突然そう聞かれた貴妃エレーナは戸惑ったように答えた。
「急に、どうされたのですか?」
「…分かるだろう、はぐらかさないでくれ。」
「恨んでなどいませんよ。あれは遠い昔のことですから。」
そう言われて、私は今まで蓋をしていた記憶を辿った。
どうやら彼は、若かりし頃に私とあの人の仲を引き裂いてしまったことを今も悔やんでいるらしい。
けれど、もう安心してほしい。
私は既に、今世ではあの人と縁がなかったんだと諦めている。
だから…
「陛下…!大変です、内乱が…」
え…?
ーーーーーーーーーーーーー
ここは、どこ?
さっきまで内乱が…
「エレーナ?」
陛下…?
でも若いわ。
バッと自分の顔を触る。
するとそこにはハリもあってモチモチとした、まるで若い頃の私の肌があった。
懐かしい空間と若い肌…まさか私、昔の時代に戻ったの?!
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
傲慢令嬢は、猫かぶりをやめてみた。お好きなように呼んでくださいませ。愛しいひとが私のことをわかってくださるなら、それで十分ですもの。
石河 翠
恋愛
高飛車で傲慢な令嬢として有名だった侯爵令嬢のダイアナは、婚約者から婚約を破棄される直前、階段から落ちて頭を打ち、記憶喪失になった上、体が不自由になってしまう。
そのまま修道院に身を寄せることになったダイアナだが、彼女はその暮らしを嬉々として受け入れる。妾の子であり、貴族暮らしに馴染めなかったダイアナには、修道院での暮らしこそ理想だったのだ。
新しい婚約者とうまくいかない元婚約者がダイアナに接触してくるが、彼女は突き放す。身勝手な言い分の元婚約者に対し、彼女は怒りを露にし……。
初恋のひとのために貴族教育を頑張っていたヒロインと、健気なヒロインを見守ってきたヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、別サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
お飾り公爵夫人の憂鬱
初瀬 叶
恋愛
空は澄み渡った雲1つない快晴。まるで今の私の心のようだわ。空を見上げた私はそう思った。
私の名前はステラ。ステラ・オーネット。夫の名前はディーン・オーネット……いえ、夫だった?と言った方が良いのかしら?だって、その夫だった人はたった今、私の足元に埋葬されようとしているのだから。
やっと!やっと私は自由よ!叫び出したい気分をグッと堪え、私は沈痛な面持ちで、黒い棺を見つめた。
そう自由……自由になるはずだったのに……
※ 中世ヨーロッパ風ですが、私の頭の中の架空の異世界のお話です
※相変わらずのゆるふわ設定です。細かい事は気にしないよ!という読者の方向けかもしれません
※直接的な描写はありませんが、性的な表現が出てくる可能性があります
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる